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[COMPUTEX]「Turbo Unlocker」そして次世代R.O.G.マザー「Immensity」。ASUSの技術説明会レポート
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印刷2010/06/08 00:00

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[COMPUTEX]「Turbo Unlocker」そして次世代R.O.G.マザー「Immensity」。ASUSの技術説明会レポート

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 COMPUTEX TAIPEI 2010の会期中,ASUSTeK Computer(以下,ASUS)は,台北市内のレストラン「Peony Japanese Cuisine」で,マザーボード製品に関する技術説明会「Bring Tomorrow’s Technology Today」を開催した。
 説明会では,Core i7&i5 Kシリーズに対応した「Intel Turbo Boost Technology」(以下,Turbo Boost)拡張機能「Turbo Unlocker」,そして,次世代R.O.G.コンセプトモデル「Immensity」の開発背景などが披露されたので,今回は,その内容をレポートしたい。

Joe Hsieh氏(General Manager of ASUS Motherboard Business Unit, ASUSTeK Computer)
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 さて説明会では,ASUSでマザーボードビジネスを統括するJoe Hsieh(ジョー・シエ)氏が,「ASUSのマザーボードでは,CPUソケットの中心から,メモリソケットの両端までの距離が等しい二等辺三角形状になる『ゴールデントライアングル』設計を行うことで,CPUやメモリ周りの性能をフルに引き出し,オーバークロックのポテンシャルも引き上げられる」とアピール。また,マザーボードの電源回路を最適化することにより,システムの安定性向上を図り,さらに動作温度の引き下げも実現できると,ASUS製マザーボードの概要を紹介した。

マザーボードの設計ひとつで,オーバークロック性能や安定性も違ってくるとHsieh氏
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Intelプラットフォームで

Turbo Unlockerをサポート


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 ASUSは,LGA1156環境で倍率ロックフリーのCore i7&i5 Kシリーズが登場したのを受け,Intelプラットフォームでも,Turbo Unlockerをサポートする。
 「でも」と書いたことで想像がついたと思うが,Turbo Unlockerは,先にAMDプラットフォームで導入されたもの。AMD 8シリーズチップセット搭載マザーボードで利用できる“AMD版Turbo Unlocker”の場合,Phenom II X6の「AMD Turbo CORE Technology」(以下,Turbo CORE)設定をカスタマイズし,有効になるコアの数や,有効時の段数を引き上げたり,Phenom II X4/X3/X2 Black Editionで,Turbo CORE(ライクな)機能を有効化するものとして実装されている。

 これに対して今回の“Intel版Turbo Unlocker”では,Core i7 Extreme EditionとCore i7&i5 Kシリーズで,Turbo Boost設定値を変えたり,Turbo Boostで動作クロックを引き上げるコアを動的に切り替えながら,常に最大限のTurbo Boostポテンシャルを引き出したりできるものだという。Turbo Boostの閾値はTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)によって規定されるので,「特定のコアに熱が籠もってTDPの上限に達する」のを避けようということのようだ。

シングルスレッド時は,定格倍率比+9倍,29倍動作が可能と謳われる
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 説明会では,シングルスレッドアプリケーション利用時に,最大で定格クロック比プラス931MHz(=定格動作倍率比プラス7倍)のTurbo Boost動作が可能になるとして,実際に「Core i7-875K/2.93GHz」搭載システムで,「Super Pai」を走らせるデモが行われた。通常のTurbo Boostだと,シングルスレッド処理の場合,特定の1コアだけがターボモードへ移行するが,Intel版Turbo Unlockerを利用することで,ターボモード動作するコアを動的に切り替えながら,最大動作倍率29倍に達するとアピールされた。

Intel版Turbo Unlockerのデモ。Super PaiでTurbo Boostの動作倍率が29倍にまで引き上げられ,さらに29倍動作のコアが動的に切り替えられている
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R.O.G.次世代コンセプトモデル

