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「サドンアタック」公式ネットカフェ大会「SANCC」をレポート。今後は月2回ペースで積極的に大会の開催を予定
また,ネクソンへ移管されたあとのSAコミュニティの現状と,今後の大会運営について,ネクソンマーケティングチームの坂下智久氏へ質問してきたので,それも併せてお伝えしよう。
80人以上が集まった東京大会
見事優勝したのはチームKRV
28日のSACNN東京大会は,東京・代々木の漫画喫茶 ワイプ代々木北口店にて行われた。会場は,スクリーンで観戦と実況,解説が楽しめるメイン会場と,入り口脇のやや狭いオープン席を使ったサブ会場の2つに分かれていて,大会はこれらの会場で1試合ずつ同時進行されるという形式で進められた。
来場者の年齢層は高校生以上が多かったように見えたが,印象的だったのは女性の来場者もそこそこ見受けられた点。FPSといえば女っ気とは無縁というイメージを強く持っていた筆者としては,なかなか興味深い光景だった。なお大会の様子はUstreamにて配信されていたが,そちらの総視聴者数も5000人弱と,結構な人数が観戦していたようだ。
トーナメントは2つのブロックに分けられ,ブロックごとにメイン会場とサブ会場に振り分けられて試合を行っていたため,スクリーンに映ることなく敗退していったチームもいたのはやや残念だったが,時間と会場側の都合を考えて手早く大会を進行させるためには,やむを得ないことだったのかもしれない。一応,サブ会場側のブロックの試合も,準決勝の手前からはメイン会場で行うなどの配慮はとられていた。
試合のルールは,1チーム3人のチームデスマッチ形式で,時間制限は10分。マップはウェアハウスで,決勝のみじゃんけんで勝利したチームが選択権を得るというもの。チーム陣営の選択権もじゃんけんによって決められていた。ゲーム内で使用できるアイテムはInfinityを除くすべてが使用可能。「ドライバインストール後にPCの再起動が必要なものは禁止」などの制約こそあったが,マウスやキーボードといったデバイスの持ち込みが可能だったのは,参加者にとってうれしいポイントだ。
試合の内容については,筆者がメイン会場で観戦した試合に関しては接戦となる試合が多く,どちらが勝つか読めない展開が目立った。最も記憶に残った試合は,クランNabDに所属するMatcha氏が率いるチーム「おだじゅん」の試合で,3人全員が試合中に叫びまくったり,チームメイト同士で喧嘩したりと,笑いを誘うだけ誘ったあと,1回戦で敗退していったのは,とにかくインパクトがあった。
そのほかにも,普段あまり見かけない武器を使って活躍するプレイヤーがいたり,実況のyukishiro氏と試合中に掛け合いをしたりと,勝利を度外視してもゲームを楽しもうという姿勢を持った参加者が,複数見受けられたのは面白い部分だと思う。
マップ構造的には,3vs.3で遊ぶにはやや広いため,相手の裏を取る戦術が有効という解説のとおり,両チームとも固まって動きつつ,相手の裏の取り合いが続く。序盤から終盤までKRVが若干のリードを保ったまま,スコア差が開かないジリジリとした展開が続いたのち,残り3分を切った時点で一瞬BTH側がスコアで追いつくも,そこから再度KRVがリードを広げて見事勝利を収めた。
チーム「KRV」 |
チーム「BTH」 |
最終的な順位は,優勝:KRV,準優勝:BTH,3位:Ciel Arc。これらのチームには賞品として,ゲーム内アイテムの数々やNEXONポイント,そして表彰状が手渡され,その勝利を来場者全員から讃えられた。
先月に続き2回目となるSANCCだが,開催数の割に運営・進行は終始安定しており,参加者的にも不満のない大会になったのではないだろうか。ただ小規模イベントだから仕方ない点はあるだろうが,チームデスマッチの試合だと,勝敗を分かつターニングポイントとなるシーンが観戦していて分かりづらかったりして,若干のめり込みづらい印象を受けた。そのあたりに何らかの対策を講じてほしいと個人的には感じた。
