プレイレポート
「FINAL FANTASY XIV」αテストプレイレポート:各々のプレイスタイルに適したクエストをデザインできる“ギルドリーヴ”とは
少しずつ,着実に進んでいるαテストの現状
最初にαテストの近況について軽く触れておくと,テスト初期における「ゲームへのログインすらままならない」状況は大分改善されてきたが,ログインしたあとの(主にインスタンスエリア外での)ラグについては,解消されるまでにもう少し時間がかかりそうだ。
そんな感じで,まだまだ満足のいくプレイ環境とは言えないのだが,ログイン問題がそうであったように,ラグ問題が緩和されるのも時間の問題と思われる。つい先日,規約違反行為によってアップロードされたプレイ動画が一部で話題となっていたが,少なくとも現状は“αテスト”であり,スクウェア・エニックスが想定している製品クオリティには達していないバージョンだ。読者の皆さんも,“αバージョン”の限定的な情報でゲーム内容の善し悪しを決め付けることのないよう,くれぐれも注意してほしい。
さて,今回のプレイレポートでは,FFXIVの冒険におけるメインコンテンツのひとつ,“ギルドリーヴ”を紹介する。ギルドリーヴの概要から実際のプレイの流れ,そしてこのコンテンツが目指すところなどを探っていきたい。E3 2010で発表されるだろう新情報をチェックする前に,ぜひ目をとおしてほしい。
「FINAL FANTASY XIV」公式サイト
ギルドリーヴ=お手軽に遊べるクエスト生成システム
“ギルドリーヴ”とは,冒険者ギルドを通じて行なうクエスト生成のシステムである。装飾の付いたタロットカードのようなものを受け取り,世界各地にある“エーテライト”へ向かうと,さまざまなクエストが生成される仕組みだ。
ギルドリーヴに沿ってプレイすることで,マイペースでキャラ育成ができる。クエスト本編に専念できる環境も○ |
冒険者ギルドはリムサ・ロミンサの場合,“溺れる海豚亭”の中にある。ギルドリーヴを受け取るPCでご覧の盛況っぷりだ |
受け取るギルドリーヴの種類によって,ソロプレイからパーティプレイ,場合によってはRaid規模まで,さまざまなタイプのクエストが楽しめる。また,目的地への移動や帰還などといった,準備作業に煩わされないための環境が整えられており,短時間のプレイでもクエスト本編に集中しやすいのがポイント。しかも,部外者のプレイヤーなどに邪魔されず,マイペースで行なえるのだ。
αテストにおける第一の目的は,ゲームへのログインやサーバーの安定性など,オンラインゲームとしての基礎部分の検証/修正である。そして,それらをクリアしたうえで,現在真っ先にフィードバックをかき集めているのが,このギルドリーヴである。これはFFXIVにおけるメインコンテンツといってもよいだろう。
戦闘系のギルドリーヴを実際にプレイしてみた
それらのリーヴの詳細画面には,クエストの内容や報酬,そしてスタート地点となる“エーテライト”が記されている。エーテライトとは,世界各地に点在する巨大なクリスタルのことで,冒険者にとっての中継地点のような場所だ。αテストでもいくつかの存在が確認されており,最初に受けられるリージョナルリーヴは,いずれも“ビアデッド・ロック”という名のエーテライトがスタート地点となっている。
ギルドリーヴの詳細画面では「作戦任地」に注目。これが,クエスト開始地点となるエーテライトを示している |
リムサ・ロミンサを出て,エーテライトへ向かう。最初はテレポが使えないので,徒歩で移動する必要がある |
ビアデッド・ロックは,リムサ・ロミンサからもっとも近い場所にあるエーテライトである。リムサ・ロミンサを出て北北東へ約3分程度走ると,空中に浮かぶ大きなクリスタルが目に入る。
ワールドマップにはエーテライトの場所が記されている。リムサ・ロミンサとビアデッドロックは目と鼻の距離 |
ちなみにこのエーテライトに触れると,(ギルドリーヴとは関係なく)HP/MPが無償で回復できる。また,一度訪れたエーテライトは“テレポ”で瞬時に行き来でき,冒険中のショートカットとしても活用できる。エーテライト近辺には大勢の冒険者が集まっており,ときとしてリムサ・ロミンサをも上回る賑わいを見せる。今後はパーティメンバーの募集やトレードなども,この場所で行なわれそうである。
エーテライトに近づくと,リーヴに対応したクエストがスタート。画面左上にはクエストの進行状況がウィンドウで表示され,制限時間は基本的に30分となっていた。リージョナルリーヴの戦闘タイプは,「30分以内にプレイグラットを5匹倒せ」といった具合で,ほかのMMOタイトルの経験があれば問題なく進行できるだろう。
マップを頼りに進んで行くと,巨大なクリスタルが見える。あれがエーテライトだ |
エーテライトに触れるとクエストが開始。このタイミングから制限時間が課せられる |
