初心者でも遊びやすい基本システムも特徴の一つ。新作MMORPG「Lost Eden」の先行プレイレポートを掲載

　8月27日よりクローズドβテスター募集が開始される（関連記事），ゲームズアリーナのMMORPG「Lost Eden 〜神々のきえた国〜」。すでに韓国やドイツなど海外では「4Story」というタイトルでサービスが行われているが，テキストおよびNPCのボイスなどが日本語化され，日本ではLost Edenとして展開することになった。4Gamerでは先行テストプレイとして，ゲーム序盤のクエストとRvRの基本となる「地域占領戦」を体験してきたのでさっそくレポートしよう。

「Lost Eden 〜神々のきえた国〜」公式サイト

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「Lost Eden 〜神々のきえた国〜」CBT募集情報

分かりやすく初心者にも優しい基本システム

　プレイヤーキャラクターとして選べる種族はヒューマン/ビースト/フェアリーの3種類で，それぞれ男女が用意されている。またジョブはウォーリア/アサシン/アーチャー/メイジ/プリースト/サモナーの6種類。テストプレイは短時間だったため，すべてを体験できたわけではないが，各ジョブとも名前から想像できるとおりの内容となっているようだ。また国家や種族によるジョブ選択の制約はとくにないが，初期ステータスによる向き/不向きはあるとのこと。これもビーストなら近接攻撃職向き，フェアリーなら魔法職向きといったように，ファンタジー色の強いゲームをプレイした経験がある人なら，比較的イメージしやすい傾向にある。

ヒューマン/ビースト/フェアリーそれぞれの男女。いずれの種族も髪型4タイプ，髪の色は7タイプ用意されている

ステータスは自動的に上昇していくため，難しいことを考える必要はない。兜の表示/非表示は喜ぶ人も多そうだ

　プレイヤーの成長にはレベル制を採用し，各ステータスは自動的に上昇していく。スキルの体系はツリー状となっており，それぞれレベルなどの前提条件を満たしたうえで，レベルアップ時に得られるポイントとゲーム内通貨を消費して習得する。ジョブによっては特定系統のスキルに特化した「構え」（いわゆるスタンス）も存在し，スキルの取捨選択によるプレイスタイルのバリエーションは多岐に及びそうな感じを受けた。

もちろん，エモーションも用意されている。ダンスは3種類表示されているが，さらに種族や性別で異なる踊りをするとのこと。ムービーも用意したので，確認してほしい

　操作体系はオーソドックスなマウスオペレーションのほか，W/A/S/Dキーによる移動およびスペースバーによるジャンプ，Tabキーによるターゲット，数字キーによるスキルのショートカットに対応。移動速度については，個人的には若干モタつくように感じたので，人によっては騎乗ペットやスピードアップアイテム（有料アイテムとして提供される予定）が欲しくなるかもしれない。
　なおスキルスロットは多段表示や自由配置が可能，かつロックもできたりと，ユーザーインターフェイス周りは基本に忠実ながらも，カスタマイズ次第でかなり使い勝手が変わりそうだ。

先行テストプレイでは体験できなかったが，騎乗用のペットも存在する

レベル4〜5でも，アクティブなネームドモンスターを狩るクエストが登場。ノックバック攻撃に注意

　クエストは1000種類を超えるという触れ込みどおり，マップを開くと街がクエストアイコンで埋め尽くされるほど豊富。ただし，まだ条件を満たしておらず受諾できないものもすべて表示されており，現在のレベルで受けられるものがわかりにくく，埋もれてしまうケースもあり，改善の必要性も感じられた。
　序盤のクエストはチュートリアルを兼ねており，基本的なゲームの流れやNPCの配置，ポータルの使用方法などを一連のストーリーに沿って段階的に学ぶことができる。対象モンスターの生息地域やドロップアイテムの収集に最低限必要となる討伐数などを含め，無駄な労力を強いない自然な流れとなっており，MMORPGの初心者であっても投げ出すことなく馴染んでいけるよう配慮されている。

ゲームはメインストーリーに沿って進行する。また一連の流れを持った連続クエストも多数用意されているようだ	クエストの有無や受注可能/進行中クエストなどは，一般的なMMORPGでお馴染みの「！」と「？」のアイコンで分かりやすく表示される
クエストジャーナルもこれといって特筆する部分こそないが，情報が過不足なく表示されている	序盤のクエストに必要なアイテムは，該当モンスターを倒すとほぼ確実に入手できるため，無駄な狩りをしなくて済む

頭上に表示されている矢印が「リアルタイム・ストラテジック・コマンド・システム（RSCS）」。基本的には矢印の方向に向かえばいい

　本作の特徴の一つである，「リアルタイム・ストラテジック・コマンド・システム（RSCS）」も体験してみた。これは，部隊（パーティ）のリーダーが進みたい方向や倒したい敵などをリアルタイムで指示できるシステムだ。指示の出し方は簡単で，リーダーとなったプレイヤーが，指示マップモードに変更したマップ上をクリックするだけ。指示を行うと，部隊のすべてのプレイヤーの頭上に向かうべき方角が矢印で視覚化されるほか，マップ上にも，現在地から指示ポイントまで直線が描かれるので，非常に分かりやすいものになっている。ただし，矢印は目的のポイントを道なりに示すわけではないので，特に足元には注意しておこう。矢印だけを見て進んでいた筆者のキャラクターが，崖から飛び降りて死んでしまった（ちゃんと高さの概念があるのだ……）のは言うまでもない。

