THQ，NASDAQへの上場廃止を回避するため，公開株の10対1の株式併合を実施すると発表

　経営状態の悪化により，NASDAQへの上場廃止の期限が迫っていたTHQが，公開されている約6850万株を10対1の割合で一つにまとめる「株式併合」（Reverse Stock-Split）を行うと発表した。この措置により株式総数は約690万株になるが，NASDAQの警告基準である1ドル以上に株価を上昇させられる。

Wii U向けにも開発が進められているというTHQのアクションゲーム，「Darksiders II」

THQ Announces 1-for-10 Reverse Stock Split

　これは，北米時間の2012年6月29日に行われた株主の特別会合で決定したことで，株主にとっては資産が減少する可能性があるが，これによってNASDAQへの上場廃止は回避できるという。
　THQは，2012年内に予定されていた「Saints Row: The Third」の拡張パック「Enter the Dominatrix」の発売を，続編への統合という形で見送っているが，8月に欧米で発売される予定のアクションゲーム「Darksiders II」のほか，2013年には「Metro: Last Light」や「Company of Heroes 2」，そして「South Park: The Stick of Truth」などの作品を発売するとしており，欧米のゲームファンを中心に，同社の動向に注目が集まっていた。

　THQは，2012年に入ってから株価が1ドルを下回ったため，NASDAQから上場廃止の警告を受けて以降（関連記事），版権の売却やスタジオの閉鎖，ゲームイベントへの出展見合わせなど，経営再建のさまざまな努力を払っていた。新たにTHQの社長に就任したJason Rubin氏（関連記事）らは，今回の措置で時間的余裕を得たはずであり，今後の経営手腕に注目したい。