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「初音ミク×セガ」プロジェクト5周年を記念した開発陣によるトークショーの模様をレポート。初の海外向け新作「初音ミク Project mirai Remix」も発表に
イベント期間中は,初音ミクとコラボしたアトラクションをはじめ,オリジナルメニューやグッズの販売,そしてメインステージではスペシャルライブが毎日開催されるなど,まさに東京ジョイポリスが“みっくみく”になっているのだ。
「SEGA feat. HATSUNE MIKU Project 5th Anniversary in JOYPOLIS」公式サイト
本稿では,7月2日に実施されたセガの開発陣によるトークショーの模様を中心にレポートをお届けしよう。ステージに登壇したのは,「初音ミク -Project DIVA-」シリーズのプロデューサーを務める林 誠司氏,「初音ミク Project mirai」「初音ミク Project DIVA Arcade」シリーズのプロデューサー 大崎 誠氏,そして「SEGA feat. HATSUNE MIKU Project」の統括プロデューサー 内海 洋氏の3名だ。今だからこそ明かせる開発秘話や今後のプロジェクト展開などの話題が飛び出し,会場に集まった大勢のファンを喜ばせた。
トークショーの冒頭では,まず「SEGA feat. HATSUNE MIKU Project」の関連タイトルの累計出荷本数が250万本に到達したことが報告された(関連記事)。登壇者は,ファンに感謝の言葉を述べるとともに,今後もこれまで以上にプロジェクトを盛り上げていきたいと意欲を見せていた。
同プロジェクトの1作めとなる「初音ミク -Project DIVA-」について,内海氏は試行錯誤の連続で実にさまざまなことがあったという。初めてタイトルの情報が公開されたときには,ネット上で「壮大な釣り」と揶揄されたと,冗談を交えながら語っていた。また,当初は2009年3月に発売を予定していた同作だが,クオリティに満足できなかったため,同年7月に延期したことにも言及。「もう(発売は)ダメかな」と思った瞬間が何度もあったそうだが,開発の終盤になって飛躍的にクオリティが向上し,なんとか発売にこぎつけることができたと振り返っていた。
2009年8月31日に開催された「ミクフェス '09」については,林氏が「実際にライブを観て,会場の一体感に感動した」とコメント。「この空気をゲームにもっと落とし込めないか」と考えたという。このとき,「初音ミク -Project DIVA- 2nd」は発売されていなかったが,非常に気が引き締まる思いだったそうだ。
初のアーケード向けとなる「初音ミク Project DIVA Arcade」に話題が移ると,大崎氏がかなりタイトなスケジュールであったことを明かした。同作は「ミクフェス '09」が終わったあたりから本格的に企画が走り出すと,11月頃にはグラフィックスが上がり,さらに翌年1月にロケテスト,4月には納期だったという。
続いて,林氏が「初音ミク -Project DIVA- 2nd」の開発当時に触れ,1作めは手探りの状態で制作していたことを踏まえて,開発体制を見直したとのこと。また,さまざまなクリエイターの楽曲を収録できることになったが,「あれも入れたい,これも入れたい」という贅沢な悩みの中で選曲したと語っていた。
2011年9月,東京ゲームショウ2011にて「初音ミク and Future Stars Project mirai」の公式プロモーションキャラクター「ミクダヨー」が初登場した(関連記事)。同作のプロデューサーを務めた大崎氏が「なんで俺のプロジェクトで,こんなヒドイ着ぐるみ(ミクダヨーのこと)作っちゃうの!」と思ったことを告白すると,会場は大きな笑いに包まれていた。
内海氏の釈明(?)によると,ミクダヨーを作るために専門店に行き,いろいろな着ぐるみを物色したそうだが,店内が暑かったこともあって,「なんか違うな」と思いつつも「これでいいです!」とあまり吟味せずに購入したという。「自分の子供が初めて描いた自画像みたいなもので,可愛いと思ってくれれば」と内海氏がコメントすると,大崎氏も笑顔で同意していた。
2011年11月に発売された「初音ミク -Project DIVA- extend」は,林氏によると,開発期間がちょうど東日本大震災と重なっていたという。「発売できるのか」との不安がよぎったそうだが,無事発売にこぎつけられたことで,関係者に感謝するとともに,ゲームを作れることは幸せであると実感したとのことだ。
初のPlayStation Vita向けとして2012年8月に発売された「初音ミク -Project DIVA- f」については,コンシューマとアーケードのチームが共同開発したプロジェクトだったため,さまざな苦労があったと振り返る。内海氏は,上司に「アーケードチームは可愛い女の子を作れたことがないので,その弱点をコンシューマチームが補います!」と熱く訴えたエピソードを明かし,会場を大いに沸かせていた。
ニコニコ生放送の視聴者からの質問に答えるコーナーや,同プロジェクトにゆかりのあるゲストを招いたコーナーも。「初音ミク -Project DIVA- f」シリーズの新作についての質問では,内海氏が「続編はやりたいと思っている」と回答。また,リズムアクション以外のジャンル展開の可能性には「検討したい」とコメントしていた |
9月17日に発売される「初音ミク×セガ」プロジェクト5周年記念アルバム「初音ミク Thank you 1826 Days 〜SEGA feat. HATSUNE MIKU Project 5th Anniversary Selection〜」も紹介された。収録曲は,ゲーム用に書き下ろした楽曲28曲を含む全39曲を予定(関連記事) |
さらに,欧州とアジア地域向けにニンテンドー3DS用ソフト「初音ミク Project mirai Remix」を2015年に発売することが発表された。国内で発売されているタイトルのローカライズに加え,イベントなどが追加されるとのこと。大崎氏は,発売決定の理由として海外のファンの要望が多かったことを挙げ,国内でもファンの声が高まれば発売する可能性はあると述べていた。
大勢のファンが詰めかけ,5周年を祝福したトークショーのラストは,登壇者の3名からファンにメッセージが送られた。それらを紹介して,本稿の締めとしたい。
大崎氏:
ここまで「初音ミク」に関わることになるとは思っていませんでした。ユーザーさんから厳しいお言葉をいただくこともありますが,温かい言葉もたくさんありました。本当に感謝しています。これからもご指導ご鞭撻いただければと思います。今日はありがとうございました。
林氏:
「DIVA」シリーズは初めから関わらせていただいていますが,まさかこういう形で5周年のイベントを開催できると思いませんでした。現在,僕らのチームでは「初音ミク -Project DIVA- F 2nd」のDLC展開を手がけていて,毎月何かしらの新しいコンテンツを追加しています。これからも「DIVA」シリーズをよろしくお願いします。
内海氏:
最初の作品を発売したときに,5周年を迎えたら販促物などのグッズを展示するんだ,と思いながらやってきました。これも皆さんのおかげです。(トークショーのラストに流れている)BGMを選んだのは自分なんですが,思わずウルッとしてきました。これからも楽しいゲームを作っていきますので,応援をお願いします。
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- 関連タイトル:
初音ミク -Project DIVA-
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初音ミク -Project DIVA- 2nd
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初音ミク -Project DIVA- F
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初音ミク Project DIVA Arcade
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- ライター:御簾納直彦
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デザイン協力 : ねんどろいど
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