連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第624回「時代に合わせて変わるものと変わらないもの」
例えば「TVが昔に比べて面白くなくなった」とか。これって実はすごく難しい問題でもあって。要するに,それを言う人が「TV番組が面白く感じられなくなった」だけの可能性もあると思うの。いや,もちろん世の中的に気にしなければならないことも多くなって,作り方というか内容だったり表現だったりも,きっと昔と比べて変わっているんでしょう。
それを踏まえたとしても。じゃあ昔のような社会に戻れるのかって言ったら,きっとそれはできない。現在の便利さを享受する以上,現在の価値観にある程度は合わせる必要が出てくるわよね。
例えば,スマホなしで生活できるのか。スマホを持っていない人の場合でも,ガラケーでいいや。それを持たずに生活できるのか。そもそも携帯電話を持たない人でも,インターネットの恩恵を受けずに生きていけるのか。
正直,難しいと思う。もちろん,絶対にできないわけではないわ。そういうものに極力触れずに生活している人だっている。だから,全員とは言わない。けれども,世の中の多くの人は便利さを更新し続けて今を生きているわけで。だとすると,やはり昔の良かったことだけを取り上げてアレコレ言うのはフェアじゃないなーと私は思うわけです。
TVと世の中の便利さとでは,直接の関係はないと思うかもしれない。でもエンターテイメントって,大衆文化だから関係があるのですよ。世の中の意識や感覚に沿って生まれるものが大半だから。
今どきインターネットで情報を収集できないコンテンツはめったにないし,SNSによる前情報が重要になるものだってあるし,動画でどういう出し物なのかを配信しているものだってある。逆に,受け止めた人が悪いものだと感じてしまったら,それが一瞬で拡散されてしまう場合だってある。要は,エンターテイメントの内容って,世の中の利便性と無関係ではないよって思うわけなの。
まあ,「昔は良かった」って言葉だけで言う分にはいいんだけどね。ただ,本気で作り手にそういうクレームをつける人がいるとすれば,これはもう何を得て何を失ったかって話になってくるので,一度落ち着いたほうがいいよと思ったわけです。で,何が言いたいかというと,TVだけでなくゲイムでもプロレスでも過去がどうって言われがちだって話なのですよ。
長くゲイムをプレイしていると,どうしても「あ,このゲイムって〇〇っぽいな」と思ってしまうことがあるのは私だけじゃないよね? ここでの〇〇には,ゲイムのタイトルが入る場合もあるし,メーカー名やブランド名が入ることもある。今回はそれが,メーカー名だったわけで。
というのも,私,前作と体験版をプレイしているにも関わらず,どこが出しているゲイムなのかを把握せずにいたのよね。キャラクターの雰囲気だとか,世界観だとかがとてもスクウェア・エニックスっぽいなーと思って遊んでいたら,やっぱりそうだった。もちろん,いい意味で。
しっかりと面白いのよ。そう思うと,昔からのイメージどおりに面白いってどんだけすごいことなんだろうか,と。冒頭で話したとおり,ゲイムって「昔は面白かった」「昔はめっちゃ遊んだ」って言われがちなエンターテイメントなわけですよ。そこにはいろんな背景があるんだろうけど,じゃあ今,昔のクオリティで出していいか? となると,そういうわけでは決してない。少なからず,時代に沿わなければならない部分が多いはずなの。その中で昔の雰囲気を醸し出しつつRPGとして面白いって,なかなかできることではないと私は思う。
ゲイムの説明は……まあいいか。4Gamer内に記事もいっぱいあるし,体験版もあるから現時点で気になっている人は試してもらうとして。私がこの記事で書くべきは,私の視点で見たときにどういう人にオススメするかってことだと思うのよね。
なので,最大のオススメポイントとして,FFやらロマサガやらに代表される“スクエニRPG”っぽさがめちゃくちゃある作品って部分を押し出したい。しっかりとした言葉で説明できずに申し訳ないけど。感覚的に昔のスクエニRPGが好きだった人は,ほぼ間違いなく楽しめると思う。
ホラ,結局は雰囲気だったりするじゃん? そういう意味ではめちゃくちゃ雰囲気のあるRPGでございます。そのうえでゲイムとしてもしっかり面白い。昔のスクエニ作品をプレイしていない人からしても,きっと面白いと感じられるはず。
逆に,けっこうガッツリ系のRPGではあるので,ゲイムに向き合う必要はあるのかなとは感じたわ。それこそ,昔はボリュームがあってナンボみたいなところもあったじゃない。なので,気楽なものを求めているのであれば,ちょっと体験版で試してみてからのほうがいいのかも。
あ,でもゲイム内容的に気楽ではないってわけではなく,やっぱり有利に進めるには多くの職業の経験値を上げたほうがいいのよ。だから,ついついそこに時間を取られてしまうという意味。面白いが故のジレンマですな。ついついヤり込んでしまい,その底がない。結局そこまでヤり込むと,時間がいくらあっても足りないのよね。そういう意味。なので,シンプルにガッツリ系のRPGを求めている人にとっては,その要求に応えてくれる作品だと思うわ。
というわけで,今週は価値観が変わっていくなかで,ちゃんと昔ながらの“らしさ”を残しつつ,今の時流に合った面白いものに仕上げていくスクウェア・エニックスってすげえなって話でございました。その最新作がブレイブリーデフォルトIIです。
いや,ホント最近はずっとこの作品をプレイしているわ。自分らしさ。それが今この時代に合うのかどうか。いや違うな。いいように合わせて,いいように残していけば,それこそが自分らしさになっていくんだろうね。私も,どんな時代になっても自分らしく生きていきたいモノです。ではまた来週。ごきげんよう。
今週のハマりゲイム
PlayStation 4:「eFootball ウイニングイレブン 2021 SEASON UPDATE」
Nintendo Switch:「ブレイブリーデフォルトII」
iOS:「龍が如く ONLINE」
iOS:「ハンドレッドソウル」
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション」
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ブレイブリーデフォルトII
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