Cooler Master，防滴仕様のゲーマー向けPCケース「CM Storm Scout」をCeBIT 2009で公開

　2009年1月に世界市場でゲーマー向けブランド「CM Storm」を立ち上げ，日本でも正式発表に向けて動いているCooler Master。そんな同社はCeBIT 2009で，ゲーマー向けPCケースの第2弾製品となる「CM Storm Scout」（以下，Scout）を公開した。

CM Storm Scout

CM Storm Scoutの上面には，eSATAやUSB×4などのアウトレットのほか，LEDライトを調整するためのコントロール機能も備えられている

　Scoutは，「世界をまたに掛けて戦うゲーマーのチームを強力にサポートするギア」という位置付けのATXミドルタワーPCケースで，筐体の外装にABS樹脂を採用することにより，一般的なPCケースと比べて防滴性能に優れるというのが大きな特徴。天面に用意した取っ手も含めて，ユーザーが自宅の外へ持ち出すことを想定した設計になっている。
　ケース内部を外装と同じ黒で塗装し，加えて側板にアクリルの窓が設けられたり，内蔵するファンに埋め込まれたLEDの色を調整するためのコントロールパネルが設けられたりと，LANパーティなど“披露する場”への配慮も見える製品だ。

黒く塗装されたCM Storm Scoutのケース内部。バックパネルのCPU周りに当たる部分に大きなスルーホールが設けられているのは，ネジ留め型CPUクーラーの着脱を容易にし，かつ，電源ケーブルなどの取り回しを向上させるためのようだ

　いまその名が挙がったファンは，前面と天面に回転数1200rpm，公称動作音19dBAの140mm角，背面に128mm角（※詳細未公開）のものをそれぞれ搭載。本体サイズは216（W）×489（D）×495（H）mmで，ドライブベイは5インチ×5，3.5インチ×5という構成である。

　「防水仕様」ではないため，水に浸かったりした場合はおそらくアウト。また，天面部にファンを搭載する関係で，JIS規格が定義する防滴仕様の「垂直に滴下する水に対して保護されている」を満たしていないと思われるため，おそらく日本での販売に当たって防滴仕様を謳えないはずである。
　ただ，複数あるゲーマー向けPCケースのなかでも，「家の外へ持ち出すときの利便性」まで考えられたScoutが，なかなか面白い存在なのは確かだ。ある程度の雨なら気にせず持ち運べるようにはなっていることや，持ち運びやすさなどが，メンテナンスのしやすさに直結する場合は少なくないだけに，国内発表が楽しみな製品といえるだろう。


　なお，このほかゲーマー向けモデルとしては，CM Storm第1弾製品となったゲーマー向けATXミドルタワーPCケース，「CM Storm Sniper」の特別版で，AMDが提唱する「Dragon」プラットフォームをモチーフにしたモデル「CM Storm Sniper AMD Edition」，そして，また，SM Storm投入前に“ゲーマー向け”として展開されていた「HAF 932」の廉価版，「HAF 922」も展示された。

CM Storm Sniper AMD Edition。アクリルパネル部にはDragonプラットフォームでお馴染みの西欧ファンタジー的な竜が描かれている

HAF 922。シルエットはHAF 932とよく似ているが，側板にプリントされた文字が「HAF MINI」となっている点に注目。大型のCPUクーラーと，側板パネルに取り付けたファンが干渉しないよう，側板に押し出し加工が施されているのも特徴だ

HAF 932（写真左手前）と比較すると，HAF 922の背の低さがよく分かる

　HAF 932はExtendedATXをサポートするフルタワーモデルだが，HAF 922では，本体サイズが255（W）×588（D）×502（H）mmと，高さが60mmも低くなった（※幅と奥行きはわずかに増している）ことで，ATX対応となっている。
　また，HAF 932では230mm角ファンを前面と天面，側面に搭載するのが特徴だったが，HAF 922では前面と天面が回転数700rpm，公称動作音19dBAの200mmファン，背面は120mmファンを搭載，側板ファンは省略となっている。ただし，側板には200mm角ファン，底面には140mmまたは120mm角ファンを取り付け可能だ。

PCケースとは無関係だが，Cooler Masterは，95W出力に対応したスリムタイプACアダプタ「SNA 95」を展示していたので，写真を掲載しておきたい