ニュース
FFXIのオフラインイベント「ヴァナ★フェス2008」開催。ダウンロード販売による新シナリオ発表や,大型アップデートの先出し情報など,会場内は大盛り上がり
本稿では,そのほかに明らかになった新情報や,会場内で行われたイベントなどについてお伝えしていこう。
開発裏話やアップデートの先出し情報などが飛び出したトークセッション
その後は,2階バルコニー席に座った着物姿の田中弘道プロデューサーが小話を始めるという,なかなか凝った作り。田中氏当人としては,すぐ近くの会場で本物の「笑点」の収録が行われていたようで,もし見つかってしまったらどうしよう……と思っていたようだ。
続いてはステージ上に,FFXIのディレクター 小川公一氏,バトルディレクター 松井聡彦氏,プランナー 権代光俊氏,プランナー 藤戸洋司氏,グローバルオンラインプロデューサーのSage Sundi氏が登壇。最後に,ステージに戻った田中氏が加わり,最初のステージイベントであるトークセッションが行われることに。
トークセッションの内容は,これまでの開発/運営で楽しかったことや苦しかったこと,裏話的なものがメインである。その合間合間に,12月上旬に実施予定の大型アップデートの先出し情報などが織り込まれるという形式で進行していった。
次回の大規模アップデートにおける目玉コンテンツ「メイズモンガー」でのダンジョン作成手順や,学者ジョブの拡張などといった,FFXIプレイヤーに直接的な影響を及ぼす項目については,公式ブログ“クリエイターズボイスZ”にて紹介されているので,そちらをご覧いただきたい。
本稿ではそれ以外の項目で,観客の反応が高かったものを抜粋して,まとめて紹介していこう。
●モンスターのスタチュー(フィギュア)のような調度品をモグハウスに
近々7周年を迎えるFFXIだが,これを記念するイベントを行う予定があるようだ。現在はその中の一つとして,モグハウス内に設置できる調度品を検討中とのこと。“カーディアン”や“闇の王(ダークロード)”,そして“アークエンジェル”といったデザイン案(ただし,実際にこれらになるというわけではない)が紹介される中,「もしかすると,モンスターのスタチューがクエストや合成でも入手可能になるかも?」との声に,会場内からはひときわ大きな歓声が。
●リリゼットとミュモルの気になる関係
またリリゼットというキャラクター名は,開発当初は“ミュモル”だったとのこと。しかし戦うヒロインにしては名前が可愛すぎる,ということでリリゼットに変更されたようだ。
そしてミュモルの名は,ご存じのとおり“アイドル戦士”として復活することに。ヴァナ・ディールの平和を守るキャラクターから一転,ヴァナ・ディールの“お祭りの”平和を守るキャラクターになったというお話。
●タルタルの初期デザインは“毛むくじゃらの珍獣”だった?
田中氏によると,開発初期におけるタルタルのキャラクターデザインには相当難航したようだ。なんでも当初のデザインを例えるならば「毛むくじゃらの珍獣」で,当時の設定資料は残っていないものの,それに近いものとして挙げられたのが,なんとラッコの写真。身長やプロポーションにちょっとでも違和感があるとダメ出しを入れていたとのこと。何年経っても見飽きないタルタルの外見は,このようにして出来上がったのだそうだ。
ちなみに田中氏による入念なチェックは,FFXIの随所に入っているとのことで,そのほかには女性ヒュームのバストサイズにも相当なこだわりを見せていたとか。
●フェローシップを育てていると,プロミヴォンでちょっぴり有利に
フェローシップを高レベルまで上げている場合,プロミヴォンで呼び出した際に若干フェローシップの性能が高くなるようだ。10レベルごとに,4段階にステータスアップしているとのこと。これを利用すれば,ソロプレイでも深層エリアまで到達しやすくなるかもしれない。
●PSP用ソフト「DISSIDIA FINAL FANTASY」にシャントット様が参戦!
