インタビュー
ドラゴンに乗れる! MMORPG「RAPPELZ」の大型アップデート「Epic 5」について,プロデューサーに話を聞いてみた
今回,それに先がけて韓国から来日した開発元NFLAVORのプロデューサー,イ・ウンショク氏に話を聞く機会を得た。アップデートの詳細や,それらの意図するところなどについて話を聞けたほか,Epic 5以後の展開もおぼろげながら見えてくる,興味深いインタビューとなっている。
Epic 5のポイントは新クリーチャー「ホワイトドラゴン」と
クリーチャーシステムの刷新
本日はよろしくお願いします。さっそく質問を始めますが,今回実装されるEpic 5は,大型アップデートとしては久々となりますね。
イ・ウンショク氏(以下,イ氏):
ええ,前回の「EPIC 4 REVOLUTION」(関連記事)の実装から約1年が経過しようとしています。これを機に,大型アップデートを毎年1回,マイナーアップデートを3か月に1回実施する計画です。
ちなみに「Epic 5:Dragonic Age」は,6月中旬に実装される“First Stage”と,7月下旬以降に実装される“Second Stage”に分かれています。Second Stageについてはまだ未確定の部分が多いので,本日は主にFirst Stageについてお話ししますね。
4Gamer:
分かりました。それではまず,First Stageの見どころについて教えてください。
Epic 5は,“Dragonic Age”というサブタイトルからも分かるように,ドラゴンをモチーフとする新エリア「Lost Island in a Veil」(失われた秘密の島)で展開していきます。その中でも大きなポイントとなるのは,新しく追加されるダンジョンとクリーチャーです。
4Gamer:
好奇心がくすぐられる名称ですね。このエリアに用意されているダンジョンは,どんなレベル帯のキャラクターを対象としていますか?
イ氏:
新ダンジョンは,レベル120〜150の高レベルキャラクターを対象とするもので,Epic 5全体で三つ用意していますが,First Stageではそのうちの一つが実装されます。
4Gamer:
今回追加されるダンジョンでの,プレイヤーの最終目標は?
イ氏:
新しいクリーチャーを獲得することです。今回追加されるクリーチャーは,レア級の「ケルベロス」と,ユニーク級の「ホワイトドラゴン」の2種類で,ホワイトドラゴンは初のユニーク級クリーチャーとなります。従来のものとは異なる要素を持った自信作なので,ぜひ実際に手に入れて使ってみてほしいですね。
4Gamer:
お。これまでのクリーチャーと異なる要素といいますと?
イ氏:
ユニーク級は,乗り物としての能力も備えているんですよ。
4Gamer:
ほう,乗れるんですか。それは楽しみです。では,クリーチャーとしての強さはどうですか。ホワイトドラゴンは,すべてのクリーチャーの中で最強と考えていいのでしょうか。
イ氏:
ええ,現時点で最強の魔法攻撃力を誇ります。
4Gamer:
強いだけでなく,乗り物にもなるというのはなかなか魅力的です。今後登場するユニーク級クリーチャーも,そういった特殊能力を持つことになるんですか?
