「リネージュ」に最強のドラゴン“ヴァラカス”が登場。1か月にわたる連続アップデートにした理由や見どころを運営に聞いてみた

　エヌ・シー・ジャパンが運営中のMMORPG「リネージュ」で，2017年7月26日に大型アップデート「VALAKAS」が実装された。
　新エピソードとなるこのVALAKASアップデートは，1か月にわたって連続して新要素が追加される大掛かりなものだ。7月26日の「For the Future」では主にゲームシステムの更新が行われ，8月からは「Advent of Dragon」と銘打たれたアップデートで，毎週ドラゴンレイドが追加される。
　今回は，運営プロデューサー 川南 巌氏に，8月のAdvent of Dragonで追加されるドラゴンレイドの話を聞いてきたので，情報をまとめて紹介しよう。

運営プロデューサー 川南 巌氏

※記事内容はインタビュー時点のもの，画像はすべてテスト環境で撮影したものです。実装時に変更されたり，実際のゲーム内で表示されるものとは異なる場合があります

8月から毎週1体の新規ドラゴンレイドが追加

　なぜ，今回のような連続アップデートを行うのだろうか。川南氏によると，「アップデートの項目が多く，とりわけ攻略に時間が掛かることが予想されるため，それなのに，4種類のレイドコンテンツを一度に実装してしまうと，プレイヤー間の情報の共有が分散される恐れがある」からだという。
　ただ，システム部分のアップデートに関しては待ち望んでいるプレイヤーが多くいることから早めの提供が望ましいと判断し，7月26日のタイミングで，できる限りの内容を盛り込んだとのことだ。

　さて肝心のVALAKASアップデートでは，“暗黒竜ハルパス”にまつわる話が展開される。プレイヤーは，覚醒を果たすことになるハルパスと同等の力を持った四龍「地竜アンタラス」「水竜パプリオン」「風竜リンドビオル」「火竜ヴァラカス」とのドラゴンレイドを繰り広げる。なお，各ドラゴンレイドのリニューアルおよび実装日は，以下のとおり。

アンタラス

パプリオン

リンドビオル

　アンタラス/パプリオン/リンドビオルの三龍に関しては，既存のレイドコンテンツをリニューアルする形になる。ドラゴン自体が大幅に変更されるのではなく，システム面の見直しが主となり，「参加の障壁は低く，攻略の難度は高く」という方向性で刷新が行われるという。

　これまでは，参加上限の32名を集めることと，長いときは何時間も掛かってしまう討伐時間が参加の障壁になっていたと話す川南氏。リニューアル後は，参加人数が16人になり，さらにレイドの進行が3ステップから1ステップに短縮されることで参加の障壁は大幅に下がるとのことだ。
　また，これまであった「一般」と「闇」の2種類の難度は，闇に相当するものだけとなり，参加人数が減ることと合わせて，“攻略難度が上昇”する要因になるという。
　数年前の基準で設計されたレイドだったため，キャラクターの平均レベルや装備の水準が上昇している昨今では，それほど苦戦することなく倒せていた。だがリニューアル後は，戦術を見直しつつ，安定して倒せる手順を模索する必要がありそうだ。

　なお，報酬として入手できる各ドラゴンの「心臓」は，これまで特殊なドラゴンアーマーの作成材料としてだけ使われていたが，リニューアル後は，そのドラゴンアーマーを強化するための素材にも活用できるようになる。
　ちなみに，＋7以上のドラゴンアーマーを強化する際，対応する心臓を使うことで，アーマーが消滅する危険がなくなるとのことだ。

最後にして最強のドラゴン“ヴァラカス”

ヴァラカス

　VALAKASアップデートの象徴とも言える新ドラゴンレイドの“ヴァラカス”は，最後にして最強，まさにドラゴンレイドの集大成といった立ち位置の敵になるという。アンタラスのような広範囲に大ダメージがおよぶ複合攻撃や，パプリオンのように取り巻きモンスターを召喚するなどの強力なスキルがプレイヤーを苦しめる。ヴァラカス自体の能力が高いこともあり，スキルへの対処が万全でも力に押し負けるケースも多くなりそうだという。少なくとも，リニューアルされる三龍の攻略に成功した者でなければ，ヴァラカスに打ち勝つことは難しいだろう。
　川南氏によると「リニューアル後の三龍の攻略だけなら，トップレベルのプレイヤーであれば，そう難しくないと思います。しかし，そんなプレイヤーさんでも，ヴァラカスを安定して討伐するには少し時間が掛かるかもしれません」とのことだ。


