インタビュー
「パンドラサーガ」に32種類もの4次職が一挙実装。その特徴やゲームにもたらす影響などをプロデューサーに聞いてみた
パンドラサーガの4次職は,従来の3次職16種がそれぞれ2系統に派生する形となっており,全部で32種類も存在する。その方向性は,1つが3次職の純粋な上位バージョン,もう1つがこれまでにない特殊なスタイルとなっている。4次職の種類や名称を以下に掲載するので,確認してみてほしい。
ウォーリア系
3次職:ジャガーノート
→ベルセルク(BERSERK)
さらに攻撃性に特化したクラスとなります。圧倒的な近接戦闘時の性能はそのままに、「二刀流」等の新たな戦闘方法を身に着けることができます。
→マローダー(Marauder)
戦いを極めんとして、ついには武器に頼らない戦闘技術を身に着けたクラスとなります。剣や斧といった武器を握ることはできなくなりますが、代わりに拳を用いた専用の格闘術を使います。
3次職:ドラグーン
→トルーパー(Trooper)
軍馬による突撃力をさらに上昇させたクラスとなります。機動力を損なうことなく攻撃力を増すことで、一撃離脱を得意とします。
→チャリオット(Chariot)
馬術とは異なる騎乗技術を身に着けたクラスとなります。機動力は凡庸なものとなりますが、特殊な攻撃手段を駆使して戦列を組むことができるようになります。
3次職:ジェネラル
→マーシャル(Marshal)
全軍を率いるのに申し分ない防御性能と、友軍を守る能力を兼ね備えたクラスとなります。自身だけでなく、周囲の仲間を防御することにも優れています。
→イモータル(Immortal)
不死者の名を冠する最高の防御性能を持ったクラスとなります。
自身の肉体を用い、敵の突撃や進行を阻むことを得意としています。
3次職:パラディン
→スティグマータ(Stigmata)
剣技、祈祷、祝福スキルがさらに成長したバランスの良い魔法剣士型のクラスとなります。攻守のバランスが良く、万能型とも呼べる力を発揮します。
→グランドクロス(Grand Cross)
魔法攻撃に対して絶対の防御性能を見せる対攻撃魔法型のクラスとなります。敵の戦線が魔法攻撃を軸としている場合、強力な対抗策となり得る存在です。
スカウト系
3次職:アサシン
→ガロウズ(Gallows)
短剣による二刀流と高速ステップを使い、敵を翻弄する技巧派クラスとなります。
防御の低い敵を狙うことで、敵軍の布陣を崩し、戦線を崩すことが可能となります。
→エクスクルード(Exclude)
必殺の信念の元、敵を仕留めきることに特化したクラスとなります。リスクを度外視した暗殺術で敵を鮮やかに屠りますが、退路を確保することが課題となります。
3次職:ディスターバンス
→ミミック(Mimic)
様々な設置罠を極めた職人的クラスとなります。特に待ち伏せや退却戦で真価を発揮します。
→アジテーター(Agitator)
妨害技術に特化した戦法を用いるクラスとなります。状況は限られますが、膠着した状況を一気に覆すような可能性を秘めています。
3次職:スナイパー
→ガンスリンガー(Gunslinger)
最新鋭の武器である「銃」を扱える唯一のクラスとなります。武器特有の制限を多く受けますが、長々距離からの高火力で敵後衛を仕留めることに特化しています。
→スコーピオン(Scorpion)
弓を用いた連射、範囲射撃による敵の接近を許さない弾幕を得意とするクラスとなります。戦線の構築や不用意に接近した者の行動を封じるなど、支援的な攻撃を得意とします。
3次職:プレデター
→ストーカー(Stalker)
ハイディング探知に特化したクラスとなります。アサシン系職業への強力な対抗策となり、より強力になった暗殺術への対抗策として欠かせない存在となります。
→リーバー(Reaver)
調合により状況に応じたアイテムを生み出すことができるクラスとなります。作成したアイテムを配布することで友軍を支援したり、強力な毒を用いて前線に加わることも可能です。
アコライト系
3次職:クレリック
→カーディナル(Cardinal)
回復能力をさらに向上させたクラスとなります。最高の後方支援能力を持ちますが、自身の持つ脆弱性は克服されておらず、それを補う立ち回りが要求されます。
