プレイレポート
「リネージュII」次期大型アップデート「ファーストスローン 新たな種族カマエル」,テストサーバープレイレポート:カマエルの特徴と新マップについて
すでに公式サイト内特設ページや各種ゲームメディアで,ファーストスローンに関する情報が徐々に公開されているが,このたび4Gamerでは,エヌ・シー・ジャパンのテストサーバーにお邪魔して,ファーストスローンの先行プレイをする機会を得た。本稿では,新種族“カマエル”や,新しい狩り場などについて紹介していこう。
どちらかというと中級者〜上級者向け?
クセはあるが味のある新種族カマエル
「魂」を軸とした各種システム/スキルが,カマエル種族最大の特徴である |
カマエルの実装により,リネージュIIの対人戦バランスがどう変化するのかについては,正式実装から数か月ほど経過しなければ判断できないだろう。ここではカマエルの特徴と,テストサーバーでのプレイを通じた第一印象などを中心にお伝えしていく。
まず,エヌ・シー・ジャパンから伝えられている公式情報を整理してみると,カマエルの特徴は下記のようなものになる。
●カマエルの特徴
・カマエルは闇属性の種族なので,既存種族と比べて回復魔法を受けたときの効果が低い
・カマエルが使う多くの攻撃スキルは「魂」を必要とする。魂は適正レベル帯のモンスターを倒し,一定以上の経験値を得ることで吸収できるほか,特定のスキルを利用することでも充填できる。
・充填された魂の数はバフ欄(補助魔法/状態異常が表示される枠)で確認できる。魂は,最後に吸収されたタイミングを基準とし,10分間維持される。
・カマエルは,他種族の職業をサブクラスとして選択することはできず,カマエル種族の職業のみ選択可能。また他種族は,カマエルの職業をサブクラスとして選択することはできない。
・カマエルは,2つのサブクラスをレベル75まで育てた場合,「隠された職業」を3番目のサブクラスとして選択できるようになる。
・ギラン/アデン/ルウン城の村に配置されたカマエルグランドマスターNPCを通じて,カマエルのサブクラスに関する情報が確認できる。
カマエル用スキルの多くは,発動するために「魂」が必要になる。魂の充填/消費ペースは,目的やプレイスタイルによって大きく変わりそうだ |
また,ライフ トゥ ソウルという,ボディ トゥ マインドに似たスキルを用いることで,自分のHPと引き替えに魂が数個得られるほか,ソウル ギャザリングという,ルーンストーンを10個消費して,キープできる最大数の魂を充填するスキルも確認できた。ちなみに,ソウル ギャザリングはスキルのクールダウンタイムが若干長く,ルーンストーンを消費するため,あまり気軽に使うわけにはいかなさそうな印象だった。モンスターを倒している余裕はないが,急に魂が必要になったとき(攻城戦や,移動時など)に利用するのが基本的な使い方といえそうだ。
●カマエルの職業
・カマエルは,キャラクターの性別によって選択できる職業が異なる。
・男カマエル:トルーパー(1次転職クラス)→バーサーカー(2次転職クラス)→ドゥームブリンガー(3次転職クラス)
・男カマエル:トルーパー(1次転職クラス)→ソウルブレイカー(2次転職クラス)→ソウルハウンド(3次転職クラス)
・女カマエル:ウォーダー(1次転職クラス)→ソウルブレイカー(2次転職クラス)→ソウルハウンド(3次転職クラス)
・女カマエル:ウォーダー(1次転職クラス)→アヴァレスタ(2次転職クラス)→トリックスター(3次転職クラス)
職業の概要については,4Gamerの「こちら」で解説しているので,ここでは筆者が実際にプレイした,カマエルソルジャーとアヴァレスタに関する印象を,あれこれ述べていこう。
またアヴァレスタに関しては,他種族の遠距離攻撃職よりも若干射程が短かった。カマエル固有のトラップ系スキル(魂を消費して,地面に攻撃用/捕獲用/攪乱用の罠を仕掛ける)などをうまく活用すれば,他種族の弓職に勝るとも劣らない活躍ができそうだが,頑健さが足りないことも相まって,不利な状況に陥ることもあるだろう。
●カマエルの専用武器
・カマエルは,チェンジ ウェポンというスキルを通じて,既存武器(両手剣/片手剣/弓)をカマエル専用武器(大剣/レイピア/ボウガン)に変換できる。Dグレードアイテムから武器変換ができ,専用武器は交換/ドロップが可能。