少人数での爆破ミッション大会なども,また違った盛り上がりを見せそうだが,ともあれ,開催を重ねていくうちに,見ている側もより楽しめるイベントになっていくことを期待したい。
なお,大会の空き時間に,サドンアタックコミュニティの今とこれからについて,ネクソンマーケティングチームの坂下氏に簡単なインタビューを行ったので,その内容も掲載する。話を聞くと,今後の大会開催にかなり積極的な様子で,地方でのイベント開催も毎月行いたいそうだ。サドンアタックプレイヤーは,今後ますますの隆盛に期待してよさそうだ。
4Gamer:
大会は盛況ですね。けっこう若いプレイヤーも参加しているようですが,最近のサドンアタックのコミュニティの動向は,どういった感じでしょうか。
坂下智久氏(以下,坂本氏):
ネクソンに移管してから,ネクソン特有の若年層ユーザーが増えましたね。CMも積極的に放送していますので,新規のプレイヤーは増えています。はっきりした数字は言えないんですが,同時接続数はオンラインFPSではトップレベルかと思いますよ。いろいろな面で,好調です。
4Gamer:
最近になって,ネクソン主催で小規模大会を複数行うようになりましたよね。そのような方針に至った理由は?
坂下氏:
弊社にはサドンアタック以外にも,「カウンターストライクオンライン」というFPSタイトルがありますが,そちらはどちらかというと,ゾンビモードなど協力プレイが主流なこともあり,大会というものをそんなに意識してはいなかったんですね。
ただ,サドンアタックに関しては,移管前から大会が盛んに行われていましたし,年に数回の全国大会以外にもやっていこう,ネクソンの得意とする広告戦略だけでなく,コミュニティを活性化していくこともやっていこうという方針になりました。
4Gamer:
たしかにプレイヤーからすれば,コミュニティが活性化しているほうが,プレイヤー同士で情報交換したりして,上達の近道にもなりますし,メリットは大きいですよね。
坂下氏:
クランに加入しているような方ですと,ネットだけでなく,オフラインで有名なプレイヤーや同じゲームをしている人と会うのが楽しいみたいです。最初は「地方のネットカフェでイベントをやっても人が集まるのかな」と不安に思っていましたが,昨日のSANCC大阪大会も70〜80名,22チームに参戦していただき大盛況でした。これからも続けていきたいですね。
4Gamer:
そうですね。サドンアタックがネクソンに移管される時に,プレイヤー側から「大会をやってくれなくなるんじゃないか」という不安の声が上がっていましたが,現状を見ると,そういった懸念は杞憂だったようですね。
坂下氏:
逆に,ネクソン運営のほうが大会が多いと言われるくらい,頑張ってやろうかなと(笑)。
震災の影響で,前回のSACTLは5月にずれこんでしまいましたが,8月にはオンライン大会SAOMTの決勝も行いましたし,SACTLは10月後半くらいから予選を行い,12月にスケジュール通り決勝を行えるよう取り組んでいます。今回は参加枠を768クランに拡大予定です。
ネットカフェ大会も月に2回,東京+地方で1回ずつ行っていきます。会場となるネットカフェとの調整もあるのではっきりとは言えませんが,地方開催に関しては9月は長野,10月は福岡,11月は仙台で行う予定です。仙台は地震の被害がまだ残っていますが,だからこそ行こうと思っています。店舗さんのほうから,ぜひ来てほしいとおっしゃってくださることも多いですし。
4Gamer:
月に2回ですか……大会開催にかなり積極的ですね。これからも大会をバンバン開いて,FPSコミュニティを盛り上げていただきたいです。
坂下氏:
地方のプレイヤーさんとネットカフェの活性化のためにも,頑張ります。yukishiroさんのような有名人を地方に連れていくと,それだけで喜ばれますし。期待していてください!
4Gamer:
ありがとうございました。
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