●“フィールド・オブ・ヴァラー”導入でレベル上げがよりスムースに
現在はアトルガン用エリアの取得経験値量が多い一方で,それより前のエリアは相対的に「おいしくない」との認識がある。それらのエリアに対し,モンスター固有に設定された強さや経験値などを見直すのは現実的には難しいようである。そこで,ボーナス要素に近いものとして,低レベル用エリアに“フィールド・オブ・ヴァラー”を試験的に導入するそうだ。これに関しては,結果を見ながら対象エリアを随時拡大していくとのことである。
●“学者”のメリットポイント拡張やレリック衣装が早くも追加
アルタナで導入されたジョブの“学者”“踊り子”に関しては,かなり具体的な話が出てきた。メリットポイントのグループ2項目や,レリック装束(通称AF2)が早くも実装されるのである。アトルガンジョブのレリック装束などに比べると,かなり早いペースだ。詳細はクリエイターズボイスZを参照のこと。
今回のイベントでは,学者についてのみ紹介。踊り子については,約2週間後に北米にて開催予定のファンイベントにて情報公開されるとのことで,期待して待っていよう。
STTはフリーアカウントを悪用した規約違反行為に対しても万全の対策
STTが凍結させているギル数は以前と比べて減少しており,着実に成果が出ているようである。規約違反者の最近の傾向については,以前は“トゥー・リア”へ行けるくらいまでキャラクターを育てたうえで荒稼ぎしていたのが,次第に短時間でギルの生産から受け渡しなどを行うケースが増えているという。つまりキャラクターを育て上げても,どうせ退会させられてしまうのなら,その前に稼いでしまえ,という考えだ。そしてフリーアカウント(無料体験版)の導入が,その流れを加速させており,どのようにして対処するかが重要だとSundi氏は語る。
例えば“釣り”は,作りたてのキャラクターでも行える金策のため,24時間未満という短いサイクルでギルの作成から受け渡しまでのサイクルが循環してしまう。これまで以上に素早い対処が求められるだろう。
とはいえ,これらに関しては想定内だったようで,ギルの生産者のみならず,受け渡し先のキャラクターまで追いかけて,規約違反者を連鎖的に探り出す新ツール「いもづる君」を1か月前に導入。そのほかにも,ある程度の金額を獲得すると起動する「ギルを抱えて永眠君」などがあり,大きな効果を上げているようだ。
ただ,フリーアカウントを用いた釣りによるRMTに関しては,現状のシステムでは完全にゼロにはできないため,初心者キャラクターが釣りを行う際,若干のハードルを設ける方向で調整するようだ。
そのほかには,規約違反者を発見次第,自動的に発動する“自動JAIL機能”や,現在多くのプレイヤーが悩まされているであろうRMT業者からのメッセージSPAMへの対策も予定されている。プレイヤーとしては頼もしい限りだ。
一般来場客が参加したスペシャルバトルフィールド「スウォーム!」
これは最大6名によるバトルコンテンツで,開始すると頭上からモンスターが次から次へと“降ってくる”。プレイヤーキャラがモンスターを倒すと,それぞれ対応したポイントを獲得。これを5分間ひたすら続け,パーティでのトータル得点を競うというルールだ。
モンスターの種類によって,強さや倒したときのポイント量が異なるが,中には挑発しただけで自爆するボムといった厄介なモンスターもいる。また,このほかにも倒すとボーナス効果が得られたり,キャラクターが無敵モードに突入するものも。高得点を目指すのなら闇雲に倒すだけでなく,ターゲットを見極めることが重要だ。
このバトルフィールドで驚かされたのは,使用キャラクターの性能である。なんとキャラクター全員があの“ミシックウェポン”を所持しており,そのほかにも最高級の武具に身を包んでいる。ミシックウェポンを振るう姿や,“アフターマス”が発動するのを実際に目にするのは,多くの参加者にとっておそらく今回が初めてだっただろう。
とくにインパクトが強かったのが白魔道士で,ミシックウェポンと“クラーケンクラブ”の二刀流という出で立ちである。ご想像のとおり,凄まじいまでの殲滅スピードを振るっていた。
戦術のポイントとしては,とにかく敵の数が多く連戦になるので,ターゲットの素早い切り替えが求められる。またチェーンボーナスもあるので,投擲武器や範囲魔法などを駆使し,いちはやく敵のターゲットを自分に向ける必要がありそうだ。パーティプレイでの連携要素が少ない分,過去のイベントに登場したスペシャルバトルフィールドよりはシンプルな内容かもしれない。
オンライン販売による新シナリオ3本は,ジラートエリアまでをさらに掘り下げた内容
第二弾の「戦慄!モグ祭りの夜 〜ヴァナ・ディール史上最小の作戦」のイラストを担当するのは末弥純氏。ファンタジーイラストならこの人! とのことだが,シナリオのテーマがテーマなだけに,あまりドロドロしすぎないようなデザインでお願いしたとのことだ。
第三弾の「シャントット帝国の陰謀 〜ヴァナ・ディール史上最凶の作戦」のイラストを担当するのは皆川史生氏。皆川氏は,過去の公式イベントなどでもイラストを多数手がけており,FFXIファンにとってはお馴染みの人物といえるだろう。
シナリオは一括形式で配信され,クリア時間の目安としては,一般的なプレイヤーで1〜2か月くらいを想定。シナリオの難度に関しては,序盤はレベル30程度でも挑戦できるが,最終的にはレベル75のフルパーティの戦力が求められる。クリア報酬も,その難度に見合うハイレベルなものが用意されるようだ。