・チェンジ ウェポンは1次転職後に使用可能となる。武器を変換したい場合は,対象武器を装備した状態でチェンジ ウェポンを使用する。
・武器を変換するとき,武器のエンチャント,ソウルストーンオプション,属性状態といった強化要素は,そのまま維持される。ただし精錬された武器の変換は不可能。
・カマエル専用武器は,エンチャント,オプション付与,属性付与,精錬が可能。
・カマエル専用武器を既存武器に変換させることは可能だが,精錬されたカマエル専用武器は変換できない。
先述したレベル61アヴァレスタでチェンジ ウェポンを試してみたところ,適正グレードの武器だけでなくオーバーグレードの武器も,問題なく変換できた。また,専用武器に対応したスキル/パッシブスキルが多いため,使いどころは限定されそうだが,既存武器を持って戦うことも可能だった。
オーバーグレードのオーバーエンチャント済み二刀流武器や,カマエル専用武器を装備することも可能なようなので,ゲーム内資産を生かしてカマエルの育成をすることもできそうだ。
短い時間ではあったが,テストサーバー上で実際にカマエルを動かしてみてまず感じたことは,カマエルは必ずしも,新規プレイヤーに向いている種族ではないのだな,ということだった。
種族特有の打たれ弱さや,カマエル遠距離攻撃職の射程の短さ,「魂」を軸とする戦術の組み立て方などは,既存のプレイヤーにとって目新しく,研究しがいのある要素である。しかしそういった要素は,これから初めてリネージュIIを遊ぼうという初心者にとって,若干難度の高いものに映るかもしれない。
だが,決して少なくない既存プレイヤーがカマエルで遊ぶだろうし,カマエルの初期村周辺は,大いに賑わうに違いない。ゲームに慣れた親切な上級者達が周囲にいれば,初心者にとってはなにかと心強い面もあるだろう(むろん,上級者達に狩り場が荒らされるなどの弊害もないとはいえないが)。
MMORPGの初心者にとって,ゲームのスタート地点にほとんどプレイヤーキャラクターが見受けられないという状況は,モチベーションの面だけでなく,ゲーム進行の面においてもマイナス要素である。そう考えると,新種族カマエルの実装は,既存プレイヤーだけでなく,新規プレイヤーにとってもメリットのあるものと言えるのではないだろうか。この奥が深く,挑戦しがいのある新種族で,あなたも新たな人生をスタートさせてみてはどうだろうか。
初心者〜上級者まで幅広く楽しめる
さまざまなマップが追加に
狩り場としての魂の島は,基本的にゲームスタート直後からレベル20前後のキャラクターを対象とするマップだ。カマエルの村へは,チュートリアルクエストを完了したときに得られる「初心者のトークン」を用いれば,初心者案内人NPCを通じて容易に移動できるので,他種族の初心者キャラクターの冒険の舞台としても機能するだろう。
ちなみに,カマエルの村のゲートキーパーを利用するのが,1次転職をしていないレベル20未満のキャラクターならば,魂の島にある三つの拠点へ無料で移動できる。島には,まさに鳥人間といったデザインのモストロ種をはじめ,さまざまなモンスターが棲息しているので,ぜひ観光目的でも訪れてほしい。
魂の島にある二つのダンジョンは,ノルニルの洞窟と,ノルニルの庭園。ノルニルの洞窟は一般的なダンジョンだが,ケイブ モストロ ガードやケイブ レオパードなど,アクティブモンスターが多数出現する。冒険の基礎がしっかりと学べるダンジョンなので,初心者にはぜひとも挑戦してもらいたいものだ。
一方ノルニルの庭園は,二人以上のパーティ(内一人はカマエル種族)を構成し,特定のクエストを受けた状態でないと入れない,「インスタントダンジョン」(いわゆるインスタンスダンジョン)である。インスタントダンジョンについては,後ほど詳しく紹介しよう。
島の印象は,南国の湿地帯あるいは海岸地帯といった感じだが,地面から巨大な水晶が生えていたり,天空の城ならぬ天空の館があったり,巨大なドラゴンのモニュメントがあったりと,なかなか幻想的。出現するモンスターも,新たな精霊種をはじめ個性的なものが多いので,3次職キャラクターを持っている人は,ぜひ足を運んでみよう。
「次元の狭間」のような感覚で楽しめる
インスタントダンジョンが複数追加
