オンラインゲーム
「アヴァロンの鍵オンライン」で実施された
「デッキコンテスト」の入賞作品について,その内容や使い方をGPコアエッジが解説していく本連載。最終回となる今回は,
「面白デッキ部門」編だ。
この部門の対象となるのは,文字どおり,強さは二の次で面白さをとことん追求したデッキ。入賞作品からは,「自分のデッキを見て楽しんでほしい」「好きな種族のカードを揃えてデッキを組みたい」といった,プレイヤーのこだわりが感じられる。
中には,なるほど,こんなやり方があるのかと思わず感心するデッキもあるので,ぜひ確認してほしい。
今回も,記事の最後に
4Gamer読者向けのカードプレゼントを用意してもらった。入賞したデッキで用いられているカードの別イラストバージョンがもらえるので,解説を参考にし,デッキ構築に役立ててほしい。
・第1回 フリーカード部門の入賞作解説記事
・第2回 総合部門の入賞作解説記事
面白さの真髄!? 最高のネタをご賞味あれ!
これまで2回にわたってお届けしてきた、デッキコンテスト入賞作の解説記事。
最終回となる第3回は、「面白部門」編だ。
この部門の応募条件は、“面白さを追求したデッキ”であること。
応募されたデッキは、いずれも「勝つ」ことにとらわれない自由な発想、そしてプレイヤーの愛や情熱が込められたものばかりだ。
プレイヤー達が考え抜いた“面白さの真髄”をお伝えしよう。
面白部門、応募作品一覧はこちら。
http://www.avalon-online.jp/event/event_100825_missionofkoara_candidate3.php
デッキコンテスト 面白部門 第1位 蒼石
キャラクター名:蒼石
デッキ名 :グレムリン・飛焔
作成者のコメント:
戦闘は放棄!移動は鈍足!しかし妨害能力はズバ抜けている!!
鍵を求める者のデッキではない
これは盤上に混沌を呼ぶ「妨害者」のデッキだ
山札・手札破壊、配置抹消、移動妨害…折り重なる悪夢に恐怖せよ
投票した方のコメント:
・非常に楽しませていただきました♪
・さすがの妨害と言ったところでしょうか?絶命3枚はwww
・計画的犯行わかっていても止められません
・とことん邪魔に徹しそう。
・対戦すれば凄さが伝わりますよ♪
面白部門、1位に輝いたのは蒼石氏のデッキ。
「悪魔」的な魅力を持つデッキが、多くのプレイヤーの支持を獲得した。
蒼石氏のコメントにもあるように、このデッキは「勝つ」ことを目的としていない。
目的はただ「妨害」することのみ。
本来ならば、「勝つ」ことを目的とするのがデッキ構築の基本だが、そんなことには目もくれていないのがすごい。面白部門ならではの入賞デッキと言えよう。
それでは、このデッキの「悪魔」的魅力を解説しよう。
手札や山札を破壊し尽くす「破壊の業火」、配置されているモンスターを抹殺する「絶命の波動」。
この2枚のカードが、このデッキのキーカードだ。
プレイヤーは常々、次のターンの自分の動きや、勝つまでの道筋などを計画/模索しているもの。
「次のほこらへは、このカードとこのカードを使って移動し、このモンスターで戦おう」「戦闘を有利に進めるために、このモンスターを配置しておこう」
そんな計画を、この2枚のカードはいとも簡単に打ち砕いてしまう。
使おうと思っていた手札は破壊され、綿密に計算したうえで配置しておいたはずのモンスターは死に絶える。計画は丸つぶれである。
しかも、それは1度だけでは終わらない。
ターンごとに破壊を実現するのが、この蒼石氏のデッキの素晴らしい(!?)点なのだ。
陰の立役者は「シータンク」。
一度使った破壊の業火や絶命の波動を手札に戻し、再度使えるようにしてくれる。
このモンスターのおかげでターンごとに妨害を実行できるわけだが、場合によっては1ターンに3回以上実行することも可能となる。
ほかのプレイヤーが戦うことを徹底的に妨害するこのデッキ。
実のところ、最も平和主義的なデッキなのかもしれない。
破壊の上に成り立つ平和、試してみてはいかがだろうか。
ただし、人間関係を悪化させないためにも、このデッキを使うのは、勝敗の記録が残らないフリーアリーナだけにしておくのが賢明だろう。
デッキコンテスト 面白部門 第2位 bronze
キャラクター名:bronze
デッキ名 :守護珍獣と戦士
作成者のコメント:
アヴァオンの女の子戦士(クララ、妖精騎士、フィフ、ユキフブキ)と伝説の戦士(桜、エリカ、ウォーメイド、ルーファン)から構成されたデッキ。戦士にはそれぞれの能力を生かす2匹の守護珍獣が♪詳細は日記で!
