プレイレポート
「疾走、ヤンキー魂。」“復活祭。”終了。そして伝説は第二期へ……
しかし,サービスを終えて久しい“第一期”ヤン魂。の復活を求める声も根強かった。そんな声に応えるべく,“一週間で4000万クリック”という課題をクリアした場合のみ,1週間限定で第一期のサービスが復活することが,1月25日にアナウンスされた(関連記事)。
2月8日,ヤン魂。の新・公式祭斗(公式サイト)に“桜の木”が設置され,4000万クリックを目指したトライアルがスタートする。結果,丸二日と経たぬうちに4000万クリックは達成され,“第一期”の復活が決まったのである。
そんな第一期の“復活祭。”が行われたのは,2月29日〜3月7日。筆者はここに参加し,1週間のネットヤンク体験を楽しんできた。本稿ではその模様を,雰囲気重視でざっくりとお届けしていこう。
なお,筆者はまだまだ若輩者であり,人生の諸先輩方にとっては,ついこの間に生まれたばかりの生き物だ。そういうこともあって,実は今回が初めてのヤン魂。体験だった。まだヤン魂。に触れたことのない人には,本稿を通して筆者の初ヤン魂。体験を共有してほしい。そして,かつてヤン魂。で熱い青春を過ごした先輩方には,「あのころの俺も,こんな感じだったぜ……」なんて遠い目をしてもらえたら幸いだ。
高校デビューならぬネットデビュー!?
ネット弁慶? いいえ,ネットヤンクです
とりあえず筆者も,自分の分身ということで,なるべく現実の自分の姿を再現するべく,キャラクターを作成してみた。
キャラクター名は,「マフィア」。スキンヘッドにジャージという,非常にシンプルなパーツで構成されているにも関わらず,どういう訳だか鏡に映る自分によく似ている。あまりに似すぎていて,どことなく不気味である。こんなパーツで簡単に再現できてしまう自分の容姿にちょっと凹みながらも,プレイを開始! すると,いきなり見知らぬオバハンと,狭い部屋で二人っきりな状況に。
一瞬,嫌な想像が脳をよぎったが,恐る恐る話しかけてみると,どうやらこのオバハンはプレイヤーのオカンらしい。ファンタジーに例えると,“勇者のサポートをする妖精”的な存在のようだ。イヤ過ぎる……。
とりあえずは,肉体ならぬ肉親関係にホっとしつつ,クネクネと不気味な動きを続けるオカンは放っておいて,街に繰り出してみた。
仏恥義理で行くんで夜露死苦!
私の愛馬は凶暴です?
さすが,ヤン魂。は一筋縄ではいかない。きっと,「デビューしたてのシャバ憎に単車は早い!」ということなのだろう。それでも釈然としない気持ちを抑え,とりあえずはチャリでキコキコと街を散策。すると,ついに待ちに待った戦闘が! ヤンキーと言えばやっぱり喧嘩! 腕っぷしだけで成り上がるのが漢のロマンだ! ……そう思っていた時期が俺にもありました。
チャリンコでレースだよ……ペダルをこぐ足の動きが必死だよ……。そう,優雅に水面を滑っているかのように見える白鳥も,水面下では必死に足を動かしているのと同じだ! たぶん。
いやはや,ヤン魂。は筆者の中にあるヤンキー観をことごとく叩き潰してくれた。おかげで筆者の“カッコイイ物ランキング”において,ヤンキーはセロテープの次くらいの位置付けになった。
まあ,そんな感傷に胸を締め付けられつつも,初バトルには難なく勝利。その後もシャバ憎どもをシメまくり,ヤン魂。世界の経験値であり,通貨でもある“男気”を順調に溜めていった。
おニューの特攻服とサングラスでキメ!
もうシャバ憎だなんて言わせないぜ!
どうやらこの判断は,大当たりだった模様。いきなり現れた「三択老師」と名乗るうさんくさい爺さんから,念願の単車,「GSS400」をゲット! 良い子にしていたらサンタクロースが来るという民間伝承があるが,まさか単車が貰える日が来るなんて。ヤンキーやってて良かったなぁ。
単車に乗れるようになったことだし,いつまでもジャージじゃ格好がつかない。というわけで,オシャレ計画を発動。溜まった男気を大放出し,サングラスと特攻服でバリっと漢らしくコーディネート! 特攻服も,素のまま着るなんてシャバ憎丸出しなことはしない。しっかりと刺繍を入れてみた。
デザインについては,あえてノーコメントとさせていただきたい。いろいろな意味で自分のセンスが恐ろしくなった。しかし,コツコツと文字を配置してデザインできる刺繍システムは,意外とハマってしまう。これは,第二期にも引き継いでほしい要素の一つだろう。
復活祭もいよいよ最終日!
ツッパった結果がこれだよ!
しかもこの日は,開発プロデューサーの安藤武博氏(スクウェア・エニックス)や,運営プロデューサーの伊勢友光氏(ゲームポット)が実名でログインするということで,お二人が出没しそうな盛り場には,数多くのプレイヤーが集まっていた。
筆者もヤンキーの海で埋もれながら,お二人の降臨を待っていたが……なかなか出現報告がない。半ば諦めかけていたそのとき,ラインチャットで伊勢氏降臨の知らせが! 即現場の喫茶店に急行すると,多くのプレイヤーに囲まれた伊勢氏を発見! 筆者もその輪の中にコッソリと紛れ込もうとしたが,目ざといプレイヤーによって即バレ。
それからはもう開き直り,ヤンキー仲間達とやりたい放題のドンチャン騒ぎを繰り広げた。まさかその醜態が,「okome放送局」によって生中継されているとも知らずに……。
結局最後まで安藤氏に会えなかったのは残念だったが,筆者も久しぶりに(?)仕事を忘れ,まばゆいばかりに楽しい時間を過ごすことができた。
約1週間という短い期間だったにも関わらず,第一期ヤン魂。は心に強く残るゲームだった。もっと早くこのゲームを知っていれば,第一期のサービスに触れることができていれば,と後悔してもしきれない気分だ。
以前,安藤氏がインタビューで語っていたように,第一期ヤン魂。を“ゲーム”として見た場合,“根本的な設計に欠陥があった”のは確かかもしれない(プロデューサー自らがそう語っているわけだし)。しかし,そこに集うプレイヤーと運営陣が,ときには罵り合いながらも作り上げてきた独特の空気感は,何ものにも代え難い。そしてこの空気感こそが,ヤン魂。の魅力なのだと思う。ひょっとしたら,ヤン魂。を愛する人々は,「ゲームシステム? そんな細かいことより,ここに集まるお前らと気合いが重要なんだよ!」ぐらいのことを思っているのではないか。正直,筆者はこの1週間で,そう思わされてしまった。
ほかにはない,独特の空気感を持つヤン魂。の復活祭。は終わった。しかし,復活祭。で感じたあの輝きは消えちゃいない。ヤン魂。はこれで終わりではない。
システムを一新した第二期が,この春にも始まる。第一期以上に,ゲームとしての面白さが高まっていることにも期待したいが,やはりこの空気感が残っていてほしい。
安藤氏,伊勢氏をはじめとしたヤン魂。のスタッフ達ならば,古参の先輩方や,“復活祭デビュー”のゆとりヤンキーである筆者,そして,第二期でのデビューを虎視眈々と狙っているヤンキー予備軍達の思いに応えてくれるはず……だと思う。
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疾走、ヤンキー魂。
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