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[TGS2005#49]記者歓談会で判明した「ラグナロクオンライン2」の新事実
ここでは,記者歓談会で判明したラグナロクオンライン2(以下,RO2)の新情報を中心に,同作の正体に迫ってみよう。
なお,9月16日に行われた"Gravity,GlobalPlayground"という発表会でも,RO2の概要や新要素が語られている。「こちら」でその内容をレポートしているので,本稿をスムースに読み進めるためにも,ぜひご一読を。
■「ラグナロクオンライン2」の"ROらしさ"とは?
記者懇談会で最初に提示されたRO2の話題は,「ラグナロクオンライン2の"ラグナロクオンラインらしさ"」についてだった。この点に関しては,日本でも100万IDを突破する人気タイトルの続編ということで,誰もが気になるところだろう。
発表会の記事(「こちら」)でもお伝えしたように,「ラグナロクオンライン」(以下,RO)とRO2には,世界観やストーリー性の直接的なつながりはない。ただし,モンスターやNPCなど,一要素としてはROから継承されるものもあるとのこと。RO2というゲームの雰囲気に(ビジュアル的,世界観的に見て)そぐわないキャラクターは登場させないという。
なお,世界観の関連性はなく,背景設定はまったくの別物となるようだが,"プロンテラ村"はRO2にも存在する模様。そして世界観に関しては,"北欧神話をベースにした"部分は共通するものの,RO2ではより文明が発達した"スチームパンク"的な世界が構築されている。
SF的であるというほどの変化でないことは,プロモーションムービー(「こちら」)や画面写真を見れば明らかだが,武器として銃器が登場することから,スチームパンクという用語が使われたのだろう(いわゆるSF的な要素として,蒸気を動力源とする飛空挺やロボットのような存在は登場するかもしれないが,基本的にはRO的なファンタジー寄りの世界観だ)。なので,「ROはファンタジーじゃなきゃイヤだ」という人も,さほど心配する必要はないだろう。
グラフィックスに関しては2Dから3Dへと劇的に変化しているが,3D化の恩恵により,キャラクター(アバター)性はROと比べても格段に高くなる。従来どおりの,着せ替えによるキャラクターの個性強化はもちろんのこと,服装によってステータスが変化するなどの二次的な要素にも注力しているようだ。
また,「ROと違い原作マンガが存在しないが,プレイヤーはRO2の世界観やストーリーについていけるのか?」という質問に対しては,「RO2の企画はもう何年も前から存在しました。ストーリーの骨子や世界観のアイデアなどは,すでに完成しています」と,RO2の世界観/物語に対する完成度をアピールし,「プロモーションの一環としての広告マンガは用意するかもしれないが,現時点では正式なマンガ/アニメ化の予定はありません」との答えが返ってきた。マンガ/アニメ化に関しては,RO2が正式サービス化され,成功といえるだけの会員数が集まれば,すぐに実現しそうな話ではある。
■3D化に伴い必要マシンスペックの変化は?
これに関しては,「必要動作環境を下げるためにクオリティを落とすということは,絶対にしません」との強気のコメントが返ってきたが,「オプション設定でなんとか対応したいと考えています」と,低スペックPCでプレイするユーザーに対しての配慮も見せた。
RO2が具体的にはどの程度のスペックで動作するのかは,現時点ではなんともいえない。ただ,「Pentium III/800MHz,GeForce 2程度のスペックでは物足りない」「メモリ 512MB以上,GeForce MX2以上のスペックはほしいところ」という話も出ていたので,少し古めのPCを使っている人は,そのへんを考慮して,マシンスペックの強化計画を立ててみるといいだろう。
■気になるサービス開始予定日は?
東京ゲームショウ2005のGravityブースで,大々的にプレイアブル出展されていたRO2だが,完成度は(意外と?)高いように見受けられた。ここだけを見れば案外早いサービスインも期待できるが,見えていない部分も多く,一概にはいえない。
歓談会でもリリース時期について話題に上ったが,「現時点では断言できませんが,最初は韓国,次に日本でのテストが予定されています。また有料化のタイミングに関しては,日韓同時ということも可能でしょう」との嬉しいコメントが聞けた。しかし,現時点では日本でのパートナー(パブリッシャ)が決定していないので,正式な調整はパブリッシャとの交渉次第になりそうだ。
日本でのパブリッシャといえば,やはりガンホー・オンライン・エンターテイメントが本命と思われるが,韓国メディアの記者からは,各種掲示板などでの評判を理由に,同社のパブリッシャとしての実力に疑問が投げかけられた。しかしRO2開発陣は,「ガンホーがどのような運営をしているのかはよく分からないが,Gravityにしたって,掲示板などではよく叩かれている。そういったオンライン上での評価を,そのまま鵜呑みにするようなことはない」と,ガンホー擁護とも取れる発言があった。だからといってガンホーがパブリッシャになると推測するのはさすがに早計だろうが,実に興味深い問答だった。
なお,クローズドβのタイミングについては,2005年末には開始したいという意向を明らかにした。また,できる限り完成度を高めてからクローズドβをスタートしたいとの発言もあり,その言葉を信じるならば,かなり完成系に近い形のRO2がプレイできそうだが,「クオリティアップのためのβテスト(および正式サービス)延期」という事態は,ファンとしては勘弁してほしいところ。
開発陣としての理想と,ファン達からの要望。そのどちらに比重が置かれるかも,正式サービス開始予定日を決定する大きな要因になりそうだ。
■ゲームプレイに伴うさまざまな問題について
開発陣が言うには,RO2は運営に適したMMORPGになっていて,ゲーム中に発生するほとんどの問題は,プレイヤー自身が解決できるようになるという。「GMに文句を言う回数も減るだろうし,GMや運営スタイルに問題を感じても,ゲームプレイに支障はないような状況にしたい」とも語っており,ゲームそのものの評価と運営スタイルは別の問題であるということを強調していた。
また,ROのレベル上げのつらさはどうにかならないのか,との質問には,「RO2は,ROに比べて快適なレベル上げが可能になっています。また,レベルを維持したまま転職できますし,ほかのジョブ(クラス)のスキルを継承することも可能なので,すべてのジョブのレベルをMAXにする必要もないはずです」との回答があった。ジョブチェンジの自由度の高さや,スキル継承システムなどのおかげで,まとまったプレイ時間が取れない人でも,それなりに楽しめる(強くなれる)ゲームになりそうである。
世界観/ストーリー的なつながりはなく,プレイするための必要スペックも高くなってしまいそうなRO2。ROファンとしてはちょっと残念に思えるところもあるだろうが,作品としてのクオリティは確実にアップし,またある面では「より優しいMMORPG」に生まれ変わりそうだ。
まだまだRO2の全貌はつかめず,現段階で評価を下すことなどできないが,文字どおり「生まれ変わるRO」として本作を捉え,今後の展開を見守っていきたい。(大路政志)
- 関連タイトル:
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