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[TGS2005#36]”一生の恋人”に出会えるMMORPG「飛天歴険」
SOFTSTARには,1990年から続く「軒轅剣」という人気RPGシリーズがある。シリーズ作品としては,タイトルの後に連番のついた本編がIVまでリリースされており,外伝や派生作品を含めると10作以上のタイトルが存在する。この「軒轅剣」シリーズのオンラインゲームである「軒轅剣オンライン」が発売されたのが,2002年の8月。今回展示されていた飛天歴険(ひてんれきけん)は,その「軒轅剣オンライン」の"2"にあたる。
台湾では先ごろオープンβテストが終わり,この9月6日にアイテム課金モデルでサービスを開始したばかり。中国,香港での運営も決定しており,シンガポールでも正式サービスが行われることが決まりつつあるという。なお中国では現在クローズドβテスト中で,10月にはオープンβテストが開始されるとのことだ。
さて,気になる日本での展開だが,すでに複数のパブリッシャと交渉に入っており,その感触から言えば,日本でサービスが行われることはほぼ確実であるとのことだった。
とまぁ,日本に住む人にとっても,今後ライトユーザー向けMMORPGの選択肢の一つとなるであろうこの飛天歴険について,紹介しよう。
飛天歴険は,中国の歴史や神話を題材としたいわゆる"武侠もの"のMMORPGだ。本作の中では"世界は12枚の鏡でできている"ことになっている。それぞれの鏡の中には独特の特徴を持った世界が広がっており,プレイヤーはその鏡の中の世界を冒険するという舞台設定である。現在台湾バージョンに実装されているのはその中の一つの世界のみで,残りの11の世界は今後どんどん拡張されていく予定だそうだ。
選択可能な種族は,弱点もないが突出した長所も持たないオールマイティな「人族」,強い力を持つ「修羅」,知識が豊富で霊力の行使に長けた「天人」,素早さが自慢の小柄な種族「鏡童」の4種類。職業としては"剣客" "刀客" "傭兵"といったファイター系,"猟人" "盗賊"といったスカウト系,"道師" "陰陽師"といったスペルキャスター,ヒーラーとしての"医師",音楽で味方を強化する"楽士",ダンスで敵を弱体化させる"踊り子"などさまざまなものが用意されている。
ユニークなものとしては"養虫師"という職業があり,彼らは虫から抽出した毒の使用に秀でるほか,相手の身体に虫を使ってダメージを与えることもできるという。
武侠ものらしい仕様としては,"宿命システム"と呼ばれるものが実装される。これはキャラクター作成時に誕生日や干支を設定することで,ゲーム内にすでに存在する他PCと強制的にある関係が成立させられるという実に面白い仕組みだ。これはつまり,自身の力では避けられない"運命"を表現しているのである。
設定される関係には「一生の恋人」「宿命の敵」「運命の家族」といったものがあり,これらはログイン後すぐには判明しない。「一生の恋人」であれば本人同士がゲーム内で近づくとハートビートが聞こえはじめ,近づくほどにその音が高まっていく。そしてお互いが存在とその宿命を確認し,キャラクター同士が恋人関係を結べば,モンスターと戦うときに強力な「恋人関係技」が使用可能になるということだ。
「宿命の敵」同士が近づいた場合には,ハートビートではなく,警戒音が聞こえてその存在を感知できる。そしてこの宿敵同士だけは,PvPが不可能なエリアでも特例的に互いを攻撃し合うことが可能だという。「運命の家族」とは,武侠世界で言うところの"義兄弟"のことを指しているようだ。
ペットを連れて歩ける機能も面白い。5種類存在するペットは,入手するとプレイヤーの後ろをついてくるようになり,戦闘時にはPCをサポートしてくれる。
ペットもPCと共に戦いを経験する中で成長していき,最終的には騎乗が可能になるようだ。また,通常の5種類以外にも特殊なアイテムを使ってモンスターを捕獲し,それをペットとすることもできる。ただ,こちらはあまり手軽ではないので,やり込み要素として用意されているとのことだ。
なおこのペットは,動物タイプのものだけではない。例えば,人間型のペットを連れ歩くこともできるのだ。現在台湾バージョンで最も人気のあるペットは「少女恋恋」という女の子で,彼女は戦闘時に「萌えビーム」を発射するという。いや,本作について説明してくれたSOFTSTARの林維泰氏が本当にそういうのである。「ぜひ見てみたい」とお願いして,発射シーンを実演してもらった。確かに,ビームのようなものを発射して敵を攻撃している。だが,それのどこが「萌え」なのかは,今一つ分からなかった。今後のバージョンアップに期待したいところだ。
また,キャラクター作成時に,キャラ削除用のパスワードを登録するようになっていたのも気になった。台湾では,ログイン用のアカウントとパスワードを盗まれてしまうという事例が数多いために,このような機能を実装したのだそうだ。
細かいところでは,「マイクロソフト ダンジョン シージ」のように,エリアマップを直接クリックすることでも移動が行える機能が,とても便利そうだった。エリアマップは半透明にすることもできるので,自分の姿が隠れてしまうこともない。自動的に障害物をよけるようなことはまだうまくできないらしいが,パスファインドの機能は今後強化したい項目の一つだという。
さて,興味深い仕様を中心にざっと紹介したが,今回のプレイでは,これら以外にもひととおりの機能を試し,ひととおりのウィンドウを開いて見ることができた。インタフェース周りに,操作の障害なるようなまずいデザインは見当たらず,むしろよくまとまっている印象だ。キャラクターモデルの可愛らしさは,もちろん人によって好みはあると思うが,個人的にはかなり質の高いものではないかと感じた。画面には奥行き感があり,3D世界に立っているのだと実感できて気持ちがいい。技術の面では,現在日本で正式サービスが行われている平均的なMMORPGと比べても,一段階上のクオリティを持っているのではないだろうか。日本でのサービス決定がアナウンスされるのもそう遠い話ではないと思われる本作の,続報を耳にするのが楽しみである。
ちなみにSOFTSTARでは,日本語で本作の紹介が読めるWebサイト(「こちら」)をすでに用意している。興味のある人はチェックしてみるといいだろう。(ライター:星原昭典)
- 関連タイトル:
飛天オンライン〜第三の季節〜
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