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【PR】ドスパラ初のSLIノートPC「Note GALLERIA GM680M」完全検証。速さだけでなく,使い勝手も一級品だ
しかも,ノートPCの場合,そのサイズ的な制約から,デスクトップPC向けのハイエンドGPUを搭載することができないため,3D性能を確保しようとすると,どうしてもSLIやCrossFireといったマルチGPU構成に頼るほかなく,GPUのコストが二重にかかる。結果として,高価な割に,GPUスペック(=3D性能)以外のところではそこかしこがおざなりになってしまうことが少なくないのだ。
この春,ドスパラで販売の始まった「Note GALLERIA GM680M Core i7-3940XM 搭載」は,まさにこの「マルチGPU構成で30万円台」で登場したノートPCだが,そこに妥協はないのか。入手したBTO標準構成システムを使って,この点をチェックしてみたい。
GTX 680M SLI&i7-3940XMという「最強コンビ」
メインメモリ16GBにSSD+HDDで足回りも充実
Note GALLERIA GM680M Core i7-3940XM 搭載(以下,Note GALLERIA GM680M)は,その製品名からも想像できるとおり,GPUに「GeForce GTX 680M」(以下,GTX 680M)を2基,CPUに「Core i7-3940XM Extreme Edition/3GHz」(以下,i7-3940X)を搭載した製品だ。
組み合わされるi7-3940XMは,Ivy Bridgeコアを採用する4コア8スレッド対応のプロセッサで,L3キャッシュ容量は8MB。「Intel Turbo Boost Technology」により,動作クロックは最大で3.9GHzまで上がる。さすがExtreme Editionといったところで,デスクトップPC向けのCore i7プロセッサと比べてもスペックは遜色ない。
いずれにせよ,エアフローはすべて本体後方へ向かう。ユーザーが手を置くキーボード部や本体左右側面部に温風が直接流れてこない設計は歓迎できるところだ。
気になる足回りだが,まずメインメモリは標準でPC3-12800 DDR3 SDRAM 8GB×2のデュアルチャネル構成。ゲームはほぼすべてが32bitアプリケーションであり,1タイトルあたり最大でも2GB弱しか使われないので,十分すぎるほどの量が用意されていると述べていい。16GBも不要だということであれば,容量を8GBとすることでコストを抑えられる一方,積めるだけ積みたい場合には32GBの選択肢が用意されているのもグッドだ。
ちなみに,定番のストレージベンチマークソフト「CrystalDiskMark」(Version 3.0.2)の実行結果は下に示したとおり。テスト用のゲームアプリケーションを全部インストールした状態,つまりはゲーマーの日常環境に近づけてテストした結果だが,ゲーム用途で重要なランダム読み出しの「512K」および「4K QD32」のスコアは上々だ。現行の最速モデルを採用しているわけではないが,それでも,使っていてストレージの遅さを感じることはなかった。
OSは標準だと64bit版Windows 7 Home Edition。別途用意される「Windows 8インストールモデル」を選択すれば,64bit版Windows 8やWindows 8 ProをプリインストールOSとして選択することもできる。
シンプルな17.3インチ液晶パネル採用筐体に充実のI/Fやバーチャルサラウンドサウンド,指紋認証機能を搭載
筐体の外観は,全体的に角張った印象で,「シンプル」という言葉が最もよく似合うものとなっている。キーボードは日本語配列で,10キー付き。主要キーのキーピッチは18mmあり,ストロークも目測でざっくり2〜2.5mm程度はあるため,打鍵はかなりしやすい。
「4Gamer Keyboard Checker」で確認したところ,ロールオーバーは最低3キーだったので,アクションゲームでごりごり使っていくことを考えると,ゲーマー向けキーボードを別途用意すべきだろう。だが,オンラインゲーム用であれば,まずストレスなく使っていけるのではないか。そう思わせるだけの完成度はある。
ちなみに,標準だと青色の常時点灯となっているキーボードバックライトは,[Fn]+[/]キーで起動できる設定ツールから,3つのブロックごとに光らせ方を設定可能だ。選べる色は消灯も含め8色で,常時点灯だけでなく,場所やリズムを変えたりといった明滅も指定できるようになっている。
グラフィックス出力の話が出たのでインタフェースに触れておくと,2系統のグラフィックス出力は,いずれも本体後方背面に用意される。また,本体後方背面にはUSB 3.0が1ポートあるので,PCを完全据え置きで使うときには,ここに外付けストレージやビデオキャプチャデバイスなどを接続すると便利そうだ。
