連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第274回「結婚できない理由が分かりました」
とりあえず自分に課した最低限のノルマ「サブストーリーを制覇」は達成。バトルダンジョンは残念ながらまだ制覇できず。なので,当然限界突破も果たしてはいないけど,それを言い出したらキリがなさ過ぎるので,ひとまずメインとサブのストーリーを全部終わらせた段階。で,感想だけども,やっぱり最後までプレイしないとストーリーについては語っちゃダメだな,と。
というのもね,最後の最後で迫ってきたの。心に。私的ベストRPGの一つ「MOTHER2」のラスボス戦のときと同じ感覚。MOTHER2の場合,最後のボスがどうしようもなく強くなって主人公達の手に負えなくなる。で,祈り始めるの。ゲイムに登場したキャラクターが,全員祈る。でも,どうにもならない。
主人公達も,冒険で出会った人達も,みんなが祈ってもどうにもならないんだけど,最後に祈りを捧げるよう促される人物,それは画面の前に座り,コントローラを握っている――そう,プレイヤー自身。すなわち私のことだったのね。
確かに,私は主人公達の冒険をすべて見つめてきた。誰よりも主人公達に最善の行動を指示してきたし,感情移入もしてきた。そして,MOTHER2というゲイムは最後の最後に,プレイヤーである私の存在を組み込んできた。メタフィクションってやつね。しかも,ゲイムならではの。
日本人として生まれてきたからには,日本人であることに誇りを持たなければならない。それは,排他的な意味ではなく,日本とは誇るべきものが多い国だという自覚を持つこと。日本の文化や日本の美徳を描いているが故に,きっとこの作品は日本人が一番理解し,楽しめるものじゃないかしら。世界を視野に入れ,海外でも評価されるようなゲイムが多い中,龍が如く 維新!の,志の高さたるや。
あ,言うまでもないことだけど,世界に通用するゲイムの志が低いって話じゃないわよ。自分の描きたいこと,伝えたいことを表現するにあたっての志について言っているの。だって,「日本人よ,日本人たれ」というメッセージは,日本人に向けて放たれてるわけじゃない。そこで中途半端にメッセージの方向を世界に向けてしまうと,おかしなことになってしまう。
ビジネス的には市場の大きな海外をも視野に入れるべきだという傾向にある中,ゲイムに込めたメッセージを日本人だけに向けるのって志が高いよね,と。こう言いたいわけです。
ゲイムから伝わってくるメッセージを受けて,何を思うかはプレイヤーに委ねられているわ。でも,それもメッセージを受け取ってから考えること。なので,ゲイム内でヤれることが多いが故の寄り道もいいけども,ひとまずは最後までプレイすることをおススメするわ。
「Winning Post」シリーズ最新作である本作の特徴は,「血のつながり」。すなわち,馬だけでなく馬主(プレイヤー)も結婚して子供や孫を作ることができるのね。そうやって競馬の世界の歴史を紡いでいく。そういうゲイムなわけですよ。
……なのにね,結婚できないの。正確に言うと,現実の世界で私が結婚できない理由が分かった。ゲイである,という理由とは別に。みんなちょっと誤解してるけど,同性愛者の全員が全員結婚しないってわけじゃないのよ。実際に異性と結婚している同性愛者もたくさんいるわ。
というか,無理やり“同性愛”っていう枠を狭めなくてもいいのよ。同性愛って,同性も愛せるってことであって,同性しか愛せないってわけじゃないの。もちろん,同性しか愛せない人もいるし,そうでなくとも同性のほうが魅力的に思えるって人もいる。いろんなケースがある。
私の場合は,現在「同性が好きだけどボチボチ結婚しなきゃいけないんじゃないか」と思っている段階。結婚したいわけではなく。だから,結婚自体は不可能ではない。相手がいないだけ。……って今まで思っていたの。
でもね,Winning Post 8で思い知らされたわ。私は結婚しないんじゃなく,できないんだ,と。そもそも恋愛ゲイムじゃないから,結婚しようと思えば比較的すぐ結婚できるシステムになっているのね。結婚する候補は,条件を満たせば出現するから。だから,しようとさえ思えば,結婚なんてすぐ。でも,私,できないの。