　また，今年2月に行ったインタビューで「ドラゴンスレイヤー」の話題が出ていたが，ヴァラカスを含む四龍すべてを倒して心臓アイテムを集めて素材にすることで，レジェンド級の両手剣ドラゴンスレイヤーが制作可能となる。武器自体のスペックが高いのはもちろん，武器強化システムとしてNPCによる強化チャレンジを導入しているのが特徴で，強化失敗時に武器を失わないのが最大のメリットだ。

　このように数々の試練を乗り越えてようやく作成できるドラゴンスレイヤーだが，将来的に現在最強とされる両手剣の「真冥王の執行剣」に差し替えられる（※入手済みのドラゴンスレイヤーは交換される）ことが決定しているとのこと。その理由について川南氏は，「各武器に1つのレジェンド武器を設定するため，両手剣はドラゴンスレイヤーを削除して，真冥王の執行剣を残すことに」なったのだという。一方，ドラゴンスレイヤーの強化システムそのものは韓国でも好評とのことで，ほかのレジェンド武器でも同様の強化システムが使えるようになるそうだ。


　このほかVALAKASアップデートでは，高レベルキャラクター向けの新規ダンジョン「支配の結界」も実装される予定だ。上級者向けの狩りマップとなる支配の結界は，モンスター討伐時の獲得経験値が高めに設定されており，今後のレベリングの中心になりそうだ。
　さらにこのダンジョンでは，本来ヴァラカス討伐の報酬となっている「ヴァラカスの心臓」が低確率ではあるが入手できるという。アンタラス/パプリオン/リンドビオルの三龍は今までも存在していたので，固有の心臓アイテムはワールド内に在庫がある状態だが，ヴァラカスの心臓は新規ドラゴンなので在庫がまったくない状態だ。市場への流通量を増やす目的での処置となるが，在庫が少ないうちは高額で取引されることは間違いなく，この機会に一攫千金を狙ってみるのもいいだろう。
　ただし，ヴァラカスの心臓の入手確率は，レイドでヴァラカスを倒したほうが圧倒的に高いらしく，心臓集めが目的ならヴァラカスを安定して倒せるようになるのが一番の近道だ。

　なお，支配の結界には魔族タイプのボスモンスター「バルログ」が出現する。バルログは決まった時間に必ず出現する設定となっているため，出現時間にプレイヤーが集まり，ワールドレイドのように協力して戦うことになりそうだ。

　以上がAdvent of Dragonアップデートの概要となる。
　ちなみに，7月26日のアップデートの際には，レベル80までのレベルアップと装備のサポートとして「英雄パッケージ」の販売が始まり，さらに8月2日からはレベル70〜80帯のレベルアップに役立つイベントが行われている。
　川南氏によれば，現在のリネージュはレベル80から入場できる「忘れられた島」がパーティプレイの中心となっているが，新規で今から始めても，これらのパッケージやイベントの効果で目指すべきレベル80の達成は以前に比べてそう難しくないそうだ。この機会に，今年15周年を迎えた歴史あるMMORPGの魅力を体験してみるといいだろう

　最後に，川南氏から読者へのメッセージを聞いてみたので紹介しよう。

　「今回のアップデートは高レベル帯を対象としたものが多いですが，傲慢の塔などに精鋭モンスターが追加されたりと，日頃の狩りにアクセントとなる要素もあります。また，比較的低レベル帯のキャラクターでも楽しんで育成できるような，日本発のイベントなども用意しています。現在，休眠/新規のお客様を対象としたレベルアップサポートを実施していますので，この機会に，まずはレベル80を達成し，最強のドラゴンであるヴァラカス討伐を目指していただけると幸いです」（川南氏）

「リネージュ」公式サイト