プレイレポート
「女神転生IMAGINE」プレイレポート:融合や魔崩拳,そして親密度などが実装された,10月の中型アップデートを紹介
これは,ケイブが公開した融合の紹介画像。融合の流れがとても分かりやすくまとめられているので,融合入門者は目を通しておくといいだろう |
というわけで,10月25日のアップデートは“中型”に相当するものだったのだが,ふたを開けてみれば,新システム「チェインエキスパート」や,仲魔の「親密度」,既存ダンジョンのクリアタイムを競う「G1トライアル」など,実にさまざまな要素が追加されていた。
本稿では,この中型アップデートの内容をおさらいしつつ,とくに注目すべき追加要素にスポットを当てて,女神転生IMAGINEの現在をレポートしよう。
チェインエキスパートの実装で
キャラ育成がさらに楽しく
今回の中型アップデートで最も目立つ追加要素は,なんといっても,エキスパート(技術/知識の習熟度を表すパラメータ)システムへのテコ入れだろう。具体的には,神秘学/操魔/鉱物学という新エキスパートが実装され,それに関連する形で,新システムであるチェインエキスパートが追加された。
チェインエキスパートとは,複数のエキスパートの成長度合いに応じて成長していく,新しいタイプのエキスパートで,今回の中型アップデートでは,「融合」「魔崩拳」という2種類のチェインエキスパートが導入された。
サンジェルマンというから,どんな怪人が登場するのかと思っていたのだが,画像のとおり比較的まともっぽい(?)人物だった |
ちなみに融合の開眼条件は,シンジュクにいるNPC,サンジェルマンを通じてクエストをクリアし,神秘学エキスパートをClass1にすること。また融合の成長には,悪魔学/武器知識/神秘学/鉱物学エキスパートが影響する。
融合に関する基礎知識は,公式サイトの「こちら」や,4Gamerの「こちら」をチェックしてもらえば確認できる。まだ融合に挑戦していないというプレイヤーは,まずはそれらを一読しておこう。
仲魔の親密度は,召喚の時間によっても上昇していく。そのため街のあちこちで,召喚状態のまま休憩しているプレイヤーを見かけるようになった |
融合の手順としては,まず仲魔の親密度を一定値以上まで高めなければならない。親密度は,召喚している仲魔の名前の前に表示され,それには「絆で結ばれた/心を通わせる/信頼する/仲の良い/契約した/使役される/隙を窺う/寝首を狙う」という八つの状態がある。左のものほど親密度が高い。
魔晶変化が可能な状態は,「絆で結ばれた」「心を通わせる」の二つとなる。つまりプレイヤーは,魔性変化したい仲魔の親密度を,最低でも「心を通わせる」状態まで持っていかなければならないわけだ。
しかし,仲魔の親密度を高めていくのは,なかなか骨の折れる仕事だ。親密度の上昇には「召喚中の時間経過(LNC属性の影響あり)/仲魔のレベルアップ/同種の悪魔との交渉成立」といった要素が関わってくるが,逆に「仲魔の死亡/同種の悪魔を倒す/魔晶変化の失敗」などによって下降してしまう。
その後,仲魔の種族に対応した宝石(妖精の場合はアクアマリン)を用意し,チェインエキスパート融合の魔晶変化スキルを実行。成功率はあまり高くなかったが,なんとかそれに成功し,ハイピクシーの魔晶が手に入った。
ちなみにハイピクシーの魔晶では,魔装術に利用した場合には必殺+3,魂合術に利用した場合には足装備に魔力+2,知力+2,衝撃耐性+5の効果が得られる。筆者は破壊魔法特化のキャラクターを育てているので,この場合は足装備に魂合術を施すと,プレイスタイルに合ったアイテム強化ができるわけだ。
「地母神の助力」「月の女神」といった特徴を備えている悪魔を用意し,召喚しておけば,融合の成功率が若干高まる。そのほか,CPアイテムをベースにした場合や,満月のタイミングで融合した場合などでも,融合の成功率は上昇するようだ |
