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印刷2006/09/24 23:55

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[TGS 2006#51]MMORPG以外にも次第に手を広げつつあるガマニアブースの出展タイトルを紹介

 ガマニアデジタルエンターテインメントから見て本社に当たる,台湾Gamaniaのブースでは,すでに正式リリース済みなものを含め,5作がプレイアブルな状態で,2作がムービーのみで展示されていた。
 そのラインナップを見てみると,これまではMMORPGのパブリッシングが大半だった同社のラインナップに,微妙な変化が訪れつつあるのが分かる。これについては,東京ゲームショウ2006に合わせて来日していたGamaniaのCEOであるAlbert Liu氏にその意図を直接聞いてみたので,のちほどインタビュー記事を掲載しよう。
 まず本稿では,Gamaniaブースの出展作を紹介していく。(ライター:川崎政一郎)



●仙魔道
 台湾Gamaniaの子会社が開発中のMMORPG。アジアでは定番の,いわゆる“クリックゲー”で,画面写真を見れば大体のイメージは掴めるだろう。仙族と魔族の対立をメインテーマとしており,プレイヤーはこのどちらかに所属して,激しい戦いを繰り広げていく。キャラクターの陰陽属性は完全に決まっているものではなく,クエストなどの自分の行動によって微妙に揺れ動くようだ。
 キャラクターデザインは武侠風で,服装や建築物のデザインなど,それっぽい雰囲気が満ち溢れている。中でも「おおっ」と思ったのは,陰陽のモンスターを我が身に降臨させて戦うモードで,ザコ敵をばっさばっさとなぎ倒していくのは痛快だ。しかも巨大モンスターなどのインパクトある敵もたくさん登場し,ド派手な画面エフェクトと相まって,戦闘時の臨場感はなかなかのもの。
 仙魔道のビジネスモデルは,「基本プレイ料金無料+アイテム課金」。台湾では現在クローズドβテスト中で,2007年明けに正式サービス予定。日本でのリリースはその後になる。アジア全域の市場を手堅く狙ったMMORPGという印象だ。



●Bright Shadow
 これまでは主に他社が制作したタイトルをパブリッシングしてきたGamaniaだが,このBright Shadowは,珍しく台湾本社で開発中のMMORPG。
 “Bright Shadow”=明るい影という意味で,この相反するエネルギーを「霊気」としてゲームシステム面に取り込んでいるのが大きな特徴。霊気はモンスターを倒したりクエストをクリアしたりすることで獲得でき,これがスキル習得や装備品の合成,キャラクターの変身などといったあらゆる行動時に必要となってくるのだ。一般的な経験値やゴールドといったものとは異なるリソースで新鮮である。
 本作は,開発時の初期段階から日本市場を強く意識しているという。東洋と西洋をマッチングさせたキャラクターは確かに違和感をまったく抱かせず,外見面のカスタマイズ項目も豊富で,いかにも日本人受けしそうだ。このジャンルは日本においてすでに競争過多といえるが,あくまで東京ゲームショウ会場で少し触った限りでは,Bright Shadowは頭一つ抜けているという印象である。
 Bright Shadowのビジネスモデルは「基本プレイ料金無料+アイテム課金」。台湾では年内に正式サービス,日本では2007年明けとなっている。おそらく日本における2007年の注目タイトルの一つとして,今後話題を集めていくだろう。



●す〜ぱぁ★リッチ
 Bright Shadowと同様,Gamania本社が現在開発中のカジュアルゲーム。サブタイトルの「ネットdeすごろく」を見れば一目瞭然だが,もう少し詳しく説明すると,人生ゲーム風のボードゲームをモチーフとしたタイトル。フィールド上の土地を買収して資産価値を高めるモノポリー的な要素もあり,当然(?),カードで相手の資産を奪ったり邪魔することも可能。コンピュータではなく,人間相手ならではの駆け引きを前面に押し出しているのだ。
 一回のプレイは20〜30分程度で,カジュアルなミニゲーム感覚で楽しめる。ビジネスモデルに関しては,1プレイごとに数十円の料金(具体的な額は検討中とのこと)が発生するが,ゲームに勝利すれば無料になるという,実にユニークなもの。またアイテム課金制も導入しており,それによって新しいすごろくマップでプレイできるようになるという。台湾ではすでに正式サービス開始済み,日本でも年内には遊べるようになるとのことだ。



●ホーリービースト
 “聖なる獣”という神聖なタイトル名と,「ケモカワイイ」というキャッチコピーのギャップが面白いMMORPG。プレイヤーが扮するキャラクターは,「猿族・犬族・虎族・鳥族・牛族・魔族」の種族と,「戦士・盗賊・狩人・幻術師・仙法師・治療師」の職業を組み合わせて作成する。プレイ中はこの人間モードと獣モードとで自由に変身でき,この使い分けがカギを握るようだ。
 ホーリービーストは日本でも現在プレオープンβテストが実施中で,間もなく正式サービスへと移行する。4Gamerでもかなり情報が露出してきているので,詳しくはこちらのインタビュー記事を参照してほしい。



●飛天オンライン
 日本でも現在正式サービス中のMMORPG。キャラクターの作成時に誕生日と干支を入力し,その情報をもとに「宿親」「宿敵」「宿愛」という絆が生じるのが最大の特徴。人間関係をゲーム内のプレイヤー同士のやりとりによってではなく,ゲームシステム側からのアプローチで実現しているのだ。
 これらの運命の相手が近くにいるときは,心臓のドキドキ音が聞こえるなどの演出がなされる。また,宿愛のプレイヤーとは強力な連携技が使えたり,人間関係をモチーフにした多彩なコンテンツがあるのだ。



●Art of War(参考出展)
 プレイアブル状態ではなくムービーによる参考出展タイトル。横スクロールのアクションもので,一昔前のアーケードゲームのような,どことなく懐かしい雰囲気を醸し出している。戦果に応じて獲得した金銭を元に,新しい武器を購入できるといったRPG的要素もあり,ゲームジャンルは異なるものの,NHN Japanが展開している「アラド戦記」に近いものを感じる。こういった,カジュアルライクなアクションゲームが日本市場にも次第に台頭しつつある印象だ。



●星辰オンライン(参考出展)
 こちらもムービーによる参考出展タイトル。基本的にはMMORPGだが,すべてのキャラクターは星座や運勢といったパラメータを持っており,これがモンスターや他プレイヤーとの関係に密接な影響を与える。また星座による相性をもとにした,「キューピットの恋人マッチングシステム」なるものも実装予定とのこと。MMORPGのユーザー層が拡大することで,こういったニーズも増えつつあるのかもしれない。
 ゲームの頭の先からつまさきまでロマンチックな雰囲気に満ちており,「飛天オンライン」の宿愛システムをもう一歩推し進めたという印象だ。今後どこまで推し進められてしまうのか気になるばかりである。

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