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ビットコインのような暗号資産投資に未来はあるの? bitFlyerの加納裕三氏と,ロンブー田村 淳さんによるトークセッションをレポート[WebX]
登壇者はbitFlyerのCEOである加納裕三氏と,吉本興業所属のコンビ,ロンドンブーツ1号2号の田村 淳さんで,tonari代表取締役CEOで映像ディレクターの高橋弘樹氏がモデレーターを務めた。そのレポートをお送りしよう。
「暗号資産はそもそも儲かるのか?」が気になっている人もいるだろう。このテーマについて,田村さんが「株式で鉄則と言われる長期投資はどうなんですか? 億り人はこれから出てくるのか?」と斬り込んでいくと,加納氏は「少なくとも,ビットコインが1000万円まで上がっているので,長期投資で大きく儲けた人はいる」としつつも「同様の成長をこれからするかどうかは分からない」と慎重な回答を見せた。
初期のビットコインへの投資は,株式で言えば初期ベンチャーへの投資のようなもので,だからこそ大きく伸びたという側面もあるようだ。
「暗号資産のハッキングのリスク」についても触れられた。「たくさん稼いでもハッキングで盗られてしまうのなら,怖くて持てないのでは」という田村さんの疑問に対し,加納氏は「インターネットの口コミなどで調べつつ,セキュリティがしっかりしている会社を選ぶのが重要」として,「ビットフライヤーはセキュリティがしっかりしているので,安心して使ってほしい」として笑いを誘った。
話題は暗号資産による決済にも及んだ。田村さんが「5年ぐらい前にビックカメラがビットコインで決済できるようになったが,現状はPayPayやPASMOなどのほうが使われている。暗号資産での決済が一般的になる未来はあるのか?」と質問を投げかけると,加納氏はビックカメラの件がビットフライヤーの案件であることに触れつつ,「ビットコインは価値が大きく変動するという点で決済には不向きだった」としたが,続けて「価格が安定している『ステーブルコイン』ならPayPayとも競合できそう」とも話した。
「ステーブルコイン」は,価格の安定性を実現するように設計された暗号資産のことで,こちらであれば決済でも問題なく使えるそうだ。また,加納氏は「海外送金に関しては,それができないPayPayに比べて瞬時に送金できる暗号資産に強みがある」という見解を述べた。
ただ,BCGはまだ大きく流行したゲームが出ていないため,ドラクエのような人気ゲームの登場が今後の課題であるという話も挙がった。
終盤では,暗号資産の税制についても語られた。現状,暗号資産は総合課税の雑所得として扱われ,累進課税によって最大税率は55%にも及ぶ。この高い税率については,加納氏も問題視しロビー活動を行っているそうだが,税制改正のハードルはかなり高いという。しかし,加納氏いわく「もし税制が改正され,株式のように一律20%の申告分離課税になれば,それは暗号資産にとってポジティブな話題になる」とのこと。今後税制が改正されるか否かは,暗号資産の未来に大きく影響しそうだ。
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