業界動向
韓国の主要ゲーム会社が,代表取締役を交代してグローバル攻略に勝負をかける
今年に入って,韓国ゲーム会社の代表取締役変化の風が非常に強い。まさに韓国ゲーム史上最大級と言えるほどに,大きな動きが相次いでいる。
各企業は代表取締役の交代を通じて,リーダーシップの刷新はもちろん,会社の経営に変化を求めている。また,今回の変化を基盤にグローバル市場をより積極的に攻略するという計画だ。
Nexon(ネクソン)
2018年からNexon Koreaの代表を務め,着実に会社の業績を成長させ,安定的なリーダーシップを発揮した功績が認められ,Nexon日本法人の代表へと栄転することになった。これまでNexonを経営し,成長を導いてきたOwen Mahoney(オーウェン・マホニー)代表はNexonの取締役会に残り,顧問の役割を引き受けることになる。
イ・ジョンホン代表がNexon日本法人に行くことで,空席となるNexon Koreaの代表職には,キム・ジョンウク最高コミュニケーション責任者(CCO)とカン・デヒョン最高運営責任者(COO)が就任した。これにより,Nexon Koreaは2009年以来,14年ぶりに共同代表体制を敷くこととなった。両代表は,それぞれの領域を分けて会社を経営することになる。
代表の役割が分担され,グローバル市場の攻略に拍車をかけることができるようになる予定だ。特に,今年発表するゲームは,そのすべてがグローバル市場を狙っているのが特徴だ。
ルートシューターゲーム「The First Descendant」,MMORPG「マビノギモバイル」,ハードコアアクションRPG「The First Berserker:Khazan」,潜入サバイバルゲーム「NAKWON:LAST PARADISE」,アクションRPG「Vindictus:Defying Fate」などの新作で,グローバル市場攻略に乗り出す。
さらに,版権を獲得した「アラド戦記モバイル」を中国で発売し,2023年に達成した史上最大の年間売上記録を超え,韓国ゲーム会社史上初の売上高4兆ウォン(約4500億円)突破に挑戦する。
NCSOFT
これにより,シナジー効果を出しながら新成長のための動力を発掘し,グローバル企業への跳躍を強化するという中長期的な戦略を加速させる計画だ。最近では,珍しくも二人の代表が,メディアを対象に直接説明する会を開催し,今後の計画を明らかにした。
また,グローバル市場攻略のために複数の新作を披露する。これには「ブレイドアンドソウル」IPベースのRPG「Project BSS」,コンソールでもローンチする対戦型アクションゲーム「バトルクラッシュ」などの新作2種,そしてコンテンツ改善と最適化作業を経たMMORPG「スローン・アンド・リバティ」を,グローバル市場へと投じる。
Netmarble(ネットマーブル)
ド・ギウク代表は,以前務めていた最高財務責任者(CFO)の職務を遂行することになり,これにより業績改善に取り組む計画だ。
Netmarbleも,今年度はグローバル市場で成果を上げることを目標としているが,その先鋒として,アクションRPG「俺だけレベルアップな件:ARISE」がある。韓国と日本はもちろん,グローバル市場を席巻したウェブトゥーンベースのゲームで,一部の国でテストが進行中だが好評を博している。
さらに,MMORPG「Arthdal Chronicles:Three Factions」と「レイヴン2」,戦略RPG「King Arthur:Legends Rise」などの新作と,「二ノ国:Cross Worlds」の中国発売などを上半期に行う。また,「七つの大罪 Origin」をはじめとする新作も追加で発売する。
Wemade
Wemadeも代表取締役の交代で,変化とともにグローバル市場拡大に乗り出す。会社の設立者であり,会社のコアIPであるPCオンラインゲーム「ミルの伝説2」の開発およびサービスを陣頭指揮したパク・グァンホ議長が代表取締役に就任し,経営陣に12年ぶりに復帰した。
これによりパク・グァンホ議長は,これまで開発に専念して経営を支援していた役割から脱却し,ゲームとブロックチェーン事業の首長として会社を率いる計画だ。今回辞任したチャン・ヒョングク代表は,以降は副会長職を遂行し,パク会長の経営を支援する予定だ。
WemadeはすでにMMORPG「NIGHT CROWS」グローバル版と,リアル野球ゲーム「Fantastic Baseball」のグローバルサービスを成功させた。MMORPG「Legend of YMIR」の第3四半期発売と,「ミル4」と「ミルM」の中国地域での発売を行い,仮想資産である「WEMIX」とブロックチェーンゲームプラットフォーム「WEMIX PLAY」の事業拡大も続け,グローバルな影響力を拡大していく予定だ。
Kakao Games
Kakao Gamesは,その新たな首長を通じてグローバル市場に進出する。今年,Kakao Gamesは10種のゲームをグローバル市場に発売する。最近リリースしたクロスプラットフォームMMORPG「ROM:Remember Of Majesty」をはじめ,「エバーソウル」を日本でローンチし,「ArcheAge WAR」と「オーディン:ヴァルハラ・ライジング」の海外サービスを行う。
また,ローグライクカジュアル「Project V(仮題)」,アクションRPG「Goddess Order」,サブカルチャー育成シミュレーション「Project C(仮題)」,SRPG「Lost Eidolons:Veil of the Witch」,ハックアンドスラッシュ「Path of Exile 2」,ツインスティックシューティングゲーム「Blackout Protocol」などの新作も,グローバルを攻略すべく控えている。
Com2uS
これまでCom2uSを率いていたイ・ジュファン代表は,ゲーム開発部門の代表を務めることになり,事実上の2トップ経営体制となって,各分野の専門性と検証されたリーダーシップで,グローバル市場を攻略する予定だ。
これにより,サブカルチャーRPG「STARSEED:ASNIA TRIGGER」と,クッキングシミュレーションゲーム「BTS Cooking On:TinyTAN Restaurant」,サバイバル型建設経営シミュレーションゲーム「フロストパンク:Beyond the Ice」などのゲームを,グローバル市場に投入する計画だ。
Devsisters(デヴシスターズ)
Devsisters(デヴシスターズ)は,既存のイ・ジフン / キム・ジョンフン共同代表体制を維持するが,新たな最高経営陣体制を構築して変化に乗り出した。これに伴い,CEOにはチョ・ギルヒョンSTUDIO KINGDOM共同代表,最高事業責任者(CBO)にはペ・ヒョンウクOVEN GAMES代表,最高IP責任者(CIPO)にはイ・ウンジSTUDIO KINGDOM共同代表,そしてCFOとして,イム・ソンテクDevsisters経営管理本部長が内定した。
これにより,独自の意思決定を中心として,会社を新たに進化させる計画だ。そして代表IPである「クッキーラン」の影響力を,グローバル市場でより強固にする計画だ。最近ではパズルゲーム「クッキーラン:魔女の城」をグローバル市場にリリースし,その後アクションゲーム「クッキーラン:冒険の塔」と乱闘型アクションゲーム「クッキーラン:オーブンスマッシュ」(Cookie Run:OvenSmash)を発表する予定だ。
Smilegate
これにより,現在日本でサービス中の「Epic Seven」を安定的にサービスし,発売を控えた新作「アウタープレーン」を成功させる計画だ。また,日本のバンダイナムコの「BLUE PROTOCOL」の韓国サービス協力とともに,「LOST ARK Mobile」などの今後発売される新作も陣頭指揮する計画だ。 (著者:パク・サンボム,ザン・ヨングォン)
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