ここでのポイントは,クエストに専念するための環境が色々と整えられていること。たとえば,討伐対象のモンスターがいる場所のヒントが,ミニマップ内に矢印や円などで示されている。FFXIではミニマップそのものがなかったため,これだけでも快適だと感じる人は多いだろう。
しかもクエスト対象のモンスターは,現在ギルドリーヴに参加している人(パーティメンバー含む)だけが視認できる。モンスターとの戦闘が始まると(FFXIと同様に)“占有”されるため,他人にモンスターを横取りされたりする心配も不要だ。
画面右上のミニマップに注目。赤い矢印が討伐モンスターの位置を示しているので,迷うことがない |
討伐対象のモンスターを発見! 易しめの難度を選べば,レベル1キャラのソロプレイでも十分遂行できる |
そうこうして対象モンスターを仕留めていくと,画面左上の進行状況ウィンドウがカウントされて,所定数を倒しきったらクリア。その際はワープポイントが現れ,そこへ飛び込むとエーテライトまで直ちに帰還できる。
基本的にはこのような流れで,クエストの目的だけを見ると,これといって特殊なことは行なっていない。しかし,細かいところまでサービスが行き届いているのがFFXIプレイヤーとしては新鮮で,仮にFFXIVが初めてのオンラインゲームだという人でも,これならすんなりと遊ぶことができそうだ。
画面左上のウィンドウで,クエストの進行状況が常に確認できる。制限時間があることに注意 |
クエストの対象モンスターは,名前の左に四角いアイコンが付いている。このモンスターは他人からは見えないようだ |
クエストを終了すると,その場にワープポイントが出現。移動などの手間が極力省かれているのだ |
ギルドリーヴの可能性は未知数
採集タイプのクエストは,ミニマップ上にヒントが表示されない。通常の採集活動を同じく、アビリティを利用すると目標となる場所が分かる |
このようなプレイスタイルは,FFXIの経験者にとっては,“フィールド・オブ・ヴァラー”(以下,FoV)を引き合いに説明するのが分かりやすいのではないだろうか。
簡単に説明するとFoVは,FFXIで2008年12月に導入されたシステムで,それまではパーティプレイ寄りだったゲームバランスを,ソロ〜少人数でもお手軽に遊べるようにした立役者として知られている。ああいったライトな遊び方が,FFXIVでも楽しめるというのは,多くの人にとって朗報といえるだろう。
ギルドリーヴは,FoVをはじめ“指定納品クエスト”や“アサルト”など,FFXIのノウハウをかき集めてシステムを再構築した印象を受ける |
ちなみにFoVの基本仕様については「こちら」の記事にて解説しており,また「こちら」の記事では初心者視点でレクチャーしている。FFXIVにおける大きなポイントだと思うので,気になった人は一度目をとおしておくとよいだろう。
もちろん,ギルドリーヴはFoVをそのまま流用してきているわけではなく,ミニマップ内のヒントやテレポなど,システムを全体的に洗練させている。また,本稿で紹介した討伐クエストは一番ベーシックなタイプで,ギルドリーヴ全体としてはもっと幅広いプレイスタイルに対応している。
クエストの開始時に,難度を5段階から選べる。急に知人がログインした際なども,ゲームバランスを臨機応変に調整できる |
αテストでは,提示されるギルドリーヴは2時間に1度シャッフルされていた。レアなギルドリーヴも登場するのだろうか? |
例えば,マイキャラは最大で8枚までのギルドリーヴを所持できるというのは先述したが,複数のメンバーがリーヴを持ち寄ることで,新しいタイプのクエストを生み出すこともできる。また,同じクエストでも難度を5段階の中から選択でき,ソロからフルパーティ,さらにはRaid規模まで,人数や実力に応じてバランスが設定できる。
現時点では,その全貌までは把握できていないが,ギルドリーヴが最終的に目指しているのは,「あらゆるプレイスタイルに向けて,適切なゲーム目的と報酬を用意するクエスト生成システム」なのかもしれない。今後のテストを経て,ギルドリーヴの可能性がどこまで広がっていくか,注目していきたいところだ。
一度訪れたエーテライトへ,“テレポ”のアビリティで直接移動できる。ギルドリーヴ以外に,冒険時のショートカット用途としても役立ちそうだ |
ギルドリーヴがあれば拠点エリアへ戻る頻度も少なくなる。このエーテライトを中心にコミュニティが形成されそうだ |
- 関連タイトル:
FINAL FANTASY XIV(旧)
- 関連タイトル:
ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア
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