理由は,結婚候補が出そろわないことには選べないから。Winning Post 8では毎年1月に聞かれるのよ。「結婚候補がこれだけいるけどどの人と結婚しますか?」って。そこで,なかなか選べない。まだ候補として挙がってこない人がいる。じゃあまだ結婚しません。←これ! 現実で私が結婚できない理由がまさにこれ! 待ってるのよ。まさにゲイム脳。時が来れば,結婚の候補がどんどんリストアップされてくるんじゃないかって,勝手にそう思ってる。結果,もうすぐ37歳。
Winning Post 8をプレイしてて,ある瞬間「あれ? 何だか今までのシリーズと同じ感覚でプレイし過ぎてるな」と思ったのよ。で,それがなぜだか考えたときに,そういえば結婚してないからだというケツ論に達して,ゾッとしたね。私は私の人生と同じ理由で,ゲイム内でも結婚できていないという事実に。
分かる。分かるよ。聞こえてくるようだわ。「じゃあ結婚すりゃいいじゃんせめてWinning Post 8の中だけでも」って声が。そんな声に対して言ってやるわ。「それができるのなら,現実でもとっくに結婚しとるわい!」と。
これはもう,ゲイである以前に人間としてどうかと自分でも思うんだけど,どうやら私は「果報は寝て待て」という言葉を信じすぎてるみたいで。たぶん,大学時代にプレイした「ときめきメモリアル」の影響かな。あれって普通に高校生活を送っているだけで,ヒロインが勝手に出てくるじゃない。で,気付いたら勝手に好きになられてて。人生ってあんな感じなのかなって。ずっと思ってた。何なら今も思ってるし。
でもね,どうやら違うみたいなんですよ。ヒロインなんてものは,現れないんですね。一応私も,「運動」コマンドを毎週実行しているはずなのに,緑色の髪の運動少女は私の前に姿を現さないし,友達の妹がプロレス好きということもない。そもそも友達がいない。かといって,3年間ストーカーされる感じでもない。ここまで出会いがないと,やっぱり伝説の樹なんて存在しないのかなぁって思っちゃうわよね。だから,現実とゲイムは違うってことは頭に入れて行動するようにしてるわ。去年くらいから。
でまあ,どうやら私,一人に絞ることができない性格みたいなのね。候補がいないくせに。したがって,今のところWinning Post 8をくまなくを楽しめていないんじゃないかという疑念が生まれつつある。楽しんでるはずなんだけど。オグリキャップで欧州三冠獲ったし,自家生産馬でそこそこG1獲れたりもしてるし。楽しいはずなんだけど。なんだろうこの切なさは。
欧州三冠なんて数十年に一度の出来事で,それをゲイム内とはいえ実現したのに。年に何万カップルも成立してるはずの結婚というタイトルだけは獲れない。世知辛いのう,Winning Post 8。
でも! プレイスタイルなんて一つじゃない! いろんな楽しみ方を,いろんな生き方を受け入れてくれる。それもまたWinning Postシリーズの魅力! だから! 独身プレイはそれはそれで……楽しい……よ……? あれ? なんだろ。花粉症かな? 目の前が滲んで見えるや。
というわけで。今週は主に2タイトル中心でご紹介いたしましたが。奇しくも2タイトル共に歴史のゲイム。そして,積み重なった歴史の果てに未来があるっていうゲイム。こういうゲイムを通して思うのは,人間にはいろんな生き方があるってことね。で,いろんな生き方の歴史の上に我々は生きている。
では,今我々がすべきことは? 生きること。とくに何をするってわけでもない。全員が全員,歴史に名が残るわけではない。それでも我々は生きている。じゃあ生きよう。生きて,伝えよう。次の世代に伝えよう。できることをやろう。とりあえずは,Winning Post 8の中だけでもいいから結婚しよう。
……できそうもないなあ。これもまた私の生き方。ではまた来週。
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 4:「龍が如く 維新!」
PlayStation 3:「真・ガンダム無双」
PlayStation Vita:「Winning Post 8」
PSP:「サモンナイト5」
Wii U:「The Wonderful 101」
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
ニンテンドー3DS:「ヒーローバンク」
Xbox 360:「Minecraft:Xbox 360 Edition」
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