投票した方のコメント:
・最近のはガチで肉弾戦ですからねw
・珍獣と乙女のコラボレーションに、支援を珍獣統一がGOOD!
・想像力が群を抜いています
・デッキの構成が非常に良いと思います。
・日記読みましたー!! .....か、完璧です!!!!^^w
今回のデッキコンテストにおいて、全部門で入賞を果たしたbronze氏。
面白部門では、bronze氏の思い描くユニークな世界がデッキに込められている。
テーマは「女の子」と「珍獣」。その絶妙な組み合わせが評価され、多くの票を集めたようだ。
その絶妙な組み合わせの一部を解説しよう。
「バルキリークララ」は、「先制」と「先制避け」を兼ね備えているモンスターカード。その2つの能力から、確実に先手を取ることが可能だ。相手が先制能力を持っていても、その攻撃はバルキリークララには届かない。
そんなバルキリークララには、攻撃値を高めるカードを組み合わせるのが効果的だ。bronze氏のデッキの場合、「モグタン」(攻撃値+6、避け無効)と「エンペラー」(攻撃値+10)の2枚がそれにあたる。
どちらも攻撃値をアップさせるカードだが、モグタンはさらに避け無効の効果を持っている。バルキリークララの弱点は先制避けを食らうことだが、モグタンを使えば「避け」を無効化できるので、有利に戦えるわけだ。
また「フィフティニー」は、「戦闘支援」カードを使わない場合、「先制」と「攻撃値+10」の効果が発動するモンスター。この特徴を見る限り、戦闘支援カードは不要と考えがちだが、必ずしもそうとは限らない。
というのも、対戦相手が「相手はフィフティニーだから、戦闘支援モンスターは使ってこないだろう」と考えることを逆手にとり、優位に立つ作戦があるのだ。
それを実現するのが、「先制避け」を付加する戦闘支援モンスター「ガブール」。
本作では、先制の効果を付加されたモンスター同士が戦う場合、攻め込む側のモンスターが先に攻撃できる。そこで、フィフティニーに対して攻撃を行うときは、そのモンスターに先制効果を付加することが基本的な戦術となる。
その戦術の裏をかき、ガブールによって付加された先制避けで、相手モンスターの攻撃を華麗に回避しよう。
ここで解説したのは一部であるが、実際に使ってみると、そのデッキ構成の緻密さを味わえるはずだ。ぜひ試してみよう。
デッキコンテスト 面白部門 第3位(同率)POX
キャラクター名:POX
デッキ名 :メイドラマイマイ
作成者のコメント:
メイドラマイマイを使い回してマップを真っ青にしたあと、破壊の業火で青を焼き、移動事故を誘う。戦闘は考えず、ただマップの色を変えることだけが目的。
投票した方のコメント:
・真っ青にしてみたいと思いましたw
・その発想はなかったw
・ネプが入らないところにグッときた。
・使ってみたいデッキです。
POX氏のデッキの主役は紛れもなく「メイドラマイマイ」である。
デッキ名にもなっているのだが、実はこのエスカルゴ、なかなかのやり手だ。
さすが、“1000匹に1匹”という希少種だけのことはある。
それでは、メイドラマイマイの能力を解説しよう。
このモンスターは、ほかのモンスターにはない“マスの色を変える”能力を持っている。
カードで戦うだけでなく、カードを使ってボード上の“マス”を移動するという概念を持つ本作では、このマスの色が非常に重要なポイントとなる。なぜなら、カードの持つ宝石の色とマスの色が合わないと、そのマスへは移動できないからだ。
そのため本作では、色が合わずに身動きが取れなくなり(この状態は“移動事故”と呼ばれ、実際に遭遇するととても悲しい思いをする)、勝ちを逃すことがある。
メイドラマイマイは、その大事なマスの色を最大で9マスも変更できる。変える色は自由に選べるが、このデッキの場合は「青」を選択することがポイントだ。
