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ロックワークスの隠しダマ「天上碑外伝」インタビュー
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印刷2006/05/08 23:52

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ロックワークスの隠しダマ「天上碑外伝」インタビュー

右からロックワークスの日本語版プロデューサー橋本直也氏,通訳をお願いしたロックワークスのAn Soonhee(アン スニ)氏,Hi-Win GEO & President Yu Haing-Jong(ユ ヘン ジョン)氏,プロデューサーJu Hyeok-Hwan(ジュ ヒョク ファン)氏,開発エンジニアYoon beom-Goo(ユン ボム グ)氏
 新作発表会でロックワークスが隠しダマ的に発表したのが,この「天上碑外伝」の日本サービスだ。4Gamerでは「神話Online」として紹介したこともある,Hi-Winの新作である。
 発表会で来日していた開発元Hi-WinのCEO Yu Haing-Jong氏にゲームの概要を,日本版のプロデューサーである橋本直也氏に国内での展開について話を聞いてみた。


4Gamer(以下4G):
 本日はよろしくお願いします。さっそくですが,このゲームは,韓国で「神話Online」のタイトルでリリースされていますが,どうして日本語版では「天上碑外伝」となったのでしょうか?

Yu Haing-Jong氏(以下Yu氏):
 もともと天上碑は,「人間の中で最も強い存在を作るためにどうすればいいか」をテーマとして作成していました。天上碑自体は武力で最強を目指すゲームだったのですが,天上碑外伝は神話をベースとして同じものを目指しています。韓国ではすでに「神話」の名前が知れ渡っているので,そのまま正式名称としました。日本では天上碑外伝というほうが適切だと判断しました。

4G:
 四つの神話ということですが,中国,エジプト,ギリシャ,北欧の4種類を選んだ理由はなんでしょうか?

Yu氏:
 いろんな神話のなかでも,もっともポピュラーは神話ということで選びました。

4G:
 エジプトを題材としたゲームはかなり珍しいと思うのですが?

橋本直也氏(以下橋本氏):
 それもかなりユーザーさんの興味を引く部分だろうと思います。4大文明とかいいますと,チグリス,ユーフラテスとかになってしまいますが,それでは馴染みが薄いので,この4種類はよい選択ではないかと思います。

4G:
 なるほど。キャラクターのクラスはそれぞれの文明で異なってくるのでしょうか?

Yu氏:
 はい。文明ごとに違います。



 このあたりは資料を参照しないと分かりにくいので,ざっと解説しておこう。
 天上牌外伝のベースとなる四つの神話世界は,

  中国・ギリシャ(太世連合)
  北欧・エジプト(新生連合)

の2大陣営に分かれている。最終的には2大陣営での戦いとなるようだ。キャラクターはどれも最初は「旅人」だが,文明ごとに違う種類の職業となる。

  中国:戦士系
  ギリシャ:魔法使い系
  北欧:盗賊系
  エジプト:呪術師系

 それぞれでさらに転職をして,戦士系なら攻撃型と防御型に分かれるなど,最終的に20クラスとなるという。文明ごとにだいたいの役割は決まっているようだ。中国・ギリシャ組はTank,Attacker,Healer,Nukerとバランスよく分化するように見えるが,北欧・エジプト組はどうも変則的な構成になりそうだ。



天上碑外伝のロゴの構成を示す図。4大文明のシンボルを組み合わせている
 それぞれの文明は,それぞれの街からスタートするということなので,当分の間は同じクラスだけが集まった街で暮らすことになりそうに思えるのだが……。

4G:
 それぞれ始まる街が違うのだと思いますが,どれくらい離れているのでしょうか?

Yu氏:
 テストした結果では,近く感じる人と遠く感じる人がいるみたいです。

4G:
 なんか,中国とギリシャと聞くと,すごく遠そうな気がするのですが?

Yu氏:
 実際のゲームでは,そこまで遠いわけではありませんよ(笑)。

橋本氏:
 現実の世界地図とはあまり関連がないと考えてください。

4G:
 キャラクターを作っても,自分の連合相手には当分出会えないものでしょうか?

橋本氏:
 それほど「当分」というわけではないですね。まあ,普通に出会えるくらいの距離です。

 ということでいま一つ分かりづらい答えではあるが,まずは一安心だ。

■Novelを構成するクエスト群

 さて,本作品のウリはクエストである。クローズドβテストの段階で,すでに300本程度が実装されているという。クエスト結果は「本」の形で保存されることから,MMORPGではあるが,ロックワークスではあえて「Online RPG Novel」というジャンルに位置づけている。
 
4G:
 クエストには分岐が多くあるということですが,一方に進むと,もう一方側のクエストはもうできないものなんでしょうか?

橋本氏:
 いまの段階では詳しく言えないのですが,一度どちらかの道に行くとほかは絶対できないとか,そう堅苦しく考えなくても結構です。アドベンチャーゲームのように,片方を試して,もう片方といったこともできます。確かに,これをやると絶対にこっちはできない,という種類のクエストも存在しますが。
 できるだけプレイヤーのみなさんに楽しんでもらうために複数のルートを用意するというのは,この作品の基本コンセプトにもなっています。

4G:
 その結果が「本」になるというのが,実はいま一つよく分かりません。



橋本氏:
 クエスト履歴で,本のようなインタフェースが用意されているんですよ。そこに神話をベースとしたクエストの結果が書き込まれていくということです。ほかの作品だと,題名と報酬が羅列されているだけのものも多いのですが,それを見てもキャラクター独自のものは入ってないと思うんですよ。それをあとから読み返しても面白いものにする,自分のキャラクターの成長記録のようなものにします。

4G:
 基本的にはテキストですか? 絵が入ったりしますか?