残るインタフェースは左右に散っており,左側面には1000BASE-T LAN,マルチカードリーダー,3.5mmミニピンサウンド端子×4,右側面にはDVDスーパーマルチドライブとUSB 2.0/eSATA排他×1,USB 3.0×3が並ぶ。ゲーム用途で使っていく限り,USBポート数が足りなくなる状況というのはそうそう生じないのではなかろうか。
用意された各種端子のうち,説明が必要なのは3.5mmミニピンのサウンド端子だろう。4端子は標準設定だとライン入力,ライン出力,マイク入力,ヘッドフォン出力となっているのだが,この設定は実のところ,サウンド設定用コントロールパネル「Realtek HD オーディオマネージャ」から変更できる。4つのミニピン端子すべてを使ってアナログ7.1chライン出力としたり,5.1ch出力+マイク入力としたり,1つをデジタルサウンド出力用としたりといったことが可能なのだ。マイク入力時はノイズキャンセリング機能なども利用できるので,ボイスチャット前提でフレンドとマルチプレイするときにも役立つだろう。
本体内蔵の2.1chスピーカーでも,音の広がりは感じられるので,広いゲーム世界を堪能する用途には向いているが,ヘッドセットやヘッドフォンを用意して接続すれば,敵の位置を正確に把握する助けにもなってくれるはずだ。
モバイル用途が主となる大手PCメーカーのノートPCでもない限り,あまり搭載例のない指紋認証機能だが,これは簡単にいうと,あらかじめ登録しておいた指の指紋を,パスワードの代わりとするものだ。Windowsのログオンで使うのが基本的な用途だが,Note GALLERIA GM680Mでは,AuthenTecの技術を使っているため,プリインストールの同社製アプリケーション「TrueSuite」を使うことで,Webサイトのログインにも指紋認証を利用できるようになる。オンラインゲームのポータルや,ブラウザゲームのログインに,いちいちパスワードを入力しなくてもよくなるうえ,セキュリティも向上するので,ゲームPCが指紋認証をサポートしてきた点は大いに歓迎されるべきだろう。
デスクトップPC向けハイエンド製品たる
GTX 680やGTX 690との比較を実施
テストのセットアップに入っていきたい。冒頭でも紹介したとおり,今回入手したNote GALLERIA GM680Mは基本的にBTO標準構成なので,グラフィックスドライバだけ最新の「GeForce 314.07 Driver」へ更新している(表1)。
どのようにしてNote GALLERIA GM680Mの持つ3D性能を明らかとするかだが,今回は,デスクトップPCと比べるのが分かりやすいと考え,表2のような構成でシステムを用意した。i7-3940QMのTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)は55Wであるため,CPUは,筆者手持ちのもののなかから,TDPが45Wと比較的近い「Core i7-3770T/2.5GHz」をピックアップした次第だ。
また,肝心のグラフィックスカードは,ハイエンド市場向けのシングルGPU「GeForce GTX 680」搭載製品と,デュアルGPUカード「GeForce GTX 690」(以下,GTX 690)を用いることにしている。
テスト方法は,基本的には4Gamerのベンチマークレギュレーション13.0準拠となるが,新世代「3DMark」もテスト項目として追加した。3DMarkのテストでは,DirectX 11ベースのテストとなる「Fire Strike」で,標準および「Extreme」プリセットをそれぞれ2回実行し,いずれも高いほうのスコアを採用する。
ゲームアプリケーションにおけるテスト解像度は,Note GALLERIA GM680Mのネイティブとなる1920×1080ドットと,16:9アスペクト比でその一段下となる1600×900ドットの2つだ。
なお以下,グラフ中に限りNote GALLERIA GM680Mを「GM680M」と表記することと,文中・グラフ中ともに,比較対象のデスクトップPCは「i7-3770T+GTX 680」「i7-3770T+GTX 690」といった形で表記することは,あらかじめお断りしておきたい。
その実力はi7-3770T+GTX 680と同等以上
ほぼすべてのテスト条件で合格点をクリア
今回も「3DMark 11」(Version 1.0.4)から見ていくことにしよう。
グラフ1を見ると,Note GALLERIA GM680Mは,さすがにi7-3770T+GTX 690からは置いて行かれるものの,i7-3770T+GTX 680と比べてPerformanceプリセットで約7%,Extremeプリセットで約18%高いスコアを示した。SLI動作では,より描画負荷の高いテスト条件で良好なスコアを示す傾向にあるが,それはNote GALLERIA GM680Mでも変わらずだ。
