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ララ再び。ズー,「トゥーム レイダー:レジェンド 日本語版」を9月28日に発売
1996年「Tomb Raider」の主人公として登場した冒険家ララ・クロフトは欧米ゲーム界に旋風を巻き起こした。シリーズ新作が登場するたびにヒットを記録し,彼女は社会現象ともいえる盛り上がりと共に,ゲーム業界最大のアイドルに成長したのだ。シリーズ販売実績は全世界で累計3000万本以上と言われている。
だが,ポリゴンによって描かれたキャラクターが当たり前になるにつれ,シリーズは迷走を始める。難しすぎるパズルやアクションが嫌われ,レスポンスの悪さや作り込みの甘さなども問題となり,彼女の人気は下降線をたどっていく。たび重なる延期の末,ララの大胆なイメージチェンジを図って作られた「Tomb Raider: Angel of Darkness」(2004年)は,従来作のファンからもそっぽを向かれる結果に終わってしまった。そしてついには,シリーズ従来作をパブリッシングしていたEidos Interactiveが経営不振に陥り,同業のCSi Entertainmentに身売りするという事態を招いてしまったのだ(関連記事)。ララはもう,過去の女になったのだろうか?
……そんな状況を打破したのが,欧米で2006年に発売された「Lara Croft Tomb Raider: Legend」なのである。
レジェンドの物語はこうだ。ボリビアで遺跡を調査していたララは,突然ジェームス・ラトランドとその一味に襲われる。ここで終わるとゲームも終わってしまうため,からくも危機を脱した彼女が調べを進めると,ジェームス一味は伝説の宝剣“エクスカリバー”を狙っていることが分かる。しかも,ジェームスの背後には,ララの旧友で死んだはずのアマンダ・エバートの存在があったのだ。かくして,アマンダとエクスカリバーの謎を追い,彼女は雪のカザフスタン,ペルーのジャングルに眠る古代遺跡,ビルが建ち並ぶ東京など,世界を股にかけての冒険を繰り広げるのである。
レジェンドの大きな特徴の一つは,シリーズの過去の話の大部分が「なかった」ことになっている点だろう。シリーズを重ねるうちにだんだん複雑になっていったストーリーを,いっぺんバッサリ精算し,生まれ変わったララ・クロフトとして再デビューしたのだ。
もっとも,貴族の家柄であることや,執事のウィンストンといったおなじみのメンバーなど,ごく基本的なところは従来作と一緒なので,従来作のファンも安心して大丈夫。
デベロッパは,シリーズ従来作を制作していたイギリスのCore DesignからカリフォルニアのCrystal Dynamicsに変更され,初代Tomb Raiderでララのデザインを担当したトビー・ガード氏が再び起用されて新生ララのデザインに当たっている。
もちろん,格段に進歩したグラフィックスも見どころであり,ポリゴンの数を「ひとーつ,ふたーつ」と数えられそうだった初代Tomb Raiderに比べ,お肌ツルツルでしなやかになったララを姿を見られるのである。背景となるステージやオブジェクトの作り込みなどもかなり細かく,見ごたえがある。
こうした大胆な作り直しによってレジェンドは世界中で大ヒットとなり,ララは再び我々の前にその凛々しい姿を見せてくれたのだ。うーん,よかった。欧米では,初代Tomb Raiderを最新のグラフィックスエンジンでリメイクした「Tomb Raider: Anniversary」がすでに発売されており,こちらもなかなか高評価を得ている。
これまでトゥームレイダーには興味があった,名前は知っていたが英語版なので遠慮していた,という人はこれを機会にぜひ生まれ変わって帰ってきたララ・クロフトをプレイしよう。(松本隆一)
- 関連タイトル:
トゥーム レイダー:レジェンド 日本語版
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Lara Croft Tomb Raider: Legend(C)Eidos Interactive Limited, 2005. Developed by Crystal Dynamics, Inc. Published by Eidos, Inc. 2005. Lara Croft Tomb Raider: Legend, Lara Croft, Tomb Raider, the Tomb Raider logo, Eidos and the Eidos logo, Crystal Dynamics and the Crystal Dynamics logo are all trademarks of the Eidos Group of Companies. All other trademarks are the property of their respective owners. All rights reserved.