プレイレポート
天下分け目の関ヶ原を爽快に楽しもう! 「戦国BASARA3」ファーストインプレッション
「戦国BASARA3」公式サイト
けれん味たっぷりなキャラクターたちのアクションやセリフ回しは健在。今回はゲーム中のキャラクターCGにフェイシャルの技術を導入し,表情も豊かになっている |
関ヶ原の時代には長曾我部元親や毛利元就などは存在しないのだが,本作ではプレイヤーキャラクターとしても登場する。雑賀孫市が女性という設定も面白いところだ |
また戦国BASARAシリーズといえば,戦国時代というテーマを,独自の“BASARA解釈”とでも言おうか,一風変わった世界観で表現しているのが大きな特徴だ。
英語混じりのセリフで決める伊達政宗や,拳ひとつで数十人の兵を吹っ飛ばす巨漢の豊臣秀吉,ロボットアニメに出てきてもおかしくない本多忠勝など,良い意味で“ぶっ飛んだ”武将各々のキャラクター設定は,他の戦国ゲームのフォーマットとはまったく別のところにあるといって過言ではない。そしてそれが,本作が成功した大きな一因になっているのである。
そんなわけで,今回はそんな戦国BASARAシリーズの最新作「戦国BASARA3」にフィーチャーしてみたい。
主人公は家康と三成,戦いの舞台は関ヶ原!
というのも,本作は戦国時代のクライマックスとも言える“関ヶ原の戦い”がテーマとなっており,登場する武将も,一部を除いて関ヶ原を中心に活躍した人物が揃っているのだ。
プレイヤーキャラクターとして使えるのは16人。最初はそのうち6人が使用可能で,伊達政宗と真田幸村以外の4人は新武将となっている。これまでのシリーズを遊んできたプレイヤーも新たな気分で挑むことができるはずだ。ちなみに他のプレイヤー武将は,後述する“戦国ドラマ絵巻”モードを順次クリアすることで,使えるようになっていくという寸法だ。
さて。そもそも戦国武将というのは,それを題材にした作家やファンそれぞれに思い入れがあり,描かれる作品によっても印象がガラリと変わるのが常だ。本作も例にもれず,前述の“BASARA解釈”に基づいたキャラクター設定がなされている。
例えば。前作までのちょっと気弱な少年から,明朗闊達な好青年へと成長した徳川家康は正統派の主人公。一方の石田三成は秀吉を倒した家康へ復讐の念を抱く新キャラクターで,家康とは正反対のダークヒーローの装いだ。彼らが率いる東軍・西軍に,他の武将がどのように関わっていくのかというストーリーが,本作の大きな見どころなのは言うまでもない。
もちろん,キャラクターのルックスやバックストーリーだけでなく,戦いにおいての個性(バトルスタイル)もさまざまで,拳を武器に戦う家康や,素早い刀さばきを得意とする三成のようなスタンダードで扱いやすいキャラから,巨大な数珠を弾のように飛ばして戦う大谷吉継,技によって火器を持ち替えて攻撃する雑賀孫市のようなトリッキーなキャラまで,扱えるキャラクターの幅は広い。
今回敵方のキャラクターとして登場する小早川秀秋や天海,最上義光などをはじめとする敵武将たちも非常に個性的で,ファンの間では,既に続編や外伝的な次回作への期待の声も挙がっているほど。
ちなみに筆者としては,歴史上では天才軍師として知られる黒田官兵衛を,手かせに鎖でつながれた鉄球を振り回して暴れるパワーキャラに仕上げたセンスがお気に入りなのだが,そういう「どうしてそうなった」という“BASARA的解釈”を楽しむのが,本シリーズとの正しい接し方というものであろう。
最初は扱いやすい家康や三成でプレイするのがオススメだが,誰を選ぶのもプレイヤーの自由。ちなみに誰かしらをクリアしないと,他のプレイヤー武将は出現しない |
敵武将の率いる勢力を戦って滅ぼすだけでなく,史実にもとづいて同盟を組むシーンもある。もちろん同盟を組む前には,その武将を倒す必要がある |
プレイヤー武将16人の関ヶ原での運命は!?