→ビショップ(Bishop)
状態異常への耐性や、その治療を得意とするクラスとなります。友軍を健常な状態に保つことで、戦線を盤石にすることが可能となります。
3次職:エンチャンター
→シーカー(Seeker)
特定条件に特化した防御バフを扱うクラスとなります。状況を見て的確な支援を行うことで、味方の生存率が格段に上昇します。
→エピック(Epic)
戦線で聖歌を唄い、強力な支援を行うクラスとなります。効果は絶大で他の職業で行える支援を凌駕しますが、範囲が非常に狭く自身が危険に晒される代償を伴います。
3次職:モンク
→クルセイダー(Crusader)
打撃に特化して、気絶や行動制限を与える近接支援を得意とするクラスとなります。妨害を専門とするクラスと比較すると一歩譲ることになりますが、高い防御能力を兼ね備えており、激しい戦闘にも耐えることができます。
→ファナティック(Fanatic)
近接攻撃手段を残しつつ、独自の支援スキルを幾つか習得することができるクラスとなります。万能となるか凡庸となるかは使い手次第となり、玄人向けとなっています。
3次職:エクソシスト
→シャーマン(Shaman)
敵の扱う弱体化魔法への対策を極めたクラスとなります。受けた弱体化魔法を解呪することや、弱体化する時間を大幅に短縮する防御魔法などを得意としています。
→アドヴェント(Advent)
光属性の魔法攻撃を主体としたクラスとなります。支援能力も申し分ないため後衛としても十分な能力を有しており、状況に応じて攻守を切り替えることができます。
メイジ系
3次職:ウォーロック
→セージ(Sage)
火炎、冷気、電撃の魔法をさらに極めたクラスとなります。それぞれの上位魔法を用い、戦局を左右するほどの高火力を有することができます。
→メイガス(Magus)
無属性魔法を用いて属性防御の隙間を切り崩すクラスとなります。対策は難しく、ほとんどの敵に安定して被害を与えることができます。
3次職:コンジュラー
→ワーデン(Warden)
様々な召喚獣の使役を行う召喚に特化したクラスとなります。局面に合わせた召喚獣を選択することで、他ではできないような柔軟な戦闘が可能となります。
→ワンダラー(Wanderer)
「位置」を武器とした戦いを得意としたクラスとなります。長距離・短距離輸送から、敵を強制的に移動させるような戦略的特殊スキルを多用します。
3次職:カラミティ
→ケイオス(Chaos)
独自の剣術を扱い、さらに闇属性の魔法と混合させた攻撃を行う魔法剣士と呼ぶべきクラスとなります。防御を顧みず突撃することで敵の防衛線を引き裂く攻撃力を持っていますが、防御に難があるため戦線で生き残るには工夫が必要です。
→ディアボロス(Diabolos)
闇属性の魔法攻撃を主体としたクラスとなります。強力な効果を発揮する反面、扱い方に癖のあるスキルが多くなっています。
3次職:ジェスター
→ディザスター(Disaster)
周囲に存在する敵対者に対して、強力な弱体化魔法をばら撒くクラスとなります。弱体化魔法が蔓延した状況下では、実際の戦力を発揮することは叶わず、多勢が敗走する光景を作り出すことも可能となります。
→リッチ(Lich)
不死者の使役と、一通りの弱体化魔法を扱えるクラスとなります。激しい戦場でこそ真価を発揮することができ、状況次第では単体で戦局へ大きな影響を与えることも可能です。
「パンドラサーガでは,1次職4種類,2次職8種類,3次職16種類,そして今回の4次職は32種類と,上位職になるごとに数は倍に増えてきました。これは数字上の都合だけではなく,とくに対人戦コンテンツにおいて,みんなが同じ職業を使うのでは面白くないので,いろいろな人がそれぞれのプレイスタイルで戦える環境を整えたいという思いがあってのことです」(鈴木氏)
数多い4次職の中でも特徴的なのは,新しい戦闘スタイルや武器を駆使するタイプだろう。いくつか例を挙げていくと,3次職「ジャガーノート」から派生する「ベルセルク」は,新たに二刀流が使えるようになる職業だ。片手に持つ武器は剣で固定だが,もう片方の手には斧などの違った武器を装備可能なので,両方のスキルを駆使できるという。