イ氏:
そのようにする予定です。
4Gamer:
楽しみにしています。ところで,これまでRAPPELZを遊んできた経験からいうと,ホワイトドラゴンの入手には相当な困難が待ち受けているだろうと予想できますが。
イ氏:
そうですね。手に入れるのがどれほど大変か説明しましょう。
RAPPELZでは,レベルが同じモンスターでも,通常の“ノーマル級”,やや強めの“+級”,そしてかなり強い“++級”といった具合に,強さが数段階に分かれています。ホワイトドラゴンは,Epic 5で追加された“+++級”モンスターからドロップされるんです。
4Gamer:
それは確かに難しそうです……。
イ氏:
韓国では,Epic 5の実装から1週間ほど経過していますが,5月15日現在,ホワイトドラゴンやケルベロスを入手した人はいません。まあ,これからが本番といったところでしょう。
4Gamer:
今まさに,韓国のプレイヤー達が,新クリーチャー獲得を目指してがんばっているところなんですね。
クリーチャーをより個性豊かなものに
クリーチャーとは別にペットが登場
4Gamer:
それでは次に,クリーチャースキルについてお聞きします。インタビューの前に見せていただいた資料によると,従来のスキルツリーは仮のもので,Epic 5で正式なものに刷新されるとのことですが,これについての説明をお願いします。
これまでクリーチャーは種類こそ多かったのですが,さらに追加で開発するのが難しい状況でした。そこで今回,クリーチャースキルの内容を見直しました。クリーチャーのスキルツリーはある程度画一化されているように見えるかもしれませんが,個体差がなくなったということではありません。ステータスやスキルの効果などで差が出るようになっており,クリーチャーごとに変化付けも行っています。プレイしていただければ,その違いが分かると思います。
4Gamer:
クリーチャーの独自性が増すということですね。今後人気が出そうな,あるいは開発側としてオススメのクリーチャーがあれば教えてください。
イ氏:
そうですね,これまでのプレイヤーの動向から判断すると,バフ能力の高いオークや,防御力の高いトルタスが人気を集めていたようです。ただ今後は,クリーチャーごとに特徴を際立たせて活用の幅を広げていきますので,私達としてはすべてのクリーチャーをバランスよく使ってもらいたいですね。
あえて一つ挙げるなら,最新にして最強のクリーチャー,ホワイトドラゴンをオススメしますし,実際に人気も高くなるでしょう。
4Gamer:
そう来ましたか(笑)。ただ,高レベルキャラクターを対象とするホワイトドラゴンは,なかなか入手できるものではありませんよね。初中級者向けのオススメクリーチャーも教えてもらえませんか。
イ氏:
今回バランスを調整しましたので,どのクリーチャーも使いやすくなっていると思います。初心者向けなのは,比較的入手しやすい「イエティ」や,使いやすい「ブルーピクシー」ですね。中級者には「エンジェル」や,強力な火属性攻撃ができる「サラマンダ」が適しているかもしれません。まあ,今はまだ韓国でもクリーチャーの有効な使い方が試行錯誤されている段階ですから,今後プレイヤー間でさまざまな情報がやり取りされることになると思いますよ。
4Gamer:
クリーチャーはRAPPELZの核となる要素ですから,各クリーチャーの使い道を編み出したり,ほかのプレイヤーとその情報を交換し合ったりするのも,ゲームの醍醐味なんでしょうね。
ところで,Epic 5で「ペットシステム」が実装されますね。RAPPELZでは,クリーチャー自体がペットのような存在なので,ちょっと意外な感じを受けたのですが。
イ氏:
まず,ペットはクリーチャーと違って戦闘には参加できません。ペットにはいずれ,アイテムを拾う,隠された宝を探すといった,クリーチャーとは異なる役割を与える予定です。また,ペットは見ているだけでも楽しい,可愛らしいものを目指しています。
ペットシステムは,First StageとSecond Stageの2回のアップデートでひとまず完成となりますが,将来的には,例えば「たまごっち」のような,それだけでも楽しめるコンテンツにするというアイデアもあります。
4Gamer:
そう聞くと,いろいろと想像が膨らみます。それだけでもログインしたくなるような感じになりますね。では,ペットの入手方法を教えてください。クリーチャーと同じく,モンスターからドロップされるんですか?
イ氏:
ペットは有料アイテムとなりますので,手に入れなくてもRAPPELZそのもののプレイには支障ありません。ちなみに,ペットは当初2種類実装されますが,今後追加していく予定です。ちょうど今,どんなペットを追加するか検討しているところです。
気になるSecond Stage以降の展開
新たな乗り物「麒麟」を登場させて東洋的な要素を
4Gamer:
では,新ペットと同様気になるのが,Second Stageの内容です。確定していないことが多いとのことですが,可能な範囲でぜひ教えてください。
イ氏:
そうですね,まずSecond Stageでは,キャラクタークラス間のバランス調整を行うつもりです。これまで,クラスが違ってもプレイフィールに大差ないという指摘が寄せられていましたので,スキルを調整するなどして差別化を図っていきます。もう少し具体的にいうと,どのクラスもスキルがより強力になるはずです。
4Gamer:
なるほど。では追加される要素には,どんなものがありますか?
