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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第514回「言葉のいらないゲイムの魅力を言葉で説明」
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印刷2019/01/17 11:00

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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第514回「言葉のいらないゲイムの魅力を言葉で説明」

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著者近影
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 言葉は大切よ
 自分の思いを伝えることができるから

 人間って別に,最強の動物ではないじゃない。戦闘能力で言うと,熊やら虎やらワニやらサメやら,状況によっては体が人間よりも小さい蛇やら蜘蛛やら魚やらよりも弱い場合だってある。でも,今のところ地球上を形だけでも支配しているのは人間。
 それがなぜかと言えば,言葉が存在するからだと私は思っているの。言葉があることで意思疎通が図れる。細かいニュアンスの伝達ができる。それによって人間は文明を築き,繁栄してきた。
 今だって強い言葉を持ち,それを操る人が尊敬され,人の上に立つことができる世の中よ。本来,動物的な生存競争では言葉なんて意味を持たないのにね。今では,言葉を紡いで作った科学で人間は力を得ているわ。人間は言葉によって,地球における生存のあり方を変えてしまったわけね。それほど言葉には力がある。
 余談になるけど,言葉によって地球上に敵がいなくなった人間は,今度は人間同士で言葉を使い分けて争うようになってきた。同じ言葉を話せる人と,そうでない人。そして,同じ言葉を話すけど生まれが同じ人,そうでない人。言葉というものが,人間を分断し始めた。それがここ数千年の話。
 世界平和を本気で望むのであれば,私は言葉を統一したほうがいいと思っている。ここで言う世界平和とは争いのない世界のことで,争いをなくすためには統一した“何か”が世の中に必要になるのだと思う。もっとも,2019年の私は,そんなもん必要ないとも思っているわ。戦争はもちろんイヤだけれども。でも,違っていていいじゃないかと思っているの。それが面白いんじゃないか,とも。
 スポーツも言うなれば争いごとだし,ゲイムだって争いごとの場合が多いわ。世の中に面白いことっていっぱいあるけれど,自分と違うものに触れるっていうのも面白いことの一つなんじゃないかなって思っているわけね。まあ,許せることも許せないこともいろいろあって,個人でもそうだしチームでもそうだし,国でもそう。自分の考え方があって,それを相手にも認めてもらいたいけれども,押し付けるのは良くない。難しい。
 話が逸れてしまったのを強引に戻すならば,それもこれも言葉があることで生まれた葛藤なんじゃないかしら。要は,言葉は偉大だって話ね。

 で。そんな偉大な言葉だけど,最近,私は一周回って言葉がいらないゲイムをプレイしましたよってお話です。「Kingdom: Two Crowns」PC / PlayStation 4 / Xbox One / Nintendo Switch)っていうゲイムなんだけど。面白いという情報を仕入れてはいながら,なかなか手が出なくて。

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 で,最近Nintendo Switch版がリリースされたってことで,ひとまずヤッてみたわけです。そしたらね,ちゃんと面白かった。何が面白いって,このゲイムは私が好きなジャンルであるところのシミュレーションゲイムなんだけど,プレイ感覚としては非常に新鮮な国作りゲイムなのよね。
 プレイヤーができるのは基本的に左右への移動と,お金を使うことだけ。細かく言えば鳥に乗って相手を吹き飛ばすことなんかもできたりするけど,そこはさほど重要じゃない。移動してお金を使うことで,国が発展していくわけですね。もちろん,一筋縄ではいかないわよ。夜になると敵が出てきて王国を襲ってくる。それを防ぐために,考えながら国を作っていかなきゃいけない。そのシンプルかつ奥深い感じが,非常に面白いのです。

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 で,このゲイムには言葉がないのよ。いや,最初にほんのちょっとだけあるんだけど,逆に言うと本当にちょっと出てくるだけ。へたしたら説明不足なくらい。でも,それがいい。このゲイムって,試行錯誤のゲイムなのですよ。ここにお金を使ったらどうなるのかっていう説明が,ほぼない。やってみて初めて分かる感じ。
 だから「今,お金使うんじゃなかった!」って展開が何度かやってくる。で,結果,ヤり直したほうがいいんじゃないかということにもなる。これって,ぶっちゃけ言葉で説明すれば解ケツすることでもあるのよね。でも,このゲイムは言葉を使わない。その具合が凄い。
 ゲイム側がプレイヤーに説明するという手もあったでしょう。その場合でも,おそらく劇的にゲイム性が損なわれることはなかったと思うの。ただ! この説明不足が謎の緊張感を生み出しているのよね。インディーズゲイムならではの,説明不足が生み出す何か。ユーザーフレンドリーな方向に行きがちの昨今のゲイムに逆行するこの雰囲気は,もはや“味”と言っていいと思うわ。

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 面白く味のあるインディーズゲイムを求めているならば,この作品はうってつけと言っていいでしょうね。本当に面白い。明らかに説明不足ではあるけど。でも,分からないことでのやる気シャットダウンっていうのはなかったわ。私個人にとっては,だけど。
 そして,作り手として言葉を使わないことで逆に生み出せるものもあるんだなっていう勉強にはなったわ。ていねいに説明することだけが面白さではない。言葉はあるけど一周回って使わない。それもまた,言葉を持つ人間ならではの物事の楽しみ方なんでしょうね。

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 というわけで,言葉足らずの面白さを持つゲイムを,言葉で説明するという訳の分からない状況になりましたが。ひとまず,2019年になって最初に購入したダウンロードゲイムが,たいへん面白いものでありました。滑り出し上々です。2019年の24分の1を終えた今のところ,楽しい年になっております。このまま楽しい一年になればいいなあ。
 それでは何か事件が起こらないことを願いつつ,また来週。

今週のハマりゲイム
PlayStation 4:「JUDGE EYES:死神の遺言
Nintendo Switch:「Kingdom: Two Crowns
iOS:「龍が如く ONLINE

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
ディーノ選手が所属するDDTプロレスは,本日(1月17日),神奈川・新百合トウェンティワンホール大会「DDTプロレス初進出!ドラマティック・シンユリーゼ2019」を,1月19日に群馬・ヤマダグリ−ンド−ム前橋サブイベントエリア大会「DDTはまだ群馬を知らない2019」を開催します。欠場中のディーノ選手ですが,本日の会場には足を運ぶかも? とのこと。「タロット占いでもやろうかなって……」と語っていましたが,どうやら体調自体は良くなってきているらしく,「スポーツは体にいいと思って続けてきたプロレスだったけど,休んでいる間に体調が良くなるということは,どうもプロレスって体に悪いみたい」と,何やら真実に目覚めてしまったようです。
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