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ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第2回「インディ・ジョーンズ」シリーズ,真のパート4とは?<後編>
「インディ・ジョーンズ」パート4は「アトランティスの運命」だ
そんなジョージにかかっては,自分の発言をなかったことにするのもお手の物。スター・ウォーズのみならず,「インディ・ジョーンズ」でも……。
「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」公開前,ジョージは海外の雑誌のインタビューに,「『インディ・ジョーンズ』は,パート3『最後の聖戦』の直後から続編の話があったのだが,良い脚本に恵まれなかったため,19年も映画化を保留することになってしまった」と語っている。だが筆者は忘れはしない。幻となった第4作のことを。
1993年8月のこと。当時のビクター音楽産業からFM TWONS用に,「インディ・ ジョーンズ アトランティスの運命」というゲームが発売された。これは,ルーカス・アーツが開発した作品のローカライズ版である。いまだに語られる「モンキーアイランド」のようなアドベンチャーゲームで,個人的にはいろいろな意味で期待度の高かったタイトルだった。なお,1995年に今は亡きマイクロマウスからPC版もリリースされている(メガCD版も予定されていたが発売中止に)。
1992年頃に発売された海外のゲーム誌には,アトランティスの運命について,ルーカス・アーツの開発者へインタビューした模様が掲載されていた。それによると,「現在ビデオゲームとして作っている最中の『アトランティスの運命』は,映画『インディ・ジョーンズ』シリーズのパート4として脚本が用意されたもの。映画とゲームのメディアミックスを狙っていたのだ。ただ,映画版はルーカス・フィルムで話を進めていたものの,ハリソン・フォードが『ジョーンズ博士の役目は終わった』と続投を断ってきたことをきっかけに資金が集まらなくなり,制作を断念せざるをえなくなった。しかしジョージ本人がシナリオを気に入っていたので,せめてゲーム化だけでもしようということになった」のだそうだ。
「アトランティスの運命」映画化頓挫の理由とは……?
1994年に海外でリリースされたSNES版「インディ・ジョーンズ」は,日本ではビクター・エンタテインメントから発売された。決してピットフォールではないぞ! |
拡大縮小の強みを生かした複葉機での空中戦や,ムチを使ったアクションなど完成度の高い作りには敬服。映画の三部作をゲームに反映させた構成で,今遊んでも飽きない作りになっている |
大勢のマスコミが詰めかける中,質疑応答で筆者のターンが訪れるのか? 今回の映画に関する質問しか受け付けてもらえないのではないか? という心配はあったが,クリスタル・スカルの王国がパート4として宣伝されている以上,幻となったパート4こと,アトランティスの運命は避けては通れないはず! アトランティスの運命の死に水をとれるのは,この自分だけだ! と自らに言い聞かせながら,ジョージからは米粒ほどにしか見えないであろう会場最後部に着席。
会見が始まり,ごくごく一般的な質問や,「日本にも徳川埋蔵金という秘宝があるので次の作品は日本で展開しては?」なんてナイス質問が飛び交う中,意を決して挙手したところ,司会の襟川クロさん(コーエーのシブサワ・コウ氏とは兄弟)から指名されることに成功。そして,「『インディ・ジョーンズ』の映画は今回の作品がパート4とのことですが,1992年に発売されたゲーム『アトランティスの運命』と同時に映画版の製作も進行していましたよね? なぜゲームだけになってしまい映画は実現しなかったのか,その事情を教えてください」という質問をぶつけた。
するとジョージは,「『アトランティスの運命』はルーカス・アーツがゲームを作っただけで終わった。確かに映画化の話は浮上していたが,問題があって映画を作るまでに至らなかった。なぜなら,シナリオが映画化するに足るほどのボリュームではなかったからだ」と回答してくれた。ジョージは普段,インタビューでゲームの話を振られると,「その質問には答えられない」と返してくる。しかし記者会見ではさすがにそんな逃げ方をせず,正々堂々と受け止めてくれたのである。
確かに前述の,「良い脚本に恵まれなかったため,19年も映画化を保留することになってしまった」という発言との食い違いはない。ならば,当時インタビューに答えていたルーカス・アーツの開発者が,ウソをついていたということなのだろうか?
だが,ルーカス・フィルムとルーカス・アーツはリレーションが高く,ゲームの作り手と映画の作り手の意思疎通に優れているのが特徴であるということを考えると,1992年当時の開発者の話こそが,真実に近いのではないか,と筆者は思うのだ。
さすがに隣にハリソンがいる状況で,「ハリソン・フォードが出演を断ったから製作資金が集まらなくなって,映画を作れなくなっちゃったんだよね」なんて話はできないだろうし!
まあ,ジョージにはジョージの事情があるのだろう。が,やっぱり何というか,ジョージの発言をそのまま鵜呑みにはできないなぁという認識を新たにし,筆者は六本木ヒルズを後にした。
「地獄の機械」は2001年にゲームボーイカラー版も発売された。なんだかトップヴューな「悪魔城ドラキュラ」のようにも見えてしまう…… |
テレビシリーズ「ヤング・インディ・ジョーンズ」も1992年にNES(左),1994年にGENESIS(右)でゲーム化。ゲーム自体は横スクロールアクションの,可もなく不可もない内容 |
アーケード版は,日本ではアタリとナムコが共同でリリース。ヒットしたはずだが,プレイシティキャロット系列以外では見かけなかった |
スタンド筐体を採用したアーケード版は,アメリカからの直輸入品だった。ウイリアムスがリリースしたピンボールは,日本国内ではメダルゲームを多く取り扱っていたシグマ系列の大型ゲームセンターに置いてあった程度。なかなかお目にかかれなかった |
ドブ漬けGAMEスープレックス(2)
Xbox 360「The Orange Box」(エレクトロニック・アーツ)
4Gmaer読者の多くはPC版でプレイ済みかもしれないが,このところ,週末から日曜日にかけてはエレクトロニック・アーツから発売中の「The Orange Box」(Xbox 360版)を遊びまくっている。
ValveのFPS「ハーフライフ2」を含む5タイトルが,アジアの海賊版ゲームに良くありがちな“N in 1”(この書き方ってなぜか背徳感あるなぁ)スタイルで詰め込まれたパッケージだ。
オレンジボックスに収録されたタイトルの中では,「ポータル」の秀逸なアイデアに感動。FPSでパズルゲームを遊ばせるなんて……まだまだゲームの可能性は残されているんだなと,不沈艦ラリアットを食らったぐらいの衝撃を脳髄に受けた。
恥ずかしながら,ハーフライフ2にはまだ手を付けられていないのだが,「チームフォートレス2」が面白いという噂を聞いたので,ちょろっと遊んでみたところ,見事にオンライン対戦にハマってしまい,やめるタイミングを見失って仕事を放置!
海の向こうの皆さんとチーム対戦をすると,彼らが妙に交戦的なものだから,仕方なくメディックを使ってライフ回復ばかりを担当するようになってしまったため,いつの間にかプロ仕様なメディックになってしまった……。本当はヘビーを使ってガトリングガンをバリバリ発射したいのに。
画面はPC版のものです
「The Orange Box」(Xbox 360版)公式サイト
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