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[E3 2005#184]南米に乗り込んだ一人の麻薬捜査官を描いた「El Matador」
Cenegaは,E3に先立ってロシアの雄1C Company社に買収されたばかり。2003年にはPlastic Reality社の処女作「Korea:Forgotten Conflict」がCenegaを販売元としてリリースされているが,今後Cenegaのタイトルはすべて,1C Companyに引き継がれる予定だ。
さて,そのCenegaの出展作品3作の中で最も有望に見えたのが,このEl Matadorである。
プレイヤーが操作する主人公は,DEA(Drug Enforcement Agent)に所属する麻薬捜査官。南米を拠点とする麻薬カルテルNarkomafiaに同業の兄を殺され,兄の残した仕事をやり遂げるために単身で敵地に赴くことになる。
現地での調査に乗り出すや否や,Narkomafiaに雇われた殺し屋集団に襲われ,さらにはDEA本部の汚職のにおいを嗅ぎ取ることになる。"エル・マタドール"とは闘牛士のことだが,これは何者をも恐れずに戦う主人公に付けられる称号なのだろう。
El Matadorのカメラ視点は,主人公キャラクターの後方やや高めに置いた「Hitman」風で,ゲームもアクションばかりでなくステルス的な要素もあるようだ。ただ筆者がプレイした限りでは,倉庫や屋外の細い道を進んでいくばかりで,相手の背後に回り込もうとする間もなく,激しい銃撃戦に見舞われていた。
ブースにいたスタッフの話では,殺すか殺されるかのストーリーが展開していくうえで,プレイヤーは道徳的な決断を迫られることにもなりそうだ。
画面は非常に美しく,樹木や雑草も綿密に描かれたいかにも"南米らしい"ロケーションは15か所で,合計26種類のマップが用意されている。今回のデモでは用意されていなかったものの,バーテックス/ピクセルシェーダにも完全対応させたレンダリングエンジンで,HDRレンダリングなどが活用されることになるという。
物理効果もフィーチャーしており,ガスタンクに向けて発砲すると爆発し,近くに潜んでいた敵キャラクターはラグドール効果で吹っ飛んでいた。この物理エンジンは,Plastic Realityが独自に開発しているものらしく,かなり野心的なゲームであるのが分かるだろう。
会場では気づかなかったが,プレスリリースによると,表情のアニメーションなども実装しているとのことだ。
雑感としては,第三人称視点であるためか敵との距離が遠く感じられ,チマチマしたゲームに見えてしまっていたのが残念。
また現時点では右クリックでのズームインによる命中精度が良すぎて,簡単に進むことができた。ヨーロッパ産のゲームは難度の高いものが多いが,El Matadorは,このままではずいぶんと低くなりそうだ。
El Matadorは,このまま開発が進めば2005年秋にはリリースできる状態になるはずだ。現在のところマルチプレイヤーモードの有無は発表されていない。(奥谷海人)
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