●インスタントゾーンの概要
・インスタントダンジョンへの入場は,基本的に各ダンジョンの入り口にいる入場NPCを通じて行う。キャラクターのレベル/特定アイテムの所有/特定クエストの受領などが入場条件となっているが,その条件は各ダンジョンで異なる。
・インスタントダンジョンは,パーティを組んだ状態でなければ入場できない。
・一日に入場可能な回数や,各ダンジョンごとに同時に生成されるゾーンの数には制限がある。
・ダンジョン内部で期間/死亡して外部へ移動した場合,該当ダンジョンの制限時間が残っていれば,再び入場できる。ただしその場合,ダンジョン内にプレイヤーキャラクターが残っていることが必須条件となる。
・ダンジョンへの入場後,外部にいるキャラクターをパーティに招待した場合,そのキャラクターはそのダンジョンへ入ることはできない。
・ダンジョン内部では,パーティメンバーを召喚するスキルは利用できない。ただし例外として,城/要塞にあるインスタントダンジョンでは,内部にいるキャラクターのみを対象として利用できる。
・以下のような場合,ダンジョン内部にいるキャラクターは外部へ自動的に移動する。
・与えられたミッションを完了した時点から5分後
・ダンジョンの維持時間が終了した場合
・サーバーがdownした場合,生成されているすべてのインスタントダンジョンは消滅し,内部にいるキャラクターも強制移動させられる
リネージュIIの既存プレイヤーならば,上記の概要をみてピンと来たかもしれないが,インスタントゾーンシステムとは,「次元の狭間」に似たタイプのダンジョンである。ほかのプレイヤーと狩り場争いをすることなく,パーティメンバーだけで楽しめるので,既存プレイヤーからの需要はかなり高くなりそうだ。
しかしインスタントダンジョンは,次元の狭間のように,好きなときに攻略できるダンジョンではない。下記のような利用制限があるのだ。
●インスタントダンジョンの種類と利用制限
・魂の島/ノルニルの庭園:最大維持時間70分。1回利用すると,2時間経たないと再入場できない。
・神託の島/暗雲の邸宅:最大維持時間30分。いつでも再入場可能。
・神託の島/宝石の居城:最大維持時間90分。1回利用すると,24時間経たないと再入場できない。
・城/地下刑務所:最大維持時間60分。1回利用すると,4時間経たないと再入場できない
・要塞/モンスター収容所:最大維持時間60分。1回利用すると,4時間経たないと再入場できない
・ヘルバウンド/市街地:最大維持時間30分。いつでも再入場可能。
上記の種類/利用制限を見てみると,現状のインスタントゾーンシステムは,初心者,城/要塞を持っている血盟のメンバー,そして上級者にメリットのあるコンテンツだということが理解できる。そこに含まれない層のプレイヤーにとっては若干残念な話だが,リネージュIIでは,中級者向けのコンテンツは比較的豊富に用意されているので,とりあえずは順当なアップデートと言ってもいいだろう。
インスタントゾーンシステムの是非は,実際に多くのプレイヤーが利用してみないと判断できないが,とくに同時接続者数の多いサーバー/時間帯の(狩り場の)混雑問題には,まず間違いなく貢献するものと思われる。コンテンツ自体の楽しみ方や魅力については,ファーストスローンの実装後,プレイヤーの皆さんが見極めてほしい。
定期的に,文字通りの大規模アップデートが行われてきたリネージュIIにおいても,それは当てはまっている。そして,ビジネスモデルが月額課金方式であることも相まって,同作はどちらかというと,「初心者には入りにくい世界」になっていたのではないだろうか。
しかしファーストスローンでは,ある程度完成されていた種族バランス(言うまでもなく,一対一の対人戦バランスという意味ではない)に,新種族カマエルを投入することで,ゲーム世界に漂いつつある閉塞感を打破しようという試みがなされている。
初心者から上級者まで,まんべんなく楽しめそうなファーストスローンは,12月4日に実装される。4Gamerでは今後も,ファーストスローンの情報を継続的に追っていくので,公式サイト内特設ページの更新と合わせて,楽しみにしていてほしい。
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