新世代3DMarkのスコアをまとめたグラフ2でも,Note GALLERIA GM680Mとi7-3770T+GTX 680の力関係はほぼ同じ。3DMark 11ほどのスコア差はついていないものの,システムが持つ3D性能のポテンシャルとして,Note GALLERIA GM680Mがi7-3770T+GTX 680の上をいくことは,ほぼ間違いないと見ていいのではなかろうか。
実際のゲームタイトルから,グラフ3,4は「Far Cry 3」の結果となる。3DMark11や3DMarkとは異なり,Far Cry 3だとGM680Mのスコアはi7-3770T+GTX 680に届いていないが,これはレギュレーション13世代で規定されるFar Cry 3のテスト条件が,グラフィックスメモリ負荷の高いものとなっているためだろう。
ノートPC用GPUということで,デスクトップPCほどの消費電力が許容されないため,Note GALLERIA GM680Mに搭載されるGTX 680Mのメモリクロックは3600MHz相当(実クロック900MHz)と,GTX 680の6008MHz相当(実クロック1502MHz)比でかなり低い。Far Cry 3のスコアにはこれが影響しているはずだ。
ただし,平均フレームレートで話をするなら,今回の非常に“重い”テスト条件でも,Note GALLERIA GM680Mは標準設定の1920×1080ドット,高負荷設定の1600×900ドットで合格点となる平均40fpsをクリアしてきた。ノートPCのフレームレートとしては,これは相当に高いと述べていい。
Far Cry 3よりは描画負荷の低い「Battlefield 3」(以下,BF3)だとどうなるか。その結果がグラフ5,6となるが,低負荷設定の1600×900ドットを除き,Note GALLERIA GM680Mは再びi7-3770T+GTX 680より高いスコアを示すようになった。低負荷設定の1600×900ドットでは,i7-3770T+GTX 690もスコアを伸ばせていないので,CPUボトルネックによるスコアの頭打ちが発生したことで,2基あるGPUの調停動作分だけ,スコアが低く出たということだと思われる。
また,i7-3770T+GTX 690は,より高いグラフィックス設定でもCPUボトルネックによるスコアの頭打ちが発生した。1920×1080ドットまでの解像度では,Note GALLERIA GM680Mのほうがバランスが取れているといえそうだ。
ベンチマークレギュレーション13世代で採用するタイトルのうち,最も描画負荷の低い「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,Call of Duty 4)では,テクスチャ性能がスコアにそのまま反映されるため,マルチGPUが有利だ。果たしてNote GALLERIA GM680Mは,i7-3770T+GTX 680と比べて23〜28%程度高いスコアを発揮している(グラフ7,8)。
続いてグラフ9,10は「The Elder Scrolls V: Skyrim」(以下,Skyrim)の結果となる。
Skyrimのテストにあたっては,Bethesda Softworksによる公式の高解像度テクスチャパックを導入することで,グラフィックスメモリ負荷を高めてあるのだが,それでも今回テストに用いたシステムにとっては十分に“軽すぎる”ため,標準設定ではスコアの頭打ちが生じた。8xアンチエイリアシングを適用したUltra設定でも基本的な状況は変わらないが,それでもここでi7-3770T+GTX 680がスコアを若干落とすのと比べると,Note GALLERIA GM680Mの安定感は目を引く。
もちろんこのフレームレートは,Skyrimをまったく問題なくプレイできるレベルの値だ。
「Sid Meier's Civilization V」(以下,Civ 5)の結果は,3DMark 11と良く似たものとなった(グラフ11,12)。Note GALLERIA GM680Mは,i7-3770T+GTX 690にこそ離されるものの,i7-3770T+GTX 680に対しては安定して8〜16%程度高いスコアを示している。
一方,グラフ13,14にスコアをまとめた「F1 2012」だと,Note GALLERIA GM680Mのスコアはi7-3770T+GTX 690と並んで,i7-3770T+GTX 680に置いて行かれた。F1 2012はマルチGPU構成のメリットが出にくいタイトルだが,そうなると,SLI構成はどうしても不利になる。
