テストレポート
HW短評:Samsung製のUSB 3.1 Gen.2接続型外付けSSD「Portable SSD T5」
Portable SSD T5シリーズは,容量250GB,500GB,1TB,2TBの4モデル構成で,最大10Gbpsの帯域幅を持つUSB 3.1 Gen.2に対応するのが特徴だ。ラインナップと現時点で公開されているスペックは表1のとおりで,4Gamerでは容量250GBモデルである「MU-PA250B」をSamsung Electronicsから入手できた。
製品の外観は,昔懐かしの2代め「iPod mini」風。ラウンド加工という点では前世代モデル「Portable SSD T1」と変わらないものの,外観はけっこう変わったという印象がある。
本体はUSB Storage Classとして認識されるため,特別なドライバは不要。製品出荷時にはexFAT形式でフォーマットされており,データのパスワード保護を行う「Samsung Portable SSD Software」のPC版およびmacOS版の3つのインストーラと,Android端末用アプリの入手先が書いてあるテキストファイルが格納されていた。
ちなみに,この3つのOSの間でパスワード保護には互換性がある。つまりWindowsでパスワード暗号化したデータには,macOSやAndroid端末からも同じパスワードでアクセスできる仕様だということだ。
MU-PA250Bの重量は実測で50g。シリーズを通じて容易に持ち運べるサイズと重量なので,メインストレージにSSDのみを採用するようなゲーマー向けノートPCでストレージ容量を簡単に拡張するという用途で役立つだろう。USB 3.1 Gen.2の広帯域幅を活かし,Portable SSD T5側にゲームをインストールするといった使い方もできるかもしれない。
そこで,ゲームテストを含む「PCMark 8」(Version 2.7.613)の「Storage test」を,表2の環境で実行してみることにした。比較の目安として,テスト機のメインストレージにしているKingston Technology製で容量480GBのSerial ATA 6Gbps接続型SSD「Hyper-X SAVAGE Solid-State Drive」(製品型番:SHSS37A/480,以下型番表記)のスコアを併記しておきたい。
結果はグラフ1〜3のとおりだが,Serial ATA 6Gbps接続型SSDと同等のスコアを示しており,「ゲームをインストールする先」として,十分使えるレベルにあると言える。
問題があるとすれば,価格である。税込の販売代理店想定売価が2万円前後というのは,容量250GBの外付けストレージとしてはやはり高額だ。従来製品でも容量250GBモデルは2万円前後の価格設定になっていたので,「お値段そのままに高速化」という点は評価できるものの,全体としては「予算に余裕のある人向け」といったところだろうか。
PCMark 8のStorage test総合スコア。Serial ATA 6Gbps接続のSSDに匹敵するスコアを叩き出した |
PCMark 8の平均ストレージ帯域幅を見た結果。MU-PA250Bは,比較対象のSHSS37A/480と比べて約15%大きな平均ストレージ帯域幅を記録した。USB 3.1 Gen.2の広帯域に加えて,SSDそのものの性能も比較対象より高いことが窺えるデータだ |
PCMark 8に含まれるゲームタイトル「World of Warcarft」「Battlefiled 3」実行ワークロードの処理時間をまとめたグラフ。時間なのでグラフが短いほど優秀だが,ここでもSerial ATA 6Gbps接続型SSDと遜色ないのが分かる |
Samsung ElectronicsのPortable SSD T5製品情報ページ(英語)
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