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モントリオールの銃乱射事件,犯人は「Postal」ファンか
事件から1日が経過し,各国のメディアはさまざまにこの事件を伝えているのだが,そのなかでBBC(英国放送協会)が,「犯人のKimveer Gillは,殺人ゲームをよくプレイしていた」と報じ,波紋を広げている。
BBCによれば,Kimveer Gillは,あるWebサイトによく出入りし,「Postal」や「Super Columbine Massacre RPG」を好んでプレイしていたと述べていたという。トレンチコートに身を包んで,ライフルやナイフを持った写真を公開したりしていたほか,事件を起こす直前には「人生はビデオゲームのようなものだ。お前らもいつか死ぬ」と書き込んでいたとのこと。
Postalは,郵便配達員が人々を銃で殺して回るという三人称視点アクションゲームで,発売当初からその残虐性で大きな話題となり,FPSとなった続編もろとも世界各国で発売禁止が相次いだいわくつきのゲーム。一方,Super Columbine Massacre RPGは,アメリカのコロラド州コロンバイン高校で1999年に起きた銃乱射事件を題材にしたフリーウェアのRPGだ。実際の事件では被害者のうち13人が死亡,24名が重軽傷を負い,犯人の二人は自殺している。
ちなみに,こういった話があると必ず登場する米フロリダ州の弁護士,Jack Thompson(ジャック・トンプソン)氏は,この事件の後,すぐに「Jack Thompson Right Again」(ジャック・トンプソンはまたしても正しかった)というタイトルのメールを多数の報道機関へ送りつけている。
内容の一部をGameSpot.comが公開しているが,そこには「殺人者は,お気に入りのビデオゲーム2タイトルによって文字どおり鍛えられ,それからカレッジへ人を殺しに行った」「モントリオールの殺人者は,バーチャルリアリティシミュレータが引き起こした悲劇の,最新の一つに過ぎない」「最悪なのは,未だにTake-Two Interactive Softwareが,10月17日に『Bully』の販売を強行しようとしていることだ。Bullyはまさに,コロンバイン高校シミュレータである」と,いつもの持論が展開されているようである。
Thompson弁護士の例を持ち出すまでもなく,犯人が,“民間人を殺すことのできるゲーム”をプレイしていたことは,ゲームを規制したい人にとって,格好の追い風となるのは想像に難くない。ゲームと暴力事件の関連性が再びクローズアップされることになってしまいそうだ。(朝倉哲也)
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