Yu氏:
 絵もテキストも入りますよ。

4G:
 それはちょっと楽しみですね。ところで,開発者として,このゲームの一番のウリはなんでしょうか? やはりクエストですか?

Yu氏:
 一番はクエストですね。もう一つは戦争の中で繰り広げられる戦闘です。

橋本氏:
 コンシューマ機用RPGなどのストーリー重視のRPGに慣れた人がMMORPGを始めると,最初になにをやっていいか分からないですし,友達と仲良くなれないとMMORPGを続けていくモチベーションを保てないじゃないですか。それを,一般のMMORPGのコミュニティ性は維持しつつ,ストーリー性でも楽しめるようなものにできたらよいなと思っています。

4G:
 こういったクエストはソロでできるものなのですか?

橋本氏:
 もちろんソロでできるものもありますし,グループで行うものもあります。まあ,ソロで押し通すというのもできなくはありません。

Yu氏:
 ある程度でのレベルまでは,ソロでプレイできるようになっています。あるレベルになると,ほかのプレイヤーとチームを組んでプレイをするようになりますので,また新しい楽しみが広がっていきます。

4G:
 日本の場合,コンシューマゲームに慣れている人だと,最初にパーティを組むというのがなかなか難しいようなのですが,そういったことに対処するような仕組みはありますか?

Yu氏:
 ゲームのストーリーで自然とパーティが組めるようになっていますので大丈夫ですよ。

4G:
 ということは,クエストはゲームを進めるためには避けて通れないものと考えてよろしいでしょうか?

Yu氏:
 クエストをせずにほかの方法でレベルを上げていくこともできますが,クエストをすべて進めていくほうが,有利にゲームが進むでしょう。

橋本氏:
 かなり特徴的なストーリー構成になっていますので,クエストは楽しみにしてください。



■紛争地域とPvP

4G:
 紛争地域というのは無条件にPvPエリアだと考えてよいのでしょうか?

Yu氏:
 ほかの種族といつでも戦闘できるエリアです。

4G:
 そこで種族間での大きな戦闘は用意されていますか?

Yu氏:
 現在の紛争地域でのPvPは小規模なものと考えてください。

橋本氏:
 RvRのような大規模な戦闘を好む人もいますので,そういった拡張は今後行っていく予定です。

4G:
 では,そういった紛争地域は,どこかに行くときに必ず通らねばならないといったマップ構造になっているのでしょうか? それともイベント用に脇道にあるエリアでしょうか?

橋本氏:
 両方の陣営の真ん中に紛争地域があるような構成になっています。

4G:
 その向こうの敵陣に行くことはできますか? 紛争地域の先は,もうPvPエリアではないわけですよね。

Yu氏:
 はい。行けますよ。

 行って意味があるかどうかはともかく,敵種族の街に行くことも可能だ。もしかしたらクエストで行くこともあるのかもしれない。

■日本での展開について

4G:
 日本版では韓国版と変えていく予定はありますか?

橋本氏:
 明らかに作り手側の意図に反したようなことはするつもりはありません。ただ,日本と韓国ではユーザーのニーズも違ってきますし,変更するところもあると思います。Hi-Winはそのあたりの実績がありますので,できるものできないもの,時期など話し合って,よりよいものを作っていく関係を築きたいですね。

4G:
 日本でのサービス時期はどれくらいでしょうか?

橋本氏:
 秋ごろを予定しています。

4G:
 それはオープンβテストですか正式サービスですか?

橋本氏:
 まだ細かいところは決まっていませんが,最初のリリースが秋くらいと考えてください。

4G:
 気が早くて申し訳ありませんが,課金方式とかはどうお考えですか?

橋本氏:
 そうですね。最近だとアイテム課金が主流ですが,月額固定にするのか,折衷型にするのか,その時期にもっと別の課金方式が出てきているかもしれませんし,じっくり状況を見て決めたいですね。

4G:
 今回発表された3タイトルのうちで,Dark Arenaとの棲み分けについてはどのようにお考えですか?

橋本氏:
 あちらはポスターやムービーを見ていただいても分かるように,ロボットとかそういった世界観をウリにしてると思うんですよ。こちらは親しみやすい神話を題材としているので,世界観的に棲み分けできると思います。もちろん,両方プレイしていただいてもかまいませんし(笑)。

4G:
 なるほど(笑)。

橋本氏:
 ロックワークスとしては,いろんなゲームをユーザーの皆さんに提供していきたいですし,オンラインゲーム業界を拡大していくような仕事ができればと思っています。

4G:
 Hi-Winが,この作品のパートナーにロックワークスを選んだ理由はなんですか?

Yu氏:
 社長が気に入りました(笑)。

Ju Hyeok-Hwan氏(プロデューサー):
 ゲーム業界での経歴が素晴らしかったので。

Yoon beom-Goo氏(開発エンジニア):
 ゲームに対する情熱を感じましたので。

4G:
 今日はありがとうございました。


 冒頭でも述べたとおり,ロックワークスがサービスを決めた天上碑外伝は,韓国でもまだあまり情報の出ていない新作である。スクリーンショットなどは戦闘シーンが多いので,現状だと既存のものとあまり変わり映えしない雰囲気もあるのだが,クエスト中心ということで,これまでのMMORPGとは少し違った切り口で我々を楽しませてくれそうだ。登場は秋ということで,追加情報を待つことにしたい。(aueki)

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