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第二次大戦RTS「コードネーム:パンツァーズ 〜フェーズ2〜」をプレイ
今回紹介する「コードネーム:パンツァーズ 〜フェーズ2〜」は,3月24日にズーから発売が予定されている,第二次世界大戦の「北アフリカ戦線」を題材にした3DタイプのRTS。前作「コードネーム:パンツァーズ」は世界で100万本のセールスを記録したというヒット作で,第2作は新キャンペーンと,それに伴う新ユニットの収録が一番の見どころ。“夜間のライト点灯”など,細かい新要素の追加もある。
本シリーズは人物に焦点を当てたオリジナルストーリーと,見事な動きを見せる緻密なグラフィックスがウリ。資源採取やユニット生産の概念はなく,プレイヤーは局地戦の操作に専念できるため,RTS特有の忙しさに不慣れな人でも手軽に兵器同士の戦闘を楽しめる。
操作方法などの基本システムは,一般的な3D系のRTSタイトルに準じている。つまり左クリックやドラッグでユニットを選択し,右クリックで移動/攻撃を行うスタイル。マウスホイールでの拡大縮小や,マウスボタンでの左右同時押し+ドラッグでカメラワーク変更など,操作面で戸惑うことは少ないだろう。
本作はシングルプレイが充実しており,合計20本のミッションで構成される「キャンペーン」と,戦闘環境を自分で細かく指定できる「バトル」の二つが用意されている。「枢軸軍」「連合軍」「パルチザン」の3本が収録されているキャンペーン(パルチザンはほかの2本のコンプリート後に出現)は,それぞれ異なったストーリーベースで進行し,登場人物達が織りなすドラマ仕立てのムービーがふんだんに盛り込まれている。第二次世界大戦の予備知識がなくとも,置いてきぼりになることはまずないだろう。
マルチプレイに関しては,LANとIP直打ちによる接続方法と,GameSpyによるマッチングサービスがサポートされている。今回の記事ではシングルプレイを見ていくので,対戦ファンの人は悪しからず。
■枢軸軍キャンペーン第一章「シディ・バラニ」に挑戦
それでは早速,枢軸軍のキャンペーンに挑戦してみよう。本作ではキャンペーンを通じてストーリーが一貫しており,枢軸軍の場合だとグラツィアーニ隊の士官「ダリオ・デ・アンジェリス」の視点で展開していく。
導入部のストーリーは,ダリオの兄で優秀な軍人の「セルジオ」が,飛行機事故で消息を絶つところから始まる。セルジオの安否を気遣うダリオは捜索隊を編成して,墜落現場へと向かうというのが,ミッション第一章の大まかな内容だ。
シングル用キャンペーンにおいては,ストーリーを担う重要人物が「英雄ユニット」として登場する(固有名がついている)。英雄ユニットは,ほかの同型ユニットよりも能力値が高いのはもちろんのこと,ストーリー上の重要人物なので,生存させることがミッション達成の必須条件となる。「ウォークラフト III」のヒーローユニットのような,一人で形勢逆転といった極端な能力はないものの,戦闘時の要となる存在に変わりはない。
枢軸軍のミッションには,英雄ユニット「ダリオの生存」という条件と,3タイプの「目標」が用意されている。メインとなるのは「主要目標」で,今回はセルジオの安否を確かめること。次は「補助目標」で,クリアに必須ではないものの,達成するとボーナスで「名声ポイント」を獲得できる(名声ポイントの用途は後述)。最後の「極秘目標」は厄介で,達成するまでヒントが一切分からないのだ。
■ただ攻め進むだけではないミッション内容
まずはダリオ隊を操作し,主要目標のために飛行機の墜落現場とおぼしき場所へ向かうことにする。ダリオの部隊は,戦車,歩兵,そして修理車両といった構成。火力と装甲に関しては戦車が最も強力なのはいうまでもないが,これを先頭に進軍させればいいというものではない。まずは,視野の広い歩兵ユニットで偵察を行わせるのが正解だ。
偵察を行ってみると,連合軍の車両部隊が視認できた。この時点では,相手はまだこちらの存在に気づいていないので,慎重に戦車で包囲網を作り,一斉放火! この場合,不意討ちに近い形で強襲するため,自軍の被害はほとんどゼロだ。それでも受けてしまったダメージについては,修理車両などで補修できる。このように,慎重に進む限りはユニットを失う心配がほとんどなく,初心者にも優しいRTSだ。
画面写真を見てもらうと分かるが,マップの中央部には大きな山脈が位置し,その東西に2か所のオアシスがある。オアシスには連合軍が駐屯しているので,熾烈な戦いが繰り広げられる。そして困ったことに,ちょうどこのあたりで戦車の弾数が底を尽きてしまうのだ。いかに戦車といえども,弾がなければただの鉄の塊である。
少々ネタばれになってしまうが,マップをよく見ると山脈の間に抜け道があって,その奥には連合軍の補給所がある。ここを強奪すれば,戦車の弾も補給できるのだ。ちなみにヒントの類は表示されないが,この補給所強奪が本ミッションの「極秘目標」に相当する。この補給所の存在に気づくかどうかが,ミッション遂行の分かれ目となってくるわけだ。
オアシス制圧のあとは,飛行機の墜落現場へと到着するが,セルジオの姿は見当たらない。しかし,いくつかの足跡が墜落現場から近くの高台へと続いているのを発見する。そして足跡を追って行った先には……。と,ここで最初のミッションは終了。枢軸軍はこのようにして,ダリオ視点で一連のストーリーを追っていく展開となる。
■RTSの初級者・上級者にかかわらず広くお勧め
ミッションをクリアしたら,次へと進む前に「司令部」という画面へ移る。ここでは,先述した「名声ポイント」を消費して,新たなユニットを追加購入できるのだ。
また,ユニットの生産という要素はないが,登場するユニットは経験値を獲得し,次第にレベルアップしていく。レベルアップによって攻撃の威力や可視範囲などが伸び,より戦いやすくなるのだ。
古い兵器はどんどん処分して新しい兵器と買い替えていってもいいし,古参の兵器を積極的にレベルアップさせ,大事に育てていってもいい。自軍の陣容はミッションによって固定ではなく,ある程度自由に編成できるのが面白い。
人物を主体としたオリジナルストーリー,頭で映像を補完する必要がないほど描き込まれたビジュアル,決着がつくまでに10秒前後かかる歩兵ユニット同士の銃撃戦など,本作は全体的にライト寄りのゲームデザインである。第二次大戦モノのRTSは,モノによっては初心者には手も足も出なかったりするが,本作は誰でもRTSの楽しさを満喫できるだろう。
なお,RTS上級者が本作を楽しめないというわけではなく,難易度は初級から上級までの3通りから選べる(今回は初級でプレイ)。また各ユニットは多彩な動かし方が可能で,戦術の幅はさまざまな可能性を秘めているので,同じミッションでもクリア方法はきっと何通りもあるはず。また本作の緻密なグラフィックスは,コアな軍事ファンをも唸らせるはずだ。
ある意味,“もとから好きな人”以外には最も手を出しづらいジャンルといえる,第二次世界大戦RTS。その中で,本作は万人にお勧めできる安心作だ。(ライター:川崎政一郎)
- 関連タイトル:
コードネーム:パンツァーズ 〜フェーズ2〜
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