連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第506回「『CRYSTAR -クライスタ-』には売れてほしい」
というわけで,悲しみを乗り越えて今週も私,鳳毛院凶真がプレイしたゲームの紹介をしていきます。よろしくお願いいたします。
さて,気を取り直して。
長年ゲームをプレイしていると,隠れた名作みたいなタイトルと出会うことがあります。実際,私もいくつか知っているのですが,具体的に名前を出すことはできません。なぜなら,作り手は基本的には売るつもりで作っているだろうから。それを「隠れた」と表現するのは失礼に当たるだろうと思い,具体的に名前を挙げるのははばかられるわけです。
具体的な記憶としてはなぜか思い出せないんですが,私,人前に出る場合が多い気がするのですね。もちろんライターとして。そのときに,まあまあよく言われるのですよ。「密かにファンです」って。「密かに」ってワード,必要ですかね? いや,まあ知っていただけていたり,気にかけてくださっていたりするだけでもありがたいとは思うのですが。そんなに恥ずかしいことはしてないと思うんだけどなあ。
なので,それと同じ文脈で「隠れた名作」として特定のタイトルを言わないようにしようと思っているのです。もうずいぶん昔に発売されたタイトルに関してはその限りではないですが。ただ,発売されたばかりの作品に対しては使わないようにしたいんです。そこで,そういう作品に対しては「売れてほしい作品」という表現にしています。というのも,まだ結果は出きっていないし,ここから何が起こるかは分かりません。
とはいえ,やっぱり私がプレイして面白く感じた作品は売れてほしいのですね。続編をプレイしてみたいから。この気持ちは純粋です。なので,この連載を通して少しでも知らないゲームだったり,まだ遊ぶには至っていないゲームだったりについて知ってもらいたいわけです。
簡単に説明しますとですね,ジャンルはアクションRPGです。まずはここの部分だけで言うと,非常にテンポのいい,そしてボタンを押してて心地よい戦闘が味わえます(先日のアップデートで大幅に改善された部分でもあります)。
そして,オープニングが長くありません。ゲームを始めてけっこうすぐに操作できます。オープニングが長いと,設定なんかがなかなか頭に入ってこないケースがありますが,この作品にそれはありません。訳分かんないうちに始まっちゃいます。
そして,世界観。これが独特なのです。メルヘンの逆と言いますか,まったく夢の世界ではなく悪夢の世界で,非常に暗い……いわば心の闇を描いているような感じです。そういうゲームなのです。
そして,このゲームのデザインとして最も特徴的なのが“涙の数だけ強くなれる”っていう,ゲーム進行。タイトルを「CRY」と「STAR」に分割すると,軽いキラキラネームです。そう。主人公の涙がゲームの世界に影響を与えるのですね。
敵を倒して,その敵のために涙するとそれが武器に変わる。逆に言えば,強い武器を手に入れるには主人公が涙しないといけないのです。実際,ストーリー的にもプレイしていて重荷を背負わされた気分にさせられます。不慮の事故で主人公が悲しくつらいことになってしまったり,別の主要キャラもひどい裏切りに遭ってしまったり。そんな重い世界観でいながら,プレイ感覚自体は極めて軽いというギャップ。これ,ありそうで今までにないです。
ステージ制なのですが,1ステージは10分程度。で,武器や防具もサクサク手に入るからついつい繰り返しプレイしちゃうんですね。アクションRPGとしてのストレスがない。ゲームのイメージだけで言うとすごくヘビーな想像をしてしまうんですが,実は気楽に楽しめる。涙がこのゲームのキモであることは確かなんだけど,プレイした私としては,“重いのに軽い”という部分を積極的に推したい。
いや,シンプルに面白いんですよね。そして,プレイしちゃう。気軽にやれちゃう。作り手はきっとこの,何となくやれちゃうっていう部分を大切にしてるんだと思う。そうでないとこのプレイ感覚の軽さは実現できない。ちょっと興味が沸いてきましたよ,この作品を作った人に。きっと,最初に舵取りをするにあたっては,すごい勇気を持った決断が必要だったと思う。
なので,売れてほしいのです。このゲームには。そして,知ってほしい。少なくともこの記事読んでくださっている読者の方には。こういうゲーム,あるんですよ。隠れちゃいけない作品。やってさえしまえば面白さが伝わってくる作品。プレイしてください。操作はまったく難しくないです。アクションRPGが好きな人はぜひ。
というわけで,今週はCRYSTAR -クライスタ-について語ってみた……というよりも紹介してみました。皆さんもね,生きていて涙することってあると思うのです。いろんなシチュエーションで。喜怒哀楽。いろんな涙があります。そのどれもが,決して恥ずかしいものではないと思うのです。中には涙を武器として使う人もいます。それもきっと,心の動きを呼び起こす必要があるシチュエーションだから武器になりうるのです。
涙は自分の感情が良くも悪くも揺さぶられた証。我慢するのも良いでしょう。すぐ流してしまっても構いません。涙と共にある人生も,悪くないんじゃないか。私はそう思います。
なので,この原稿を書く前に車の鍵を溝に落としてしまった今の私の涙もまた,尊い。そしてその涙を抑えながら,とりあえず原稿を書いてから対策を練ろうとするこの姿勢もまた,人生の一部なのだな,と無理やり思うようにしております。深夜だし。まずは明日,カーディーラーに連絡なんすかね? 涙を飲んでまた来週。
今週のハマりゲイム
PlayStation 4:「CRYSTAR -クライスタ-」
Nintendo Switch:「ネコ・トモ」
iOS:「PUBG MOBILE」
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