さらに,特定のアイテム/魔晶を用いて魔装術/魂合術の双方を施した場合,「特殊融合」が行われ,特別なアイテムが生み出されることがある。例えば,ガルムの魔晶を二つ用意し,ガルムの首輪に対して魔装術/魂合術を施した場合,「ガルムのガルムの首輪 オブ ギャラルホルン」もしくは「レージング」を作成できる。またクーフーリンの魔晶を二つ用意し,ロンギヌスの槍に対して魔装術/魂合術を施した場合,「ゲイボルグ」が作成できる。
そのほかにも,「ドローミ」「アイギス」「風神剣」「雷人剣」といった特殊融合アイテムの存在が,熱心なプレイヤー達の調査で明らかになっており,注目を集めているのだ。
以前「こちら」のインタビュー記事でお伝えしたように,ここ最近同作のプレイヤー数は目に見えて増加している。それにつれて,仲魔を召喚したまま放置するプレイヤーが急増したために,ピークタイム時の混雑ぶりがひどくなったという問題も起きてきた。それを受けてというわけなのか,ケイブは本日11月8日の定期メンテナンスで,サーバーの増強を行っており,混雑問題に関しては改善されそうな雰囲気である。
ともあれ融合の実装によって,女神転生IMAGINEはいい意味で複雑化し,より奥の深い楽しみ方ができるようになった。しばらくは魔晶の効果/特殊融合の法則に関する調査活動で,ユーザーコミュニティも大いに賑わいそうである。ケイブには,さらなる改善(全体的なマッカ/マグネタイト不足あたりが気になるところだろうか)を進めてもらいつつ,融合とその周辺の仕様を,さらに発展させてもらいたい。
近接特化型キャラクターの切り札となるか
破壊魔法の力を秘めたラッシュ“魔崩拳”が実装に
これは火炎属性の魔崩拳,デロリアン(いいネーミングだ)。通常のラッシュよりもエフェクトが派手で,使っていて気持ちがいい |
なお,魔崩拳の習得に必要な操魔は,神秘学と同様,シンジュクのNPCサンジェルマンから受けられるクエストをクリアすれば習得可能だ。
魔崩拳に含まれるスキルには,Class1で習得できる衝撃相性の「カマイタチ」,Class2で習得できる氷結相性の「フリージングランス」,Class3で習得できる電撃相性の「ソニックスルー」,そしてClass4で習得できる火炎相性の「デロリアン」がある。このうちカマイタチは,魔崩拳が開眼した時点で使用可能だ。
これらを実際に試してみると,悪魔の弱点さえ見誤らなければかなり有用なスキルであることが実感できるだろう。各魔崩拳スキルの威力は魔力依存となり,破壊魔法でいうと○○ダイン級の攻撃力を秘めている。そして直線上の敵全員に対応相性のダメージを与えられるため,近接攻撃特化型のキャラクターでも高い殲滅力を発揮できるのだ。
ただし魔崩拳の攻撃は,武器の相性ではなく魔崩拳の相性が優先されるため,うっかり相性を間違えてしまうと,複数の敵から反射ダメージを受けて瀕死状態に陥ることも……。
最初は衝撃相性(破壊魔法のザン系に相当)の魔崩拳しか使えないため,使い所はそれほど多くはないが,魔崩拳Classが上昇して氷結,電撃,火炎相性の技が習得できれば,状況に応じて効果的な使い分けが可能になる。これまでアギストーンやジオストーンなどを大量に持ち歩いていた近接攻撃特化型キャラクターにとって,魔崩拳はかなり魅力的なチェインエキスパートといえるのではないだろうか。
女神転生IMAGINEでは,キャラクターの成長要素として,レベル制とエキスパート制が併用されている。これにより,「キャラクターレベル=キャラクターの強さ」になりがちな一般的なMMORPGと比較して,自由度の高いキャラクター育成が楽しめる。
かつての同作では,未実装のエキスパートが多かったり,エキスパートを成長させることで習得できるスキル数が少なかったりと,エキスパート制のメリットがうまく引き出されていない印象も受けたが,今回の中型アップデートにより,その土台がようやく完成したといえる。それがさらに拡充されていけば,MMORPGとしての完成度が高まっていくことは間違いない。今後のアップデートが実に楽しみだ。
エピソードとG1トライアルの実装で
ストーリー性/ゲーム性の両面が向上
10月25日のアップデートでは,エキスパート周りの強化だけでなく,新エピソードやG1トライアルなども実装されている。
