このゲームの読者の評価
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この季節だからこそ、この作品か 75 - 投稿者:のらくろ(男性/30代)
- 投稿日:2010/08/18
- 良い点
- 1999年に発売されたLの季節と2008年に発売された続編であるLの季節2、
それらをセットにされたこの作品、
まず挙げるのは100時間遊べるというキャッチコピー通りのそのボリュームです。
元々が2作とも単品で売られていただけに、
1・2と共にかなりの文章量があります。
1はヒロインは多く、2はヒロインは少ないが、
その分各ヒロインのシナリオの量を多く用意しているといった印象を受けました。
シナリオはきゃっきゃうふふで脳味噌が溶けそうな
ギャルゲーを想像していたのですが、
かなり真面目で、ストーリーを読ませるタイプのシナリオであった事も
良い点として挙げたいと思います。
現実界・幻想界という基本的な社会構造が同じな並行世界にそれぞれ存在する
聖遼学園を舞台に、2人の主人公と七角ペンダントを巡る物語、
という基本設定は1・2と共に守られていますが、
1は基本的に現実界・幻想界と2人の主人公が関わりあう事が無く、
各ヒロインのシナリオを見る事で事件に至るまでの全体像を見る事ができるという
伏線で驚かされるタイプというよりは一つ一つピースを
嵌めて楽しむタイプのシナリオでした。
2の物語は現実界・幻想界のシナリオの同時進行感が1よりも強く、
お互いの主人公が関わりあったりしますが、
1のような現実界・幻想界とそれぞれ一つの線で繋がったシナリオ進行というよりは
各ヒロインにつき1本の線が用意されている、といった感じで、
シナリオの均等間はそこまでありませんでした。
ですが、現実界では「SE」、幻想界では「ニューロマンシー」と呼ばれる
マインドハッキングを使ったシナリオ進行はかなり面白く、
時にはプレイヤーが選択肢に寄らない、能動的なハッキングをしないと
バッドエンドに行くというプレイヤーに参加させるシステムはかなり面白かったです。
キャラも1の主人公よりは2の主人公の方が好感が持てたりと
個人的には2だけで買ってよかった、と思えるクオリティがありました。
ノベルゲームという性質上、面白さを語るにはネタバレが必要になるので、
この程度の説明とさせて頂きます。
キャラクターデザインも「ナースウィッチ小麦ちゃん」や最近では
アニメ「化物語」のキャラクターデザインで有名な渡辺明夫さんが担当しており、
とても綺麗な大人な女性や涎がナイアガラになりそうなほど可愛い女の子が
多数いるため、心の琴線に触れる物があったならば、迷わず絵買いしても
後悔しない出来なので、公式サイトを一読してみるのをお勧めします。
なお1と2には10年近くの開きがあるため、塗り・絵柄が結構変わってたりするので
それを楽しむのもまた一興かもしれません。
また、嬉しい事におまけのギャラリーモードでのCG閲覧から
スクリーンショットの撮影が可能なため、
お気に入りのシーンをPSPの壁紙にしたりする事が出来ます。
こういうのはもしかしたら当たり前なのかもしれませんが、
念のため挙げたいと思います。 - 悪い点
- Lの季節1
まず挙げるならば、分岐の箇所が非常に分かり辛い。
口出しシステムという各ヒロインへの印象を変える脳内選択肢で
印象が変わると、選択肢の内容が変わったりする事や、
選択肢に表示される行動に起きる行動予測がまったく出来ない物が多いため、
総当り的に見てイベントを把握していないと
目的のヒロインのルートに行けなかったりと
何度も同じ場面を見る事になったりする事が多かったです。
次に、初回は現実界・幻想界のメインヒロインのどちらかのトゥルーエンドルート
あるポイントまで行くと"続く!"みたいな強制終了となり、
別の界のヒロインのトゥルーエンドが最後まで見れる様になるという
システムになっているのですが、
最初にエンディングが見たいと思ったヒロインが寸止めになり、
別の界のヒロインを最後まで見てみるとその"続く!"の内容が
TVの"まだまだ続く"並に内容が短く、区切る必要性があるとは思えませんでした。
Lの季節2
シナリオの不整合性を挙げたいと思います。
Aルートに行かないと知る事の出来ない要素を
何故かBルートに行った後の共通ルートで話していたりと
フラグ管理が出来てない部分が散見され、
初めに見た時はかなり混乱してしまいました。
ノベルゲームとしてこういった矛盾は致命的な悪い要素にもなるため、
もう少しデバックして欲しかったです。
次に挙げるのは、現実界のあるヒロイン個別ルートです。
このヒロイン以外のルートはキャラクターの雰囲気・シナリオ展開と
共通感があり、どれも儚げながらも読ませるシナリオなのですが、
黒幕との遭遇からいきなり雰囲気・キャラクターが全部が壊れるます。
映画「グリーンマイル」を見ていて、シーンが変わったら展開が
「特攻野朗Aチーム」になっていたら視聴者はどんな気分になるか?という想像を
して頂ければどれだけ酷い壊れようだったか理解出来るかと思います。
何よりも酷い点は、PS・PS2からの移殖という事であり、
1のシステム改良が行なわれていたにも関わらず、
ここまで分かり易い2のシナリオの不整合な部分を
そのまま移殖したというのはいくらなんでも酷いのではないかな、と思います。
最後にですが、何がとは言いませんが、「鉄壁」でした。
別に悪い所でも無いし、硬派なノベルゲー好きには良い点として
評価されるでしょうが、どのアングルも鉄壁でした・・・鉄壁なのでした・・・。 - 総評
- ギャルゲーというよりはファンタジーサウンドノベルです。
全体的にアップテンポな作風では無く、ダウンで落ち着いた感じの作品であり、
展開もダルさを見せない締まった内容でした。
1粒で二度おいしい、そんな言葉で表現するのが最適なのではないかと思います。
もちろん甘い展開が無いという事では訳では無く、
2ではそういう展開も結構多めに楽しめたため、
ギャルゲーが好きな人にも当然ながら薦める事が出来ます。
全体的に落ち着いた佳作と評したいと思う、そんな作品でした。 - プレイ時間
- 40〜60時間
グラフィックス サウンド 快適さ/運営 熱中度/ストーリー ボリューム 5 3 3 4 5
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