　なお，1部隊は最大7人編成，さらに7部隊まで連結できるのだが（いわゆるレイド），その場合は連結部隊のリーダーがRSCSを利用して指示を出せる。上手にRSCSを活用できれば，大規模戦のときに命令系統がまとまらず，全体がばらばらになってしまう……という事態を回避できるはずだ。また指示モードのマップには，一定範囲内にいる部隊メンバーの状況（敵味方が点で表示）も表示される。例えば，敵に取り囲まれたメンバーを確認したら，即座に援護の指示を出すなんてこともできるわけである。もっとも対人戦の場合は，敵のリーダーもRSCSを使えてしまうので，システム面での有利不利はない。それだけに，リーダーの手腕がいっそう問われることになり，より組織だった熱い戦いを期待できるだろう。

国家戦略の重要なキーとなる「地域占領戦」

国家間の勢力マップ。城があるマスの近くに配置された，交戦マークのついているマスが占領可能地域だ。なお，すべてのマップがクローズドβテスト時にオープンされるわけではないとのこと。どのマップが開放されるかは後日の発表を待とう

　Lost Eden最大の売りは，対立する3国家が繰り広げるRvRであり，すでに4Gamerや公式サイトで紹介されているとおり，戦闘地域や中立地帯での小規模な遭遇戦から大規模な攻城戦に至るまでいくつか段階が設けられている。今回体験した地域占領戦は，連日定時に実施されるもので，攻城戦開催のキーとなる重要性の高い戦いだ。

　戦闘地域には，各国家が所有できる城とそれに関連する三つの占領可能地域が存在する。占領可能地域のうち二つ以上を占領すれば，その城を攻めることが可能となる。占領戦の制限時間はおよそ30分で，攻撃側はNPCのガーディアンと敵国家のプレイヤーを倒しながら奥へと進み，最終的に「守護神」を倒せれば占領となる。一方，守備側は攻撃側を牽制し，守護神を30分間守りきれば防衛成功だ。ちなみに守護神は，体力が一定以下になると大型モンスターに変身し，その場にいるプレイヤーを無差別に攻撃し始めるため，守備側にとっても少々厄介な存在になってしまうのだ。

地域占領戦は30分前から告知される。攻撃側のプレイヤーは開始時刻に遅れると参戦できないルールになっている

地域占領戦本番ではNPCのガーディアンを次々に粉砕。あとは砦前に陣取る守門長（警備隊長）を倒すと……

守門長を倒すと，パラの守護神が登場する。実際には守備側のプレイヤーが邪魔してくるので，スムースには行かないだろう

守護神は，体力がゼロになると大型モンスターに変身する。脅威の存在だが，今回はレベル差があったので楽勝

川など，水中に潜ることも可能。下のゲージは呼吸量を示しており，ゼロになると当然ダメージを受けはじめて最終的には死んでしまうのだ

　今回はテストプレイということで，敵プレイヤー不在の状態だったため，ガーディアンを次々に撃破。最後尾を守る警備隊長を倒すと，いよいよ守護神と対決なのだが，使用したキャラクターのレベルが高かったこともあって，まったく苦労することなく倒せてしまった。結局のところ，全体の進行がどんなものか確認するだけに終始したのだが，実際に人数/レベルとも同程度のプレイヤー同士が入り乱れて攻防を繰り広げるならば，イメージは変わってくるだろう。

　また実際の地域占領戦は，同時刻に複数の地域で開催され，一度開始されれば攻撃側プレイヤーの入場は不可能となる。したがって勝利を掴むためには，今日はどこを攻めるか，あるいはどこを優先的に守るべきかといった国家レベルでの戦略が重要になる。指導力のあるリーダーのもと，いち早く団結を固めた国家が有利となるのは間違いない。

　さてLost Edenは後発タイトルであることから，従来のMMORPGが売りにしてきた長所をふんだんに盛り込んでいる。そのため，なかなか「ここが新機軸！」というポイントを見出しにくいのだが，その半面コンテンツは豊富に用意され，内容も安定しているように感じた。したがって簡単に遊び尽くせるようなものではなく，レベルキャップに達したとしても，RvRによる国家間の駆け引きが存在することから，長い期間に渡って楽しめるタイトルになるのではないかと筆者は期待している。なお，今回のテストプレイでは日本語表示が不完全で，ところどころ怪しい部分が見受けられたが，クローズドβテストの実施に向けて鋭意ブラッシュアップ中とのこと。興味のある人は，ぜひクローズドβテスターに応募しよう。