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Creative,PCIe版Sound Blasterの最上位モデル「X-Fi Titanium HD」発表。THX認証済で1万9800円
クリエイティブメディアの直販サイト「クリエイティブストア」における価格は1万9800円(税込)。発売は5月中旬が予定されている。
カード型として初めてRCAアナログ入出力対応
OPAMPも交換可能に
※1 Signal to Noise Ratioの略で,SNRとも書く。信号におけるノイズ成分の量を対数で示した値で,値が大きいほどノイズは少ないことを示す
※2 Total Harmonic Distortion plus Noise(全高調波歪率+ノイズ)の略で,音声信号たるサイン波に含まれる歪みと,(サイン波とは相関のない歪みである)ノイズを足したもの。音を歪ませる成分の合計で,割合は低いほどよいといった理解でかまわない
なお,RCA入力はS/N比が118dB,THD+N 0.001%とのこと。合わせて,ミニピン端子のヘッドフォン出力とマイク入力も用意されているので,これまで使ってきたアナログ接続ヘッドセットは問題なく利用できる。サウンドカード上で再生中のサウンドと,ライン&マイク入力をステレオミックスすることもできるので,いわゆる“実況”も問題なく可能だ。
また,OPAMP(オペアンプ)がソケットタイプになっており,ユーザーの手による交換が可能になっているのも,筆者が記憶している限り,PCI以降のSound Blasterでは初めてだ。なお,写真を見る限り,アナログ1系統ずつ一つのOPAMPが用意されているようだが,断言まではできない。
THX×Creativeの独自技術「THX TruStudio PC」対応
ゲーム用途は従来どおりCMSS-3Dで
サラウンド出力周りではまず,複数のミニピン端子によるアナログサラウンド7.1ch出力が廃されたのが目を引く。アナログでは,前述したRCAステレオとヘッドフォン端子しか用意されないわけだが,そんなX-Fi Titanium HD上でアナログのサラウンドサウンドを利用すべく,「THX TruStudio PC」技術を採用してきたのが,Creative独自の「X-Fi CMSS-3D」技術を一貫して採用してきたX-Fi Titanium従来製品に対する,X-Fi Titanium HDの大きな拡張だ。
THXとCreativeのコラボレーションによってPCへもたらされる本技術は,これまで主に,CreativeのOEM部門が管轄しており,実際,OEMとなるノートPCメーカーやマザーボードメーカーで基本的には採用されてきた。その意味で,X-Fi Titanium HDが,THX TruStudio PCを採用したというのは,ちょっとしたニュースだといえるだろう(※THX TruStudio PC自体は,直販限定となる「World of Warcraft」推奨ヘッドセット「Sound Blaster World of Warcraft Headset」で採用されているため,Creativeの自社製品初採用,というわけではない)。
なお,TXH TruStudio PCによって,X-Fi Titanium HDで実現される機能は下記の5項目。「Crystalizer」あたりでピンときた人もいると思うが,基本的には,X-Fi CMSS-3Dをベースに,映画鑑賞に最適化を行ってきたものという理解でよさそうだ。
- THX TruStudio PC Surround:2chステレオスピーカーシステムやヘッドフォン,ヘッドセットでバーチャルサラウンド表現を可能にするもの
- THX TruStudio PC Crystalizer:非可逆圧縮されたサウンドデータの補正を行い,圧縮によって失われた周波数帯域やダイナミックレンジの復活を図るもの
- THX TruStudio PC Speaker:2chステレオスピーカーシステムやヘッドフォン,ヘッドセットで,これら機器が苦手とする低域の厚みを加えるもの
- THX TruStudio PC Dialog Plus:映画における会話パートの出力レベルを引き上げ,(ノートPCの内蔵スピーカーシステムなどで)会話パートが効果音やBGMに紛れて聞き取りにくいという問題を解決するもの
- THX TruStudio PC Smart Volume:録音レベルの異なる複数のサウンドデータを再生するとき,自動的に出力レベルを一定に調整する,いわゆるスマートボリューム機能を提供するもの
Sound Blaster X-Fiシリーズで,動作モードを「Entertainment」「Game」「Audio Creation」の三つから選択できることを憶えている人も多いと思われるが,映画鑑賞用という位置づけからも想像できるように,THX TruStudio PCはEntertainmentモード向けの技術。Gameモードの選択時には,従来のSound Blaster X-Fiシリーズ同様,X-Fi CMSS-3D技術を利用できるという。
また,一見するとデジタル入出力端子を用意していない印象のX-Fi Titanium HDだが,実は左RCA入力端子が光デジタル入力,右が同出力端子として利用できるようになっており,「Dolby Digital Live」もしくは「DTS Connect」プログラム準拠のマルチチャネルビットストリーム出力を行えるようになっている。つまりサラウンドサウンド環境は,アナログ出力時だとバーチャル,デジタル出力時だと外部AVレシーバ(≒AVアンプ)を組み合わせたリアル(もしくはバーチャル)がサポートされるというわけだ。
大型連休明けの販売開始となるはずなので,気になる人は予算の確保をお忘れなく。
●PCI Express Sound Blaster X-Fi Titanium HDの主なスペック
- 接続インタフェース:PCI Express x1
- サウンドチップ:Creative製「X-Fi Xtreme Fidelity」
- 公称出力S/N比:フロントチャネル122dB ,ヘッドホン117dB(インピーダンス330Ωのヘッドホン接続時)
- キャッシュメモリ:搭載(※容量未公開)
- アナログ出力:最大24bit/192kHz 2ch(※HD Audio対応のPCケース前面端子向けコネクタ搭載)
- アナログ出力インタフェース:RCA×2,ミニピン×1(※ミニピンはヘッドフォン用)
- アナログ入力:24bit/96kHz 2ch
- アナログ入力インタフェース:RCA×2(ライン×1),ミニピン×1(※ミニピンはモノラルマイク用)
- デジタル出力:光角形(アナログ入力 右チャネルと排他利用)
- デジタル入力:光角形(アナログ入力 左チャネルと排他利用)
- デジタルマルチチャネルビットストリーム出力:対応(Dolby Digital Live,DTS Connect)
- APIサポート:DirectSound,DirectSound 3D,EAX 1.0/2.0,EAX ADVANCED HD 3.0/4.0/5.0,OpenAL
- 対応OS:32/64bit版Windows Vista&7
- 直販価格:1万9800円(税込)
- 関連タイトル:
Sound Blaster
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