Immensityの狙いとは


ストリートファイターシリーズになぞらえて,Immensityの開発コンセプトが紹介された。異なる二つの力が合わさることで,さらに大きな力を引き出せるというなら,持ち出してくるのはリュウじゃないほうがよかったような……
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 さらにHsieh氏は,COMPUTEX TAIPEI 2010のASUSブースで公開されたR.O.G.ブランドのコンセプトモデル,Immensityの狙いを披露。「(同程度の実力を持つ)ケン使い同士が戦ったとしたら,その勝敗を予測するのは難しいが,片方にリュウ使いがサポートで入ったとしたら,その結果は火を見るより明らかだ」と,ストリートファイターシリーズを題材に(少々強引な)喩え。そのうえで,「二つの力が合わされば,より大きな力を発揮できる」というコンセプトで開発が始まった製品だと紹介した。

R.O.G.のコンセプトモデル,Immensity
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 そんなImmensityにおける最大の特徴は,オンボードでATI Mobility Radeon HDシリーズのGPUを搭載する――公開されたサンプルに載っていたのは「ATI Mobility Radeon HD 5670」だった――とともに,LucidLogix Technologies製のHydra Engine対応チップを採用することで,異種混合マルチGPU環境を構築できる点にある。

ATI Mobility Radeon GPUやHydra Engine対応ブリッジチップを搭載
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オンボードでGPUを搭載するため,グラフィックスカードを1枚追加するだけで,Hydra EngineによるデュアルGPU構成を取れるのが,Immensitgyにおける最大のメリットと紹介された
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 Hsieh氏は,オンボードGPUとHydra Engineにより,グラフィックスカードを1枚差すだけで,ユーザーは手軽にマルチGPUパフォーマンスを引き出せるのが,最大の特徴だと強調。ATI CrossFireXやNVIDIA SLIと比べて,より柔軟なアップグレードも行えるようになるメリットについても言及した。

 Immensityベースのマザーボードは,2011年前半にも市場投入する計画。搭載されるGPUなどは,これから再選定する計画だという。

Immensityのブロックダイヤグラム
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Immensityの利用シナリオ。ハイエンドGPUとオンボードのGPUの組み合わせでパフォーマンスをさらに引き上げたり,ミドルクラスGPUとオンボードGPUでハイエンドGPUの性能を目指したり,GeForceとATI Radeonの異種混合マルチGPU動作を実現させたりできるという
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TPU&EPUのポイントを再確認


TPUとEPU,二つの独自マイクロコントローラにより,他社製品と差別化
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 なおHsieh氏は,最近のASUS製マザーボードで特徴となっている「TPU」(TurboV Processing Unit)と「EPU」(Energy Processing Unit),二つのマイクロコントローラが持つ機能も紹介した。最後になるが,簡単にまとめておこう。

 TPUについて氏は,「どんなエキスパートも,一人でアプリケーションに最適なセッティングを見いだすには,多くの労力と時間を必要とする。その点TurboVは,パフォーマンスチューニングのプロ何人もが,TPUを介してアドバイスを送ってくれるのと同じ」と紹介。ユーザーの使い方に合わせたチューニングを,短時間で実現できると,そのポイントをまとめてみせた。
 また,「TPUを搭載することで,チューニング用プロファイルの処理でCPUリソースを占有することがなくなるのも大きなメリット」とHsieh氏。TurboVによって,CPUをデフォルト設定で使うよりも平均して37%ほど高性能化が図れるという。

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TPU搭載マザーボードはASUSエンジニアのノウハウが詰め込まれ,専任のチームがオーバークロック設定を行うようなものと説明された
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TPU搭載マザーボードでは,デフォルト設定に比べて平均37%ものパフォーマンスアップが可能になる?!

 一方のEPUに関しては,「高負荷時におけるシステム全体の消費電力を80%低減できる。長期間使い続けることを考えれば,とても財布にやさしいソリューションだ」とアピールされている。

すでにASUS製マザーボードの97%がEPUを搭載。高負荷時におけるシステム全体の消費電力を,EPU非搭載のマザーボードと比べて最大80%低減できるとされた
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