ニュース
映画「シュガー・ラッシュ」は,大人のゲーマーにこそ内容を噛みしめてほしい作品。鑑賞レポートと,出演するゲームキャラ達をどれだけ見つけられたかをあわせて掲載
今回は,本作品がどのような作品なのかをあらためて紹介しつつ,その魅力についてレポートしてみよう。
また,以前実施した4Gamer単独試写会でアンケートを実施し,劇中で見つけたゲームキャラクターを観覧者に挙げてもらった。映画を鑑賞した人達が,初見でどれだけゲームキャラクターを見つけられたのかも併せてお伝えしよう。
なお,記事内にはそれなりにネタバレが含まれているので,その点はあらかじめご了承いただきたい。
映画「シュガー・ラッシュ」公式サイト
『シュガー・ラッシュ』
2013年3月23日(土)より3D/2D全国公開中
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
(c)2013 Disney. All Rights Reserved.
「シュガー・ラッシュ」の舞台は,とあるゲームセンター。ゲームに登場するキャラクター達は,営業時間中はゲームで“仕事”をして子供達を楽しませているが,営業終了後は,それぞれ自分の生活を送っている。それぞれのゲーム筐体をつなぐ“ゲーム・セントラル・ステーション”では,仕事を終えたキャラクター達が交流を持っている。
主人公のラルフは,「フィックス・イット・フェリックス」というレトロゲームの悪役。ラルフは“共演者達”と仲良くしたいのだが,悪役である彼は,厄介者扱いされていつも一人ぼっち。「ヒーローのメダル」を手に入れれば,自分を取り巻く環境を変えられるかもしれないと考え,自分のゲームを飛び出してしまう。
ラルフは,ひょんなことから「ヒーローズ・デューティ」というゲームに潜り込むことになり,そこでヒーローのメダルをなんとか手に入れる。そのあと,お菓子の世界を題材にした「シュガー・ラッシュ」というレースゲームに迷い込むのだが,ヴァネロペという少女に,ヒーローのメダルを取られてしまう。
ヴァネロペは,バグのためレースに出ることを禁止されているキャラクターで,なんとかしてレースに出るために,ラルフが持っていたメダルが欲しかったのだ。レースに優勝したらメダルを返すという約束で,ラルフはヴァネロペに協力することになるのだ。
一方,ラルフがいなくなったまま営業時間を迎えた「フィックス・イット・フェリックス」では,悪役が画面に表示されない“不具合”が人間に見つかり,故障中の札を貼られてしまった。
このままでは,ゲームセンターから筐体が撤去されてしまい,「フィックス・イット・フェリックス」の登場キャラクター達は“失業”して帰る場所を失ってしまう。ゲームの主人公であるフェリックスは,ラルフを連れ戻すべく「シュガー・ラッシュ」の世界へと向かうことになる。
そして,ラルフ達が集まった「シュガー・ラッシュ」で,“ゲーム界”を揺るがす大事件が起きるのだ。
本作品は,ディズニー映画のアニメーション作品ということもあって子供向けと思う人もいるかもしれないが,大人でも十分楽しめる内容に仕上がっている。
とくに主人公のラルフは,30年もの間,来る日も来る日もやられ続けるという悪役の仕事を続けてきたが,“共演者”達からは厄介者扱いされている。その“人生”を変えたいという思いからヒーローになることを目指すというキャラクターだ。自分の仕事が楽しいものではなく,それを繰り返す日常から抜け出したい,という悩みは非常に“現実的”といえる。とくに社会人なら,少なからずラルフの思いに共感できるのではないだろうか。その悩みに対して,ラルフがどのような答えを出すのかにも注目してもらいたい。
また,本作品はストーリーが濃密で,しっかりと伏線が張られた組み立てになっている。劇中に散りばめられたエピソードや設定は,物語に説得力や厚みを持たせるだけではなく,伏線として物語をしっかりと支え,クライマックスで見事に回収される。余談だが,筆者も本作品を鑑賞して「この設定がこうつながるのか!」と何度か感心させられたほど。
なお,本作品には,“日本”を意識した要素も織り込まれている。もっとも象徴的なものは,日本のゲームの著名キャラクター達が出演していることだが,それだけではない。
劇中に登場するゲーム「シュガー・ラッシュ」は,映画オリジナルのものだが,このゲームは“日本から来たもの”と表現するために,ヴァネロペをはじめとしたキャラクター達は,日本の女子のファッションをモチーフにしてデザインされたとのこと。また,ゲームの主題歌という設定で,AKB48による挿入歌「Sugar Rush」が,ワールドワイドで使用されている。
そして言うまでもなく,本作品にはゲーム愛があふれており,随所にゲームをオマージュしたネタが散りばめられている。ゲーマーならエンディングまで楽しめること請け合いなので,まだ観ていないという人は,ぜひ映画の鑑賞を検討してほしい。
実在のゲームキャラクター達がどれだけ登場しているか探すのも,本作品を鑑賞するうえでの楽しみの一つといえる。以前掲載したインタビュー記事で話題に上がっているが,プロデューサーであるクラーク・スペンサー氏によれば,総勢62体のゲームキャラクター達が映画に出演しているとのこと。
映画の公開前に実施した4Gamer単独試写会(関連記事)では,来場者にアンケートを実施させてもらい,劇中で見つけたゲームキャラクターを挙げてもらった。
来場者達が見つけたゲームキャラは,以下のとおり20体ほどだが,このほかにも「モータルコンバット」「Q*bert」「Tapper」といった海外ゲームのキャラクターも出演している。
■パックマン
パックマン,グズタ,アカベイ,ピンキー,アオスケ
■ディグダグ
主人公(ホリ・タイゾウ),プーカァ,ファイガ
■スペースインベーダー
インベーダー
■ストリートファイターシリーズ
ザンギエフ,ベガ,リュウ,ケン,春麗,キャミィ,ブランカ
■ソニックシリーズ
Dr.エッグマン,ソニック・ザ・ヘッジホッグ
■獣王記
セガ・バン・ベイダー
■マリオシリーズ
クッパ,スーパーキノコ
■Dance Dance Revolution
ユニ・バース
■メタルギアシリーズ
!
一緒に鑑賞させてもらった筆者の場合,鑑賞前にはもっとゲームキャラを見つけられるだろうと考えていた。しかし,映画が始まるとストーリーに引き込まれてしまい,エキストラ的な扱いで出演しているキャラクター達にまでは,気が回らなくなってしまったのである。
先述のインタビューでは,セガのソニックシリーズプロデューサーである飯塚 隆氏が,ソニックとDr.エッグマン以外にも出演しているセガのキャラクターがいると話していた。気になる人は劇場に足を運び,このほかにどのようなキャラクターが出演しているか,見つけてみてほしい。筆者も映画の公開中にもう一度鑑賞して挑戦するつもりだ。
映画「シュガー・ラッシュ」公式サイト
『シュガー・ラッシュ』
2013年3月23日(土)より3D/2D全国公開中
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
(c)2013 Disney. All Rights Reserved.
- この記事のURL: