プレイレポート
【FFXIレポート09】“フィールド・オブ・ヴァラー”により充実した低〜中レベルキャラクターの育成環境を紹介
今回のFFXIレポートでは,新コンテンツ“フィールド・オブ・ヴァラー”と“Treasure Casket”を中心に,大規模アップデートの見どころを詳しく解説していく。初級者〜中級者に深く関わってくる内容なので,最近FFXIを始めたというプレイヤーも,ぜひ最後までご覧いただきたい。
短時間&ソロプレイでもキャラ育成ができる
“フィールド・オブ・ヴァラー”
“フィールド・オブ・ヴァラー”(以下,FoV)は,モンスター討伐のミニクエストを受けられるという新コンテンツだ。ミニクエストといっても侮ることなかれ。これがかなりよく練り込まれているコンテンツなのだ。
基本システムから見ていくと,FoVの対象となる場所は,FFXI本編(=拡張データディスクが不要。以降,オリジナルエリア)の屋外エリア。それらに新たに設置された“Field Manual”というオブジェクトを通じて,ヴァナ時間の1日に1度,クエストが受けられる。
クエストの内容としては,同じエリア内にいる1〜3種類のモンスターが,合計10匹前後指定される。これには5パターンの組み合わせがあり,それらの中から自分にとって戦いやすいものが選べる。そして指定されたモンスターを探し,一通り倒すとクリアだ。ボーナス経験値と金銭,そして“葉”と呼ばれる特別なポイント(後述)が得られる。
FoVでは,誰でもそれなりのプレイ目標と報酬が得られる,ソロプレイ〜少人数パーティ向けのコンテンツ。フリートライアル版でFFXIを始めた人も要チェックだ |
Field Manualは,基本的に各国の前哨基地(アウトポスト)の隣に浮かんでいる。3国の隣接エリアに限っては,拠点を出てすぐ近くにある |
ここで注意してほしいのは,対象が,経験値を得られる強さのモンスターでないと,FoVの討伐数としてカウントされないこと。見方を変えれば,自分にとって“楽”以上の強さのモンスターであれば問題ない,ということでもある。もちろんパーティを編成し,レベルシンク(関連記事は「こちら」)を適用させることも可能だ。
クリア時に得られるボーナス経験値は,討伐対象のモンスターによって異なるが,これが意外と多い。現在もっともFoVが賑わっているクフィムを例に挙げると,700前後もの経験値が得られるのだ。ざっくりとした計算になるが,FoV対象のモンスターを10匹倒して得られる経験値は1000弱(“女神の指輪”使用時)。つまり所要時間30分前後で,1600〜1700前後もの経験値が得られるのである。
指定されたモンスターを探し,1匹ずつ倒していく。格下のモンスターを狙うのなら,装備はそれほどこだわらなくても何とかなる |
モンスターを倒しきると直ちに報酬が得られ,Field Manualへ戻る必要もない。これだけの経験値が一気に増えるのはとても嬉しい |
現在FoVが行えるのは,FFXIのオリジナルエリアのみ。クフィムよりも前のエリアであれば,激しく混雑しているということもない |
FoVでは対象モンスターを探す必要があるため,頻繁に移動することになる。これは,一か所に留まってモンスターを狩り続ける“キャンプ”とは,ヒーリングが行いにくいなどの理由から,あまり相性が良くない。加えてFoVのクエストは1時間に1回しか受けられない。仮に6人のフルパーティで挑戦したら,すぐにクリアしてしまうだろう。要するに,労力の割には報酬がいまいち魅力的ではないのだ。
しかし,これをソロプレイや少人数でのパーティに置き換えて考えると,上記のマイナス面はプラスに転じる。フットワークが軽く,気軽に中断/再開できるプレイスタイルにフィットするのだ。
6人でのパーティプレイを行う際は,FoVの討伐モンスターはあまり意識せずともよいだろう。モンスターを普通に倒しているだけで十分に稼げる |
現在,FoVの人気は高く,ほかの人との狩場のバッティングは頻繁に起こりうる。またクフィム以降のエリアでは,アンデッドなどの戦いにくいモンスターも次第に増えてくる。さらにエリア移動の手間なども含め総合的に考えると,クフィムまでならば比較的FoVが行いやすいといえる。そのエリアで“楽”表示のモンスターを対象とできるのが,レベル40前後までのキャラクターというわけである。
ちなみにザルカバードでFoVを行えば,キャラクターをレベル60程度まで育てることも一応可能ではある。とはいえ,そこまでFoVにこだわり続けるよりは,普通のレベル上げパーティに参加するか,あるいは同じソロプレイでもカンパニエなどに移行するほうが無難といえるだろう。
FoVのクリア時に得られる“葉”は,これと引き替えに,Field Manualを通じて各種戦闘支援(補助効果)が得られるというもの。具体的な効果内容は,プロテス,シェル,リジェネ,リフレシュ,食事効果など,一時的なものが大半だ。ユニークなものでは“所属国への帰還”もある。
これらの交換レートは全体的に割安なため,気軽に使っていける。しかもその割に効果が高く,とくにリジェネとリフレシュに関しては,なんと1時間も持続するのだ。上述したプレイ環境を想定すると,このメリットは絶大といえるもので,たとえ後衛系のジョブでも,休憩時間をほとんど設けずにレベルアップが可能となっている。FoVなしでのソロプレイには,もう戻れなくなってしまう人もいるかもしれない。
サポートジョブ用に育成するのなら,レベル37までFoV中心に行ってもよい。それ以降はパーティプレイなどを組み込んでいこう |
Field Manualの場所を意識してプレイすると,ちょっぴり冒険しやすくなるかも。アウトポストへ瞬間移動できる“リターンリング”の活用もおすすめ |
ちょっとした小ネタになるが,これらの補助効果はエリアチェンジ後も有効である。そのため通常のパーティプレイを行う際に,Field Manualに立ち寄って補助効果を得る,というテクニックはアリだ。ジョブチェンジを行うと効果が切れる点に注意してほしいが,例えばクフィムや“バルクルム砂丘”など,アウトポストへアクセスしやすい場所でキャンプを行う際は,覚えておいて損はないだろう。
解錠のミニゲームが意外とアツい“Treasure Casket”
Treasure Casketは,ドラクエやWizardryといったRPGの経験者なら,イメージしやすいかもしれない。仮に解錠に失敗しても罠は発動しないのでご安心を |
これらの宝箱は,FFXIオリジナルの屋外エリアであれば,どこでも出現する可能性がある。また,経験値が得られないモンスターを倒したときでも出現することがある。
宝箱の色で,中身は二通りに分けられる。青色の宝箱からはテンポラリアイテムが得られるので,迷わず開けてしまおう |
茶色の宝箱は解錠を行う必要がある。このミニゲームがかなり集中力を要し,途中で他人から話しかけられたりすると「イーッ」となる |
画面内のヒントをよく見ると,正解の番号が“95/96/97”の三つにまで絞り込める。この次に96を入力すれば,その反応によって正解が特定できる |
問題なのはカギが掛かった茶色の宝箱だ。これを解錠するには,10〜99の範囲であらかじめ設定された,いずれかの数字を見つけ出すミニゲームをクリアせねばならない。
キャラクターには5回前後のチャンスが与えられ,自分が入力した番号が外れていた場合,正解と比べて数字が上か下かが示される。そのほか,チャンスを1回分消費する代わりに,「一桁目は奇数」や「二桁目は6,7,8のどれか」などといったヒントを,ランダムで得るという選択肢も選べる。チャンス内に番号を的中できなかった場合,宝箱は消えてしまい,これはかなり悔しい。
運が良い場合は,ちゃんとしたヒントを2〜3回聞ければ正解の番号が特定できる。その場合の例を右上に示したスクリーンショットで紹介しているので,メッセージ部分をじっくりと見てもらいたい。
ただし,このように悠々と特定できるケースは少なく,多くの場合は最後のチャンスでようやく特定できるか,あるいは悩みに悩みぬいた末,神頼みすることになるだろう。
茶色の宝箱からは,消耗品や素材品,武具などが得られる。テンポラリ属性ではないので,エリアをまたいで持ち越したり売ったりできる |
宝箱の目玉アイテムは,Ex属性(トレード不可)の装備品だろう。レアな外見や追加効果を有しているものもちらほら |
そうした苦労の末,見事に宝箱を開けられると,ほかでは手に入らない装備品が得られることがある。いくつか確認できたが,どうやらエリアによってドロップアイテムが異なるようで,強さの目安としては,その場所でレベル上げをする際に持っていると重宝しそうなものが多い。
一応,メインジョブがシーフの場合に限り,“シーフツール”等を消費することで,チャンスを減らさずにヒントを聞くことも可能である。ただしこれは確実に成功するわけではなく,しかもツール自体が結構高価なアイテムなので,強くはおすすめできない。
また,Treasure Casketの導入コンセプトなども踏まえて総合的に考えると,レベル75のキャラクターが血眼になるようなコンテンツではない気がする。むしろ,「レベル上げの際に出現したらラッキー」くらいの心構えであれば,箱の種類やドロップ内容に関係なく,大いに楽しめることだろう。
練習相手のモンスターを乱獲するようなスタイルだと,装備品以外はほぼ不要となる。そうなると作業感が増し,あまり楽しくなくなってしまうかも |
過度の期待をせず,レベル上げの最中に宝箱が出現したらラッキー,くらいの心構えがおすすめ。テンポラリアイテムに命を救われることもあるだろう |
地道に積み重ねられてきたバランス調整により
新規プレイヤー向けとして広く勧められるMMORPGへ
リリース当時のFFXIと比べ,ソロプレイがずいぶんと楽しみやすくなった。まとまった時間が取りにくい人でも,十分プレイできるバランスだろう |
レベル上げに必要な作業量を単純に減らしただけではなく,プレイヤーに目的意識を持たせているところを,個人的には高く評価したい。例えばFoVの対象モンスターを探し求めたり,Treasure Casketの番号を特定するのに悩みながらプレイしていたら,いつの間にかレベルが上がりそうだった,ということが何度かあった。これは理想に近いゲームバランスではないだろうか。
アウトポストの前でログオフしておけば,ちょっとした時間ができたときにログインし,満足な経験値が得られる。今のFFXIはこういった遊び方もできる |
だが今では,どんなジョブであっても,少なくともFoVの範囲内ならソロプレイで十分に育てられる。こういった選択肢が,現実的なものとして検討できるようになったことを大いに歓迎したい。そしてこれは,2008年9月にフリートライアル版を公開し,新規参入プレイヤーの獲得へ積極的に乗り出しているFFXIにとって,理想に近い状況といえよう。
ちょっと視点を変えて今後のFFXIについて考えてみると,ソロプレイを行いやすくするための要望は,今後さらに増えてくることだろう。今回のFoVに関しても,例えばジラートやプロマシアのエリアに拡張されるだけでも,エリアの混雑対策をはじめ,さまざまな面でメリットがあると思われる。
ただ,いくらソロプレイ向けの育成環境が整備されたとはいえ,FFXIの多くの醍醐味がパーティプレイにあることに変わりない。そしてその際に必要なノウハウは,本来はパーティプレイでのレベル上げを通じて試行錯誤しながら,少しずつ身に付けるものだ。よって,仮にソロプレイで簡単にハイレベルまで到達できてしまうと,それはそれで新たな弊害が生まれそうではある。
個人的には心配というよりも,今後スクウェア・エニックスがどのような戦略を打ち出してくるのか,興味津々である。今回のような長期にわたるアップデート計画が,見事に結実した瞬間を目の当たりにすると,その先の展開にもやはり期待してしまう。これから新規プレイヤー層に向けて,どのようにしてパーティプレイの醍醐味をアピールしていくのか,同社の戦略をじっくりと見守っていきたい。
FoVの対象エリアはソロプレイでかなりの賑わいを見せている。ベテランプレイヤーも,低〜中レベルのキャラクターでプレイすると驚くかも |
これからはパーティプレイの経験をそれほど積まずに,中級レベルに到達する人が増えてくる。パーティプレイへの導線が必要となるだろう |
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