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[台北ゲームショウ#6]Webzenブースの見どころは,ビジュアルが大きく改善され,完成に近づく「一騎當千」
プレイアブルの状態で展示されていたのは,オンラインRPG「SUN(Soul of the Ultimate Nation)」と,「MU Online」(邦題 ミュー 〜奇蹟の大地〜),そして,未だ全貌の明らかでない三国志テーマのオンラインゲーム「一騎當千」だ。
この中で,今回最も注目すべきは,一騎當千だろう。プレイシーンを中心にしたプロモーションムービーを数台の液晶ディスプレイで流し,その倍くらいの数の試遊台が用意されている。全体に賑わっている中でも,一騎當千の試遊台の後ろには,いつも数人の待ちができている感じだ。
体験できたのは,もっぱらスキルを多用した戦闘という,このタイトルに関してはいつもの展開なのだが,ゲームの見栄えはChinaJoyのときとは一変し,ずいぶん三国志ゲームらしいディテールが備わってきている。
キャラクターをかなりアップで表示でき,鮮やかな色をした服のテクスチャやキャラクターの顔立ちなどを確認できるようになったのは,大きな進展だ。また,キャラクターのスキルには凝ったエフェクトが付き,以前の大味な外見から,着実に進歩しているのが感じられた。マップとしては,城の中や門,近在の村などが歩け,中国モチーフの建物や橋などのディテールは,当然ながら抜かりのない出来だった。
ビジュアルを一新させた一騎當千について,説明してくれる人を探していたところ,Webzen TaiwanのCEO 陳 瑶恬氏(Youtian Chen氏)に会うことができた。思ったより大物だったので,サービス日程などの話も聞いてみた次第だ。
同タイトルは中国の三国時代をベースにしたMMORPGで,中国を統一するのが究極のプレイ目標だ。ゆえにPvP,RvRに重点が置かれ,現在は未実装だが,クローズドβテストの段階では攻城戦,つまりプレイヤー達とNPC,あるいは多数のプレイヤー同士による領地の奪い合いも実装されるという。
試遊台に集まるプレイヤーの数を前提に,展示の手応えを聞いてみたみたところ,Chen氏は「台湾のゲーマーは,LineageのようなMMORPGを好んできたが,最近は少しずつこういった3Dアクションの人気も出始めています。こちらでも『真・三國無双』が大人気ですし,それになぞらえる声も聞かれました」と語ってくれた。
そして,台湾におけるサービス日程を聞いてみたところ,2006年7月に中華人民共和国と同時クローズドβ開始を予定しており,順調であれば8月にはオープンβテストが始まるとのこと。5月ごろという憶測もあっただけに,この率直な回答には少々驚いた。
また「台湾では通例,オープンβテストに2か月程度を見込みます」とのことだったので,2006年内の正式サービスという長期的な日程には,あまり猶予が残されていない計算になる。
一騎當千については,中華人民共和国,台湾に続いて韓国でのサービスが予定されているが,気になる日本での展開の可能性についても,見解を聞いてみた。するとChen氏の答えは「運営を担うパートナー企業を探すと同時に,もしかしたらWebzenが直で運営会社を設立する可能性も」という,具体論に踏み込んだ,この場での質問と回答としては,相当に意外なもの。
さすがに一騎當千の国内サービスが決定しているわけではないようだが,Webzen Taiwan CEOの口から,パートナー企業(=日本国内のパブリッシャ)に任せる以外の選択肢が出るということは,Webzenの日本進出が,かなり本気で検討されているということではないだろうか。一騎當千もさることながら,Chen氏の言葉の真意が,どこで明らかにされるのかにも注目しておきたい。(ライター:麻生ちはや)
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