プレイレポート
実装に向けて解決すべき課題は? 「パンドラサーガ」新コンテンツ「領土侵攻戦」公開テストのレポートを掲載
その概要や基本的なルールなどは,「こちら」の記事や,公式サイトに掲載されている情報(1,2)を参考にしてほしい。
今回,ロッソインデックスのオフィスで公開テストの様子を確認してきたので,そこで得られた情報を交えつつレポートしよう。
「パンドラサーガ」公式サイト
事前に登録しなかった,あるいは抽選に外れたプレイヤーは,義勇兵として領土侵攻戦に参加できる。なお今回の公開テストは,正規兵が80名,義勇兵が20名という設定で実施されており,正式実装時も同じ人数配分となる予定だ。
正規兵と義勇兵の主な違いは,倒されたときの扱いだ。正規兵は戦場内で復帰できるのに対し,義勇兵は一度街に戻されてしまうので,あらためて参戦を申し込む必要がある。
ただし,あらためて参戦登録を行っても,すでに枠が埋まっている場合は,空きができるまで──つまり参戦している義勇兵の誰かが倒されるまで待機することになる。ほかに待機しているプレイヤーがいるときは,登録した順番に戦場へ送り込まれる仕組みだ。
また,正規兵として参加するには費用の支払いが必要だが,その代わり,勝利したときに獲得できる報酬は正規兵のほうが大きくなっている。
領土侵攻戦の事前登録時に,正規兵の抽選が行われる。今回,正規兵枠は80名分に設定された |
残念ながら正規兵になれなかったという人も,義勇兵として領土侵攻戦に参加できる。より多くのプレイヤーが参戦できるようにするための仕様だ |
領土侵攻戦の勝敗は,「侵攻ポイント」によって決定される。侵攻ポイントは,侵攻側がマップ上の拠点の内部に設置された「コア」を破壊することなどで加算されていき,その状況は画面上部の「侵攻ゲージ」で示される。
逆に守備側は,侵攻側のキャラクターを倒すことなどで侵攻ポイントを奪い返せる。
領土侵攻戦の開始時,侵攻ゲージは侵攻側(赤)と防衛側(青)が50%ずつになっている。制限時間内に侵攻側のゲージを最大まで溜めるか,マップ上のコアをすべて破壊すれば,侵攻側の勝利。逆に侵攻側のゲージをゼロにするか,ゲージが最大にならないよう,制限時間が経過するまで守り抜けば,防衛側の勝ちとなる。
ちなみに,コアを破壊しても,侵攻側が拠点を占拠できるわけではなく,あくまでも侵攻ポイントが加算されるだけだ。またコアは,一度破壊しても10分後に復活する。したがって,侵攻側が全コア破壊による勝利を狙うには,複数の拠点を同時に攻めるといった戦術が必要となるだろう。
拠点。マップ上には,大拠点と数か所の小拠点が配置されており,その内部にコアがある |
拠点入り口にはセーフティウォールが張られている。侵攻側は,これを破壊しないと内部に進入できない |
拠点の内部は入り組んだ構造になっているため,攻防戦が発生しやすい |
「ゴーレム召喚箱」。召喚用アイテムは,領土侵攻戦中に支給される。今回は,攻撃ゴーレムのみ実装されていた |
公開テストの戦場となったのはマップ「巨人の椅子」。狭まった地形の多いマップに大拠点と4か所の小拠点が配置され,防衛側にとって有利な構造となっている。今回は,王国軍が侵攻側,連合軍が防衛側となって戦いを繰り広げた。
序盤は,王国軍が連続でコアを破壊し優勢かと思われたが,これに対して連合軍は,戦力を集中して防衛ラインを形成した。
ここで,コアを破壊することで侵攻ポイントが獲得できるという基本ルールを踏まえれば,王国軍は連合軍の“しかけ”に応じる必要はなく,むしろ戦力を分散させて各拠点に攻め入り,コアの破壊を目指すべきだったと思われる。
しかし今回は,王国軍と連合軍が防衛ライン上で激しい攻防を繰り広げる展開となった。こうなると,侵攻ポイントの獲得条件や,ゴーレムを召喚できるといった点から,守備側が俄然有利になる。
マップ「巨人の椅子」。狭い地形が多いため,防衛ラインを形成することで守備を固めやすく,防衛側にとって有利な構造といえる |
今回のテストでは,防衛ライン上で激しい攻防が展開された。領土侵攻戦のルールを踏まえると,防衛側と正面からぶつかるのは,侵攻側にとって得策ではなさそうだ |
実際,侵攻ゲージの青の部分がジリジリと増えていき,そこからも防衛側の優勢が確認できた。
対する王国軍もただ手をこまねいていたわけではなく,コアの破壊によるポイント獲得を狙ったのだが,戦況はなかなか変わらない。結局,40分ほどが経過した時点で侵攻ポイントがゼロに。連合軍が防衛に成功し,勝利をつかんだ。
防衛側が召喚できる攻撃ゴーレムは,周囲にいる敵をひたすら攻撃し続ける |
公開テストでは,攻撃ゴーレムにターゲットされたほとんどのプレイヤーが倒されていた。今後も同様のバランスになる予定とのこと |
ロッソインデックスでは,公開テストの経過を分析し,予期していなかった不具合の修正はもちろん,各種のバランス調整を行う予定だ。
ここでいう“各種のバランス”とは,拠点を守るセーフティウォールや,コア自体の耐久度,コアを破壊したときに侵攻側が獲得する侵攻ポイントの量,倒された正規兵が復活するときに消費される侵攻ポイントの量などを指している。
正規兵が倒された場合,通常より多く侵攻ポイントを消費することで,より早く戦場へ復帰できる。戦況に応じて活用するとよさそうだ |
侵攻ゲージが青一色に。慌ててコアへの攻撃を再開したものの,流れは変えられなかった |
調整すべきバランスなどは別にして,今回公開テストを取材して感じたのは,プレイヤーに対するルールの説明が少し足りなかったのではないかということ。前述のとおり,領土侵攻戦ではコアを破壊しても拠点を占拠できるわけではないが,その点を誤解しているプレイヤーが多かった印象だ。
また,侵攻側がコアの破壊を後回しにしたことから防衛側との総力戦になってしまったことも,ルール説明が不足していたことに起因しているように思えた。
ロッソインデックスのオフィス内では,この問題を解消するため,ルールを噛み砕いて説明する場を設ける必要があるのではないかといった意見交換が行われていた。
中には,領土侵攻戦において有効な戦術を具体的に紹介してはどうかといったアイデアもあった。
二つの国家から参加した,最大100人ずつのキャラクターが戦いを繰り広げる領土侵攻戦。今回,多数のプレイヤーが参加して行われた公開テストを通し,さまざまな課題が見えてきたようだ。ロッソインデックスでは,この領土侵攻戦を11月下旬に実装すべく,作業を進めていくとのこと。
ちなみに現在,パンドラサーガの開発はロッソインデックス自身が手がけている。プレイヤーから運営に寄せられた意見や要望が,これまで以上に迅速に開発に届けられることが期待できそうだ。
対人戦闘に重きを置く本作において,大きな柱の一つとなるであろう領土侵攻戦が,より完成度の高いコンテンツとして登場することを楽しみにしよう。
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