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「GTA:San Andreas」の性描写問題,まだまだ拡大中
このところの「Grand Theft Auto:San Andreas」(以下GTASA)をめぐるアメリカでの動きはかなり過熱気味で,このほども,14歳の孫のために購入したGTASAに,過激なアダルトコンテンツが隠されていたとして,ニューヨークに住む85歳の女性がゲームを開発したRockstar Gamesと販売元のTake-Two Interactiveを相手に訴訟を起こした。
ことの発端は当サイトの連載「奥谷海人のAccess Accepted」の第40回(「こちら」)で説明したとおりだ。GTASAに過激なアダルト描写が隠されていて,一プレイヤーが作成したMOD「Hot Coffee」を導入すると,その描写を鑑賞できてしまう。
これだけでも十分騒がれていたのだが,なんとこの過激なアダルト描写がプレイステーション2版にも隠されていたことが分かり,一気に問題が爆発してしまった(もちろんプレイステーション2版にはMODを導入できないので,通常は見られないが,内部データとしては存在していたらしい)。
最近では,ゲームにつけられていたレーティングが,M(17歳以上)からAO(19歳以上)へと引け上げられたほか,クリントン元米国大統領の夫人で,国会議員のヒラリー・クリントン氏が,ゲームでの暴力とセックス表現の規制について動き始めるなど,米国全土を揺るがす大騒動に発展している。
どうやら,米国のいわゆる"良識ある人々"が,今回の騒動を契機として,ゲームでの暴力やセックスの表現に対して,一気に大きな規制をかけようと攻勢に出てきているように思えるほどである。
販売元Take-Two Interactiveでも,ゲームのテレビCMを取りやめるなど騒動の収集に躍起となっているようだが,今回の騒ぎはそう簡単には収まりそうもない。
神奈川県による「グランド・セフト・オート III」有害図書指定の件が記憶に新しい日本でも,こうしたアメリカの動きに便乗した規制の動きが出てくる可能性は否定できず,対岸の火事と楽観してはいられない。
一連のGTASA騒動は,今後のゲーム開発にも大きな影響を与えることになりそうで,どのように展開していくのか気になるところ。今回の騒動を契機に,ゲームに大きな規制がかけられ,「GTASA事件」としてゲーム史に残ってしまうのではないかという危惧の念がぬぐえない。(朝倉哲也)
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Grand Theft Auto: San Andreas
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