連載
インディーズゲームの小部屋:Room#614「Sayonara Wild Hearts」
最近は,劇場でチケットのもぎりをしたり,出撃すると見せかけて花見の号令をかけたりしている筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第614回は,Simogoが開発した「Sayonara Wild Hearts」を紹介する。本作は,ポップでお洒落なサウンドに乗って,高速でステージを駆け抜けていく音楽アクションゲームだ。大浴場で体が勝手に動いたことは一度もありません。本当です。
主人公となるのは,恋に破れた悲しみによって時空を歪めてしまった一人の少女。夢の中でダイヤモンドの蝶に出会った少女は,星のハイウェイに導かれ,そこで自分に覆面ライダー「ザ・フール」という別の顔が隠されていたことを知る。そして世界の調和を取り戻すため,バラバラに砕けてしまったハートの破片を集めることに……というのが本作のストーリーだ。
基本的なゲームシステムは,ザ・フールに変身した少女を操作して,バイクやスケートボードなど,さまざまな手段でステージを疾走しながら,障害物を避けてハートの破片を集めていくというもの。さらに,各ステージではザ・フールと同じようにマスクを付けたボスが登場し,彼らとのバイクレースやダンスバトルなど,多彩なバトルに勝利しなくてはならない。
音楽はすべて,本作のために書き下ろされたオリジナルの楽曲で,普段はHM/HRとアニソンしか聴かない筆者にはなじみがない,ダブステップやトランスなどのEDMがメインだが,どれもお洒落で洗練されている。「さよならワイルドハーツ」というタイトルではあるが,“ビートルズ・ミーツ・メタリカ”と形容されたイギリス出身のロックバンドとは一切関係ない。ナンテコッタ……。ちなみに,筆者のペンネームはこのバンドのメンバーに由来している。
紫やピンクをメインに使ったネオンカラーの街並みが印象的で,音楽と完璧にシンクロしたステージ構成と,ジェットコースターのようなスピード感が本作の大きな魅力だ。とくに,ステージの演出はかなり凝ったものとなっており,シーンに応じてカメラアングルが大胆に切り替わるだけでなく,レースゲームやシューティングゲーム風など,ゲームシステムそのものがステージごとにガラリと変わるのが面白い。
障害物を避けながら,タイミングよくボタンを押すだけというシンプルな内容だが,ビートの利いた音楽に乗って,目もくらむような速さでステージを駆け抜ける爽快感は格別。あまりにも速いため,目視してから障害物をかわすのはほぼ無理だが,失敗してもすぐにやり直しができるので,誰でもすぐに音と映像の一体感に浸れるだろう。謳い文句どおり,レースもバトルも失恋も,すべてが時速200マイルで展開されるこの快感を,ぜひ体験してほしい。そんな本作は,Steamにて1320円で発売中だ。オススメです。
■「Sayonara Wild Hearts」公式サイト
http://simogo.com/work/sayonara-wild-hearts/- 関連タイトル:
Sayonara Wild Hearts
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Sayonara Wild Hearts
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(C)2019 Simogo AB. All rights reserved. Published by Annapurna Interactive under exclusive license.
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