極めつけはここから。今回2度目の登場となる、もう一つのキーカード「破壊の業火」を使用する。
このカードを使うと、全プレイヤーの手札や山札の中にある「任意の色のカード」をすべて破壊できる。
POX氏のデッキのモンスターは、メイドラマイマイ以外すべて青だが、破壊の業火であえて青のモンスターを破壊しよう。当然、自分自身のデッキ(山札)は全壊することになるが、山札は、すべてなくなるとリセットされて元に戻る(=青のカードが多数使用可能となる)ため、その後は悠々と移動できるわけだ。
一方、青のモンスターカードがデッキから全滅したほかのプレイヤーは、移動事故に苦しむことになる。
デッキコンテスト 面白部門 第3位(同率)ポン太
キャラクター名:ポン太
デッキ名 :珍獣
作成者のコメント:
仲間達が増えてますます結束力が高まった珍獣オンリーのデッキです。
入れているモンスターはもちろん魔法/支援もすべて珍獣関係の珍獣ラブデッキです♪
でもこの子達が本当の実力を発揮するのはもう少し先のお話だったりしますw
投票した方のコメント:
・珍獣萌えw
・珍獣愛は一度は通る道ですw
・珍獣丸かじり!やっぱりこれです(^_^)
ポン太氏のデッキのコンセプトは非常に分かりやすい。珍獣だ。
デッキリストを見ると分かるように、「珍獣族」のモンスターのみで成り立っている。実はポン太氏のデッキ以外にも、「種族」を統一したデッキがいくつか候補にノミネートされていたのだが、ポン太氏のデッキがより多くのプレイヤーに支持された。
その理由は、珍獣族で統一するという“ネタ”を主軸としながらも、デッキとしての完成度を高めたことにある。
防衛に向いている「アライクパ」(配置すると、耐久値が大幅にアップする)、侵略の要となる「エンペラー」(攻撃値を10プラスする支援効果を持つ)、そして確実な移動をもたらす「エイイアン」と「コアラ先生」のコンボが大きな特徴だ。
ここでは、「エイイアン」と「コアラ先生」のコンボをもう少し詳しく解説しよう。コンボとは、2枚以上のカードを組み合わせ、相乗効果を得ることだ。
まずコアラ先生を使って2マス移動し、好きなモンスターを“2マス先”(これが重要)に配置する。そして、自分の足元にエイイアンを配置しよう。
次に、エイイアンの能力を用い、まずは2マスのテレポートを実行する。エイイアンは、テレポート先にモンスターがいた場合、さらに4マスまでの移動が可能だ。テレポート先には、先ほどコアラ先生の効果を使って配置したモンスターがいるので、さらに4マステレポートできる。
テレポートの場合、マスの色は関係ないので、この方法によって確実に計8マス移動できるというわけだ。
珍獣族への愛が試される、ポン太氏のデッキ。
筆者も使ってみたが、愛が足りなかったようで、うまく使いこなせなかった。
実に愛らしい珍獣達のデッキを使い、癒されてみよう。
今回の4Gamer読者向けカードプレゼントでは、蒼石氏のデッキにも用いられていたシータンクのイラストチェンジカードを用意した。カードをドローするモンスターの代表格、シータンクを実戦に役立ててほしい。
<シータンク(イラストチェンジ)のシリアルキー>
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ログイン後、ホーム画面左下の「シリアル入力」で上のシリアルキーを入力することで入手できるぞ!
3回にわたってお届けした、デッキコンテスト入賞作の解説記事。
これらの記事を通して、さまざまなカードでデッキを組み、個性を発揮できるカードゲームの醍醐味を、少しでも感じてもらえれば幸いだ。
カードゲームをまだ体験したことのない方は、ぜひこの機会に触れてみてはいかがだろうか。