このようなビジネスモデルにした理由として田中氏は,今は通信インフラが整備されており,今回のような大容量コンテンツをダウンロードさせることも現実的となったことを挙げている。先日導入されたフリートライアル版のダウンロードシステムも順調に稼動していることから,今回の新シナリオの実現へ踏み切ったようだ。
ちなみにこういった形で,拡張パック未満の中規模コンテンツをダウンロード販売するシステムは,「EverQuest II」や「ギルド ウォーズ」などでも行われており,次第にメジャーになりつつある。
この企画の発端は,これまで順調に“横”方向へ広がっていったヴァナ・ディールの世界を,一度原点に立ち返り,初期構想として考えていたクォン/ミンダルシア大陸から「ジラートの幻影」までの世界観を掘り下げたい,という考えにあるとのこと。したがって新シナリオでの冒険の舞台も,ジラートエリアまでが中心になる。
加藤氏によると,FFXIにカムバックするのは実に約6年ぶりで,自分でも以前に何を書いたのか覚えていない部分があるという。しかも,自分が抜けたあとも膨大なストーリー設定やイベントが追加されている。自分が追加シナリオを作ろうとしても,現在出来上がっている世界観との矛盾が生じてしまいやすく,これらとの整合性を取るのにかなり苦心しているそうだ。とはいえFFXIの幹となる部分は変わっておらず,「いい感じで今まで続いているな」との認識のようである
ちなみに今回のイベントには田中氏から「ぜひ登場してほしい」との要請を受けていたとのこと。ステージイベントで行われた制作発表でも,ド派手なスモークが焚かれるなど,(田中氏は別格として)全出演者中もっとも大きなアピールのされ方だったかもしれない。加藤氏が3本の新シナリオにおけるキーパーソンであることがうかがわれる。
シナリオ制作にあたっての抱負として加藤氏は,コメディあり,シリアスありと,さまざまな要素を詰め込みたいと考えているようだ。現在は,かなり“はっちゃけた”アイデアを次から次へと出しては,田中氏にダメ出しを受けている段階だという。3本の新シナリオで,いったいどのようなユニークな展開が見られるのか,今から待ち遠しい。
今回のイベントはだいたいこのような流れであった。そのほかの内容については,写真とキャプションで簡単に紹介していこう。
イベント終了後に行われたプレス向けの記者会見の場で田中氏は,最初は1万人くらいを収容できる会場を探していたとコメント。しかし,どうしても会場スケジュール等の折り合いが付かず,断念したとのこと。その結果,チケットの入手が抽選形式になってしまい,希望者全員に行き渡らなかったと語っていた。
確かに,今回の入場者数を現在あるワールドの数で単純に割ると,1ワールドあたりの来場者は60人前後になる計算になり,結果的にかなりのプレミアチケットになってしまった。田中氏は,もし次回こういったイベントを行うとすれば,もっと大きな会場での開催を検討したいとのことだ。
ちなみに約2週間後には,北米でのFFXIファンイベントが開催される予定だ。4Gamerでもそのイベントの模様をお伝えするつもりなので,日米間における大規模オフラインイベントの違いなどに注目してみると面白いだろう。また踊り子のアップデートなどの続報発表にも期待したい。
- 関連タイトル:
ファイナルファンタジーXI
- 関連タイトル:
ファイナルファンタジーXI アトルガンの秘宝
- 関連タイトル:
ファイナルファンタジーXI ジラートの幻影
- 関連タイトル:
ファイナルファンタジーXI プロマシアの呪縛
- 関連タイトル:
ファイナルファンタジーXI アルタナの神兵
- 関連タイトル:
ファイナルファンタジーXI
- 関連タイトル:
ファイナルファンタジーXI アルタナの神兵 拡張データディスク
- 関連タイトル:
DISSIDIA FINAL FANTASY
- この記事のURL:
キーワード
(C)2002-2022 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
LOGO ILLUSTRATION:(C)2002 YOSHITAKA AMANO
(C) 2002-2006 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Title Design by Yoshitaka Amano
(C) 2002-2006 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Title Design by Yoshitaka Amano
(C) 2002-2006 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Title Design by Yoshitaka Amano
(c) 2002-2007 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
(c)2002-2007 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Illustration / (c) 2007 Yoshitaka Amano
(C)2008 SQUARE ENIX CO.,LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA / ILLUSTRATION: (C)2008 YOSHITAKA AMANO