また,「スナイパー」から派生する「ガンスリンガー」は,銃器を扱える唯一の職業で,中長距離における単体攻撃に優れている。
そして「ドラグーン」から派生する「チャリオット」は,騎乗用のドラゴン「騎竜」に乗って戦えることが特徴となる。騎竜は従来の馬とは異なり,炎や雷を吐くスキルが使用可能。属性や基礎能力が異なる18種類の騎竜が用意されているとのことだ。
魔法系で面白いのは「エクソシスト」派生の「アドヴェント」で,これはアコライト系でありながら光属性の魔法攻撃を主体とする職業だ。無論,アコライト系特有の支援能力も持ち合わせているので,うまく使い分ければ新たな戦い方ができそうだ。「ウォーロック」派生の「メイガス」も,属性防御を無視してダメージを与える無属性魔法という,変わった魔法を使用できる。
「32種類の4次職の中で注目を集めるのは,二刀流や銃,騎竜といった新しい要素を持つ職業になるかと思いますが,ほかにも面白い職業がいろいろとあります。個人的にオススメなのは,『ワーデン』と『リッチ』です。ワーデンは装備している武器によって召喚できるモンスターが変わるという,これまでの召喚職とは異なる特徴を持っています。またリッチは,アンデッドモンスターを召喚できるほか,ドラゴンゾンビに騎乗できます。チャリオット以外で騎竜に乗れるのはリッチだけです」(鈴木氏)
なお,4月25日の時点で,各4次職に実装される新スキルは3種類程度になるとのこと(ただし,ガンスリンガーなどまったく新しい要素を持つ職業は,より多くのスキルが用意される)。これは,最初から全スキルを使えるようにしてしまうと,バランス調整が困難になるという理由によるもので,続く5月,6月のアップデートにて,段階的に使用可能スキルが増えていく予定だ。鈴木氏は,全スキルの揃う6月のアップデートで,4次職が完成すると話していた。
そのほか,4次職の実装に合わせて,物理攻撃に斬撃/打撃/射撃という属性が加わる。これにより,従来からある魔法攻撃の属性に加えて,さらに攻防の選択肢が増えることになるだろう。
さらに今回のアップデートでは,レベルキャップのレベル60から65への引き上げと,既存マップのリニューアルが行われる予定だ。具体的にはマップの拡張や新モンスターの追加,レベルキャップ引き上げに伴う進入条件の変更などである。
また「ジークへイム攻防戦」にて勝敗が偏るという意見から,連敗している国家にハンディキャップが与えられ,かつ勝利した場合に追加のボーナスが付与されるという仕組みも導入される。
このアップデート以降は,鈴木氏によると,初心者向けの施策に力を入れた展開が予定されているそうだ。とくに,ゲーム序盤から中盤までの流れを見直し,これまでよりも短期間で対人戦へと参戦できるようにしていくとのことである。
「パンドラサーガの最大の特徴は,何と言っても対人戦です。しかし残念ながら,これまではせっかくゲームを始めたのに,対人戦に至る前に辞めてしまうという方が少なからずいらっしゃいました。そこで,遊んでいて自然な流れの中で対人戦に参加できるよう,見直しを図ることとなりました。さらに上級者と初心者の交流を促すべく,クランのメンバー募集および加入が今まで以上に簡単に行えるシステムの導入も進めています」(鈴木氏)
加えて2013年は,既存のコンテンツの改修と,新たな戦場マップの追加も予定されているという。夏には,毎年恒例となっている対人戦イベント「パンドラジャパンカップ」も開催される予定だ。
最後に,鈴木氏からパンドラサーガのプレイヤーに向けたメッセージを掲載して,本稿の締めとしよう。
「実は私は,一時期パンドラサーガの担当を離れていたのですが,こうしてまた帰ってくることができました。あらためて考えるのは,パンドラサーガをほかの対人戦ゲームとは違う,オリジナリティあるものにしていきたいということです。“正解”のない,さまざまなプレイスタイルで楽しめるゲームにしていきます」(鈴木氏)
「パンドラサーガ」公式サイト
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