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[韓国ゲーム事情#577]韓国「新野球」裁判でコナミが敗訴に
韓国裁判所,「新野球」に対するコナミの訴訟を棄却(2006/7/21)
Text by Kim Dong Wook特派員
以前(といっても1年ほど前だが)「こちら」でお伝えした,オンライン野球ゲーム「新野球」に対してコナミが訴訟を起こした件で,7月20日にソウル中央地方裁判所から判決が下った。
同裁判所は,コナミが,新野球の開発元であるNeopleおよび運営元であるHanbit Softに申し立てた知的財産権の侵害訴訟に対し,原告請求の棄却判決を下した。
Hanbit Soft側は,ゲームにおける著作権の侵害について「その基準が明確ではない状況」を持ち出し,創作物についてより多角的な検討が行われるべきだとコメントしている。またスポーツゲームの場合,既存のルールを基盤に制作されるため,ゲーム画面や操作系統が多少似てしまうのは仕方のないことで,ゲームの内容に関してはまったくの別物だとアピールした。
原稿執筆時点では,裁判所から公式に判決文が開示されていない状態なので,どのような理由から棄却判決が下されたのかは明白でななく,Hanbit Soft/Neople側も,今後の具体的な展開を表明していない。コナミ側についても,まだ判決文が出されていないため,公式な対応は行っていないようだ。
なお,判決文が出されたあと,コナミが2週間以内に上級法院に控訴しなければ,棄却判決はそのまま確定されることとなる。
今回の判決により新野球が,日本や台湾などの野球人気の高い地域に輸出される可能性が高まってきた。しかし,古くからコナミの「実況パワフルプロ野球」シリーズを楽しんできた韓国のプレイヤー達からは,「パワプロに似すぎている新野球が海外でサービスされるのは,私達から見てもとても恥ずかしいことだ」との声が多く上がっている。
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