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AMD,“赤対緑“改め“深緑対明るい緑”戦争を継続? Windows VistaとRadeonの親和性もアピール
ここでは,旧ATIテクノロジーズジャパンのマーケティング部長で,日本AMDでもGPU(グラフィックスチップ)部門のマーケティング担当シニアマネージャーを務める信垣育司氏が,初めてAMDのスタッフとして登壇。セッション開始早々に,「グラフィックス市場におけるATIとNVIDIAとの関係は,よく『“赤対緑”の戦い』と呼ばれていましたが,これからは『“深緑対明るい緑”の戦い』になります。ちょっと色は分かりづらいですが」と,戦闘継続(?)の姿勢を確認してみせた。
「ただし,グラフィックスはATI Radeonなので」(同氏),未発表のグラフィックス機能内蔵チップセット「RS690C」(開発コードネーム)が,「ATI Radeon X1200グラフィックス内蔵 AMD 690V」という名称になると明らかにした。製品名としては少々長くなるが,これには,(対Intelなどといったさまざまな政治的理由により)グラフィックス部門とチップセット部門で距離を置く必要があることが影響しているようだ。
例えばWindows XPでは,仮にゲームアプリケーションに問題が生じて停止した場合,OSやドライバ,ハードウェアまでも停止してしまい,結果としてほかのアプリケーションも,同氏いわく「ドミノ倒しのように」停止することがあった。
これに対してWindows Vistaでは,アプリケーションごとに「Vistaユーザーモードドライバ」が用意されるので,仮にアプリケーションとドライバが停止しても,カーネル(Kernel)と呼ばれる,システムの中核部分までも停止する危険はぐっと下がり,「OSごと落ちる」ような危険はまずなくなったとした。「画面を見ているだけでは分からない変更点ですが,非常に重要です」(信垣氏)。
また,ドライバの完成度という点については,Microsoftと協力しながら,過去最大規模のソフトウェアプロジェクトを実施してきたとのこと。のべ150人以上のソフトウェアエンジニア,400台以上のPCで,のべ12.5〜13万時間の検証を行ってきたとし,完成度の高さをアピールした。
AMDによる買収発表以降,会社あるいは部門としての動きが今一つ見えにくくなっていたATIだが,「深緑対明るい緑」の話を聞く限り――その語感がイマイチなのはともかく――単体GPUに関して,期待はまだ十分に持てそうな気配だ。ATI派の人達は,近い将来を楽しみにしておいていいかもしれない。(佐々山薫郁)
- 関連タイトル:
ATI Radeon HD 2900
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AMD 6
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(C)2007 Advanced Micro Devices, Inc.
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