……とはいえ,その実フレームレートは100fpsオーバー。ゲームをまったく問題なくプレイできるレベルなので,その意味では何も問題ない。
ノートPCらしく消費電力は低め
GPUもしっかりと冷却されている
テストにあたっては,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,タイトルごとの実行時とした。Note GALLERIA GM680Mのテストにあたっては,バッテリーパックの影響を排除すべく取り外し,ACアダプター駆動としている。
グラフ15がその結果で,まず目を引くのが,アイドル時におけるNote GALLERIA GM680Mの消費電力が,比較対象となるデスクトップPCの半分強であること。さらに,アプリケーション実行時でもi7-3770T+GTX 680から13〜32W低いレベルに収まっているというのにも注目すべきだろう。
お次は,「CPUに100%の負荷をかけ続けながらGPUに高い負荷をかけたとき,それでもきちんと冷却できるのか」のチェックだ。ここでは,ストレスツール「OCCT」(Version 4.3.1)のCPUモードと,3DMark 11を同時に実行したときを「高負荷時」として,アイドル時ともども,CPUとGPUの温度を取得することにする。
CPU温度の取得にはモニタリングツール「HWMonitor Pro」(Version 1.14),GPU温度の取得にはGPU情報表示ツール「GPU-Z」(Version 0.6.5)をそれぞれ利用。室温24℃の環境に,Note GALLERIA GM680Mはそのまま,比較対象のデスクトップPCはPCケースに組み込まない状態で置いての検証となる。
その結果はグラフ16,17にまとめたとおりで,Note GALLERIA GM680MのCPU温度は,比較対象のデスクトップPCより高めながら,GPUはむしろ低くなっている。Note GALLERIA GM680Mは,システムにとって相当に厳しい環境であっても,2基あるGPUをきっちりと冷却できているわけだ。
PowerMarkは,バッテリー残量が100%から5%に減るまでの時間を計測するもので,ワークロードは「Productivity」「Entertainment」「Balanced」の3つ。Productivityはワープロソフトによる文書編集とWebブラウジングを交互に実行したときのもの,Entertainmentは3Dアプリケーションの実行とビデオ再生を交互に実行し続けたときのもの,BalancedはProductivityとEntertainmentの両ワークロードを繰り返し実行したときのものとなるので,「バッテリー駆動でどの程度長い時間ゲームをプレイし続けられるか」の指標としては,Entertainmentワークロードの結果が参考になる。
そこで,グラフ18を見てみると,Entertainmentワークロードのスコアは96分。さほど長持ちというわけではない。
もっとも,Note GALLERIA GM680Mの本体重量は約4.28kgだ。据え置きが前提と断じて差し支えない重さということも踏まえると,「自宅のなかでちょっと持ち運ぶくらいならまったく問題ないレベルのバッテリー駆動時間がある」というわけだ。
「GPU性能が高いだけ」になっていないのが魅力
スペックも使い勝手も,完成度は非常に高い
そして,「GPUとCPUばかりにコストがかかって,ほかの部分がおざなりになっていないのか」という問いに対しての答えが,合格ラインを大きく超えるものであることも,ここまで読み進めた読者なら理解できるだろう。メインメモリやストレージ周りにも不足はなく,液晶パネルは見やすく,キーボードは文字が打ちやすく,バーチャルサラウンドサウンド機能は問題なく利用可能。しかも,ただスペックが高いのではなく,ちゃんと使えるレベルで実装されている点も大いに評価したいところだ。
BTO標準構成価格は32万9980円(税込,2013年3月12日現在)と決して安価ではないが,2013年春時点における,最高クラスの3D性能を持ったノートPCとしての価値は多いにある。いまさらデスクトップPCを買う気はないが,何も妥協はしたくないというワガママな人に,Note GALLERIA GM680Mは間違いなくお勧めできるノートPCである。
……ただ,できればコスト面でもうちょっとどうにかなるといいな,という人もいるだろう。そういう人のためには,CPUを「Core i7-3630QM/2.4GHz」とし,ストレージもHDD×1にするなど,スペックを絞ってBTO標準構成価格を21万9980円(税込,2013年3月12日現在)抑えた標準モデルも用意されているので,場合によっては,こちらをベースに,構成のカスタマイズを行うというのもアリかもしれない。
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