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4K/480Hz表示も可能なHDMI 2.2はゲーム分野が牽引する? HDMI Licensingが最新動向を紹介
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2018年に,中国からの輸入品に対する関税が引き上げられたときには,さまざまなメーカーが中国以外の国や地域に製造拠点を移すことで,これに対処していた。しかし,2025年は中国以外の国や地域でも関税が引き上げられたため,より影響が大きくなったとのこと。
アメリカ市場における一般消費者向けテレビの輸入数は,2018年から中国製品が大きく減少している。
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メーカー各社は,増加した関税のコストを自らの利益を減らして負担するか,販売価格に転嫁して消費者が負担するか,という選択に迫られた。また,消費者の間でも製品の買い控えや買い替えサイクルの長期化といった傾向が見られるそうだ。
ドイツの調査会社であるStatistaのデータを基にした調査結果によると,不安定な関税政策とインフレの影響で,全世界における2025年から2026年の電子機器市場は,2〜3%の低い成長に留まるという。
この傾向は日本市場も同様で,AIやスマートホームといった一部の製品を除いて,小幅な成長が予想されている。
続いてトバイアス氏は,HDMI対応機器の動向を紹介した。
HDMI Licensingによると,2025年の時点でHDMI規格のライセンス供与を受けた企業は2000社を超え,年間約10億台のHDMI対応機器が出荷されているという。
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2023年から2024年にかけて新型コロナウイルスの影響で,出荷台数が減少したが,2025年には復調傾向となっている。
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2025年の大きな動きでは,1月にHDMI規格の標準化団体であるHDMI Forumが,次世代HDMI規格であるHDMI 2.2を発表し,6月には正式にリリースとなった。
HDMI 2.2では,既存規格である「HDMI 2.1b」で導入したデータ伝送方式「HDMI Fixed Rate Link technology」の次世代版を採用することで,伝送帯域幅を従来の最大48Gbpsから最大96Gbpsに倍増したのが見どころだ。
これにより,より多くのデータ伝送が可能となり,さらなる高解像度,高フレームレートの映像表示に対応する。
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トバイアス氏によると,最大96Gbpsとデータの圧縮や間引き(クロマサブサンプリング)と組み合わせることで,4K解像度(3840×2160ドット)で最大480Hz,8K解像度(7680×4320ドット)で最大240Hz,12K解像度(1万2288×6480ドット)で最大120Hzの映像表示が可能だという。
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トバイアス氏は「ここまでの高解像度や高リフレッシュレートを何に使うかという疑問が寄せられることもある。ただ,HDMI Licensingとしては,そうした需要が起こったときに,規格側の準備が整っていることが重要だと考えている。とくにゲーム分野が中心となって,新たなスペックをリードしていくだろう」と話す。
ゲーム分野では,NVIDIAの「DLSS4」や「DLSS 4.5」,AMDの「AMD Fluid Motion Frames 2」,Intelの「XeSS Frame Generation」といったフレーム生成技術により,高解像度と高フレームレートを両立できるようになりつつある。
HDMI 2.2の機能を十分に活用できる分野として,ゲームが期待されているというわけだ。
また,HDMI 2.2では,映像と音声の同期ずれを改善する「Latency Indication Protocol」(以下,LIP)の実装もポイントの1つである。LIPは,テレビやAVアンプ,サウンドバーといった複数の機器がHDMIで接続され,データが中継される環境において,映像と音声の同期ずれを抑えるというものである。
トバイアス氏は「LIPは,映画だけでなくゲームにとっても重要になる」という。
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HDMI Licensingでは,HDMI 2.2向けHDMIケーブルの準備も進めており,HDMI 2.2の全機能に対応したケーブルを認証する「Ultra96 HDMI」認証プログラムを準備中だ。
現在は,認証するためのテスト項目を策定しており,これが決まり次第テストセンターの立ち上げを行うという。
HDMI Licensingは,2026年第1四半期にUltra96 HDMI認証を取得したHDMIケーブルが市場に登場すると見込む。
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HDMI 2.2規格はすでにリリースされ,対応するHDMIケーブルも近いうちに市場に登場する。では,HDMI 2.2対応機器の発売も近いのかというと,そうでもなさそうだ。HDMI 2.2の機能を処理するためのICといった部品の開発には,ある程度の時間がかかると予想されている。
トバイアス氏もメーカー各社に動向を確認しているが「製品がいつごろ登場するか,具体的な時期は分からない。個人的な予測ではあるが,2027年から2028年ぐらいと考えている」とのことだ。
なお,LIPについては,個別に機能を実装した製品が登場する可能性があるそうで,トバイアス氏は,「COMPUTEX 2026で何らかの対応製品が出ることを期待している」と話した。
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