ゲームのメインとなるプレイモードは,「戦国ドラマ絵巻」と「自由合戦」の二種類。なかでも中心となるのが,やはり前者の戦国ドラマ絵巻だろう。
戦国ドラマ絵巻とは,好きな武将で進軍先を選んで進めていくストーリーモードで,どの武将でもルート分岐を経て関ヶ原へと集結し,それぞれの結末を迎えることになる。分岐によって物語の展開が変わる点も大きなポイントだ。アクションゲームのストーリーモードという意味では,屈指のボリュームを誇る内容に仕上がっている。
例えば。最初のルートをクリアするまでに最低でも2〜3時間程度かかるのだが,それが16人分用意され,さらに複数のルートが存在する……といえば,そのボリューム感が伝わるだろうか。筆者が石田三成を使って最初のエンディングを見たところ,“全体エンディング達成度”は1%だった。ほかのアクションゲームと比較しても,これほどのボリューム感を誇る作品はそうはないだろう。
なお,戦国ドラマ絵巻でクリアしたステージ(合戦)は,自由合戦モードで任意に選んでプレイすることができる。キャラクターのレベルや入手した武器・装具などは,戦国ドラマ絵巻と共用なので,自由合戦モードでレベル上げやタイムアタック,資源集めなども可能となっている。
初心者も上級者も楽しめる,間口の広いアクションゲーム
最近では,キャラクターゲームとしてのイメージも強い本作。しかし数々の大ヒットアクションゲームを送り出してきたカプコンが手がけるタイトルなだけあって,アクションゲームとしての本質部分にも手抜かりはない。
キャラクターの固有の技は,その性質や使い方も当然異なり,ボタンの押し方や組み合わせ次第で,効率的かつ華麗に敵を倒すことができるし,さらに“固有奥義”はどの技を装備するかによって,同じキャラクターで違った戦い方も可能だ。
ここに敵の動きが一定時間遅く見える“戦刻ブースト”や,必殺の“バサラ技”を組み込んでいけば,より気持ち良く敵を倒していくこともできる。
女性ファンを意識してか,ゲームの難度自体は比較的低めで,□ボタン(通常技)と△ボタン(固有技)を連打するだけでもクリアできるようになっていたりはするが,根本にあるアクションゲームとしての“芯”の太さはなかなかのものだ。
また本作では,各ステージに“陣地”が存在し,それを占領していくことでそのステージの敵武将を弱体化させられるのだが,腕に自信がなければじっくり陣地を占領して敵武将に挑むもよし,逆に自信があるなら陣地を取らずに敵武将に挑んでクリアタイムを縮めるのもよし。プレイヤーの腕/戦略によって遊び方を自由に変えていけるのも,本作のゲームとしての懐の深さを現している部分だと言えるかもしれない。
ともあれ,独特の戦国時代的世界観と爽快なアクションが存分に楽しめる本作「戦国BASARA3」。これまでのシリーズを遊んだことがない人でも,関ヶ原での出来事や各武将の立場などを知っていれば,“BASARA解釈”によるギャップや,分岐による新たなストーリーは十分に楽しめるはずだ。
ゲームとしての完成度も,人気シリーズの最新作として遜色のないクオリティに仕上がっているので,ぜひこれを機に“戦国BASARAという世界”に触れてみてほしいと思う。
戦刻ブースト時は敵の動きがスローに見え,敵に技が連続ヒットしたときの連撃数を伸ばしやすくなる。敵を倒すと効果時間が延びるので,できるだけ敵の多い場所で発動させて連撃数を稼ぐのだ |
陣地は取らなくてもクリアできるが,ステージの仕掛けなどによっては必ず取らなければならないものもある。どれを倒せばいいかは,仕掛けが発動するときに表示される |
「戦国BASARA3」公式サイト
(c)CAPCOM CO., LTD. 2010 ALL RIGHTS RESERVED.
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