新エピソードとして,Act.11「アズラ特訓!!」およびAct.12「過去のビジョナリー」が実装された。「アズラ特訓!!」は,女神転生IMAGINEのストーリー展開に大きく関わってくるであろう子供型イノセント“アズラ”が,デビルバスターになるための特訓をするという内容。スネークマンのとんでもないミスや,アズラ達のおかしな掛け合いなど,ユーモラスな見どころが多い。
「過去のビジョナリー」は,既存エピソードにも登場した上級デビルバスター,“ミカナギ”も登場する,ややシリアスな内容。このエピソードの実装に伴って解放されたシンジュクドックの南側エリアを舞台に,マシン型の敵,F07Aアークトゥルスなどと戦うことになる。ちょっとしたパズル要素もあり,なかなか手強いエピソードだ。
いわゆる「ネタバレ」の恐れがあるため,4Gamerでは女神転生IMAGINEのストーリー面について,あまり大きく取り扱うことはなかったが,実際に同作のエピソードを進めていると,そのあまりにも「メガテンらしい」ストーリー性に,改めて気づかされる。古くからのメガテンファンである筆者のようなプレイヤーからすると,MMORPGというジャンルの性質上,ストーリーをテンポよく追えないのがもどかしくなるほど,女神転生IMAGINEの物語性は興味深いものだ。個人的に同作は,数あるMMORPGの中でもトップクラスに近いストーリー性を備えている,希有なタイトルなのではないかと考えているほどだ。
今後,総エピソード数が20,30と増えていき,各エピソード間の間隔が狭まっていけば,コンシューマ版のメガテンシリーズに勝るとも劣らない,濃密なゲーム体験が可能になるかもしれない。そういった意味でも,ケイブの今後のアップデート計画には大いに注目したい。
これは,一言で説明してしまえば「ボス討伐を目的とするタイムアタック」モードだ。ダンジョン生成用プレートとストップウォッチを所持した状態でダンジョンに入ろうとすれば,通常の冒険を楽しむかG1トライアルに挑戦するかが選択可能になる。G1トライアルをクリアすれば,クリアタイムに応じてランク付けされ,ランクに応じた報酬が得られるという仕組みだ。
初めてAランククリアをしたときには,防御力/魔法防御力を犠牲にしてそのダンジョンのボスに対する与ダメージを増加する護符がもらえ,2回目以降のAランククリア時には,ダンジョンに対応した宝石がもらえる。また,Bランク/Cランク/参加賞としては,ダンジョンに対応した「山羊シール」が用意されている。
筆者も実際にG1トライアルに参加してみたが,Aランクを取るには,ダンジョンを最短ルートで突き進んだり,ドロップ品回収をある程度あきらめたりといった工夫が必要だった。純粋に最短タイムを狙いたいならば,移動速度が向上する有料アイテムを使用しつつ,ベストメンバー5人による完璧なチームワークが要求されるだろう。いずれは公式サイトで,G1トライアルのランキングが公表される構想もあるようなので,興味のある人は今のうちから練習しておくといいだろう。
なお,Bランク以下のクリア報酬である山羊シールは,たくさん集めておくと後々いいことがあるかもしれないそうだ。ダンジョンごとにシールの種類が異なるため,あまり集めすぎてしまうとインベントリ/倉庫の圧迫につながるが,特定種類のシールであれば集めておいて損はないだろう。
またG1トライアルの種目についても,今後種類が増えていく予定だとアナウンスされている。そちらに関しても楽しみにしておこう。
第三ホームやシンジュクには,現在オープンβテストが行われている「ミニ四駆オンラインレーサー」の広告が出されていた。ミニ四駆世代のメガテンファンは,そちらの展開にも要注目 |
よりメガテンらしさが増してきただけでなく,MMORPGとしての実力も備わってきた,女神転生IMAGINE。メガテンファンおよびMMORPGファンは,引き続き同作を楽しみつつ,その向かう先に注目してほしい。
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