イ氏:
さきほどお話ししたように二つのダンジョンや,クリーチャー,そして防具などを追加する計画です。そのほか,全身分のアイテムを揃えると特定の効果が得られる「セットアイテムシステム」の実装も検討していますが,詳しくは今後あらためて公開していきます。
4Gamer:
分かりました。ほかに何か,今の段階で具体的に教えてもらえることがあれば,ぜひお願いします。
イ氏:
Second Stageでは,新たな乗り物である「麒麟」が登場します。
4Gamer:
麒麟といえば,中国の伝説上の生き物ですよね。その麒麟を登場させようと思ったのはなぜですか?
イ氏:
これまで私達は,主にヨーロッパの伝説を題材としてRAPPELZを開発してきましたが,今後は東洋的な要素を取り入れたいと考えています。そこでまず,麒麟を選んだというわけです。
4Gamer:
麒麟の入手条件や,アドバンテージとなる点を教えてください。
イ氏:
入手するための制限はとくに設けないつもりです。仕様についてはまだ確定していませんが,これまでの乗り物より移動速度が速くなると思います。
4Gamer:
ありがとうございます。麒麟についても,より詳細な情報を楽しみにしています。
日本でもうすぐEpic 5が実装されようかというタイミングでやや気が早いとは思いますが,Epic 5のあとの展開について,どのように構想していますか?
イ氏:
まず,当初から構想していた三次職の実装です。これは余力さえあれば,「Epic 6」に先がけて行いたいと考えています。また,ユーザーインタフェースを改良します。とくに,チャットやギルド関連でプレイヤーが不便に感じている部分を修正したいです。
また,PvPやRvRをどう扱うかも重要な問題ですね。対人戦は好き嫌いがはっきりと分かれるコンテンツですから,すべてのプレイヤーを満足させる対策はありません。ですから,もし対人戦を取り入れるにせよ,それを嫌っている人を巻き込まずにすむような環境を作りたいです。
4Gamer:
最後に,日本のRAPPELZプレイヤーや4Gamer読者にメッセージをお願いします。
イ氏:
日本のプレイヤーは,実装されたコンテンツすべての楽しもうとする傾向が強いです。例えば新マップが導入されると,隅々まで足を運んでくれます。その結果日本では,韓国やほかの国/地域では見つからないバグや不具合を発見し,報告してもらえることが多いです。
実を言うと,日本以外の国では,不具合を見つけるとそれを利用して自分だけ得しようとするプレイヤーが少なくないんです。その意味で日本のプレイヤーは,開発する側として本当にありがたい,感謝すべき存在です。これからも,貴重な意見や要望をお寄せください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
またインタビューの最後に,日本でRAPPELZをパブリッシングしているガーラのオンラインゲーム事業部 ゲームプロデューサー,根本和行氏にメッセージをいただいたので併せて掲載しよう。
インタビューにもありましたとおり,Epic 5という大規模なアップデートを,First Stage,Second Stageの2回に分けて実施します。私達は,日本のプレイヤーの皆さんにRAPPELZをより深く楽しんでいただけるよう,現在も韓国の開発チームと協議を重ねています。もう少しで全貌をお目にかけられると思いますので,楽しみにしてください。
RAPPELZは発展途上の作品であり,足りない部分を補強する作業と,新しい要素を追加する作業を並行して行っている状態です。そのため,アップデートのたびに「ほかのゲームと比べて変化が大きい」との意見をいただくことも多いのですが,その変化をより良い方向,より楽しい方向に持っていきたいと考えています。
また現在,GMイベントなどを積極的に開催しており,今後もプレイヤーの皆さんと一緒にゲームを作り上げていきたいです。これからもよろしくお願いします。
Epic 5は,韓国でも5月初旬に実装されたばかりであり,イ氏によればプレイヤーの反応は今のところまちまちとのこと。今まで強力なクリーチャーを持っていたプレイヤーからは失望の声も寄せられたようだが,その一方,プレイに対する新たなモチベーションを見出す人も多いそうだ。
オススメのクリーチャーについて質問したとき,どれか選ぶのは難しいといった表情を見せつつも,「全部です」と答えるイ氏の,自信に満ちた発言が印象的だった。
目前に迫るEpic 5や,その先に控えるEpic 6以降のアップデートにより,本作がどのような発展を遂げていくか,注目したい。
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