インタビュー
日本展開が正式決定した「Eclipse of EDEN」は,スタイリッシュなアクションを追求したMMORPGだ
本作に関して,今回(2011年12月22日)の発表の約3か月前となる東京ゲームショウ2011に合わせて来日中だった,Eden EntertainmentのYoun-Jin Choi氏から話を聞くことができた。アクション性を重視したMMORPGとのことで,アクションゲーム好きな読者は要注目だ。
「Eclipse of EDEN」ティザーサイト公開
「Eclipse of EDEN」公式サイト
コンシューマゲームの良さを取り入れた「Eclipse of EDEN」
本日はよろしくお願いします。まずはChoiさんとEden Entertainmentについて,簡単に教えてください。
Youn-Jin Choi氏:
よろしくお願いします。私がCEOを務めるEden Entertainmentは,韓国で2005年に設立した開発会社です。設立後数年間は,モバイルゲームを中心に開発してきました。その間に開発会社としての実力を付け,本格的なクライアント型MMORPGを作ろうと思い,2007年から「LAST ONLINE」の開発に着手しています。まずは日本でサービスをスタートし,そこから韓国及びパブリッシング契約をしている国々でのローンチ時期を調整します。
4Gamer:
たしか2009年のG-Star会場で,LAST ONLINEを見ていますが,そのときはBtoB(Bisiness to Bisiness:商談向け)ブースでの出展でしたね。
Youn-Jin Choi氏:
ええ,4Gamerさんのことも覚えていますよ(笑)。コンシューマゲームの影響を強く受けて作ったタイトルということもあり,日本のメディアさんに取材してもらえたことがとても印象に残っています。
4Gamer:
ちなみに,今回は東京ゲームショウ2011の視察ということですが,ご覧になられての感想はいかがでしょうか。
Youn-Jin Choi氏:
日本のゲームショウを見るのは初めてだったのですが,コンシューマゲームの割合がとても高くて新鮮ですね。韓国のG-Starや中国のChina Joyなど,ほかのアジア諸国におけるゲームショウには数多く参加していますが,やはりオンラインゲームが中心という認識でしたので。
見方を変えると,日本のゲーム会社はオンラインゲームに対して,それほど力を入れていないのだなと思いました。韓国はオンラインゲームの開発に長けているので,コンシューマゲームの良さを取り入れた本作は,きっと受け入れてもらえると信じています。
本作は「アクションゲーム」そのもの
だから“ノンターゲッティング”なのは当たり前
それでは,「Eclipse of EDEN」の魅力を教えてください。
Youn-Jin Choi氏:
本作の最大の魅力は,アクション性の高さです。例えばプレイヤーキャラクターは,ダッシュ/ジャンプ/投げ技/緊急回避/空中コンボ/フィニッシュ攻撃などが行えます。しかも単にアクションが快適なだけでなく,打撃感の演出を追求しています。グラフィックスが綺麗でも,実際に操作すると手応えが感じられない作品も見受けられますが,本作は違います。
4Gamer:
Eclipse of EDENは“ノンターゲッティング”ということですが,これも最近のオンラインゲームのトレンドになっていますね。
Youn-Jin Choi氏:
分かりやすいのでノンターゲッティングという言葉を使っていますが,本作は「アクションゲーム」そのものだと思っています。そもそもアクションゲームなら,ターゲットがどうこうとかはあまり言わないですよね。アクションゲームとして作っている以上,ノンターゲッティングであることはごく当たり前なんですよ。
4Gamer:
なるほど。そういえば以前取材したときに,影響を受けたアクションゲームのタイトルとして「デビルメイクライ」の名前を挙げていました。
Youn-Jin Choi氏:
あれから開発作業を経て,今はデビルメイクライという1作品ではなく,ほかのコンシューマ作品も含めたアクションゲーム全般の面白さを取り込んでいます。
4Gamer:
しかしMMORPGというゲームジャンルで,高いアクション性を実現するには,多くのハードルがあると思います。本作の開発時には,どのあたりに苦労しました?
最も難しかったのは,大規模戦でアクションのパフォーマンスを落とさないことでした。現在は満足のいく仕上がりになっており,1エリア内で最大200人近くのキャラクターが同時にプレイできます。
もう一つは,コンシューマ機でプレイする人にとって遊びやすいような調整の落としどころですね。例えば,ダンジョンなどのボスにとどめを刺すときに,カットシーンを挿入するなどの演出にもこだわっています。あとゲームパッドへの対応も行っており,これも日本サービス時点で対応予定です。
4Gamer:
ゲームパッドの導入で,よりコンシューマゲームに近い感覚で遊べそうですね。200名が同一エリア内でプレイできるということですが,大人数のキャラクターが楽しめるコンテンツには,どのようなものがあるのでしょう。
Youn-Jin Choi氏:
分かりやすいのは対人戦(PvP)ですね。本作のPvPシステムを大きく分けると,闘技場を舞台にしたアリーナ戦,城を取り合う攻城戦,そして最大で100 vs. 100の大規模戦の3種類があります。攻城戦ではプレイヤーギルドが“城”を獲得できるのですが,支配地域に対し政治・経済を設定するといった遊び方もできます。
4Gamer:
内政までとは,かなりのボリュームがありそうですね。ゲーム全体としては,PvPとPvE(対モンスター戦)のどちらを重視していますか?
Youn-Jin Choi氏:
どちらというよりも,両方ですね。日本ではどちらかというとPvEの人気が高いので,パーティプレイでボスを倒したりといったコンテンツを増やすべく現在開発中です。
4Gamer:
ところで,プレイヤーキャラクターのクラスには,どのようなものがありますか?
Youn-Jin Choi氏:
“ファイター”“スカウト”“マジシャン”“ウォーリア”の4種類から選べます。各クラスはそれぞれ2種類の異なるタイプの武器が使え,近距離/中距離/遠距離といったプレイスタイルを手軽に切り替えられます。
4Gamer:
クラス名を見てみると得意/不得意はありそうですが,武器の切り替えでそのときの状況に対応できるのは面白いですね。ほかに,キャラクター周りのシステムに関してはどうでしょう。
Youn-Jin Choi氏:
キャラクター作成時は外見のカスタマイズ項目が多く,存分にこだわることができます。あとは武器に属性を込めることで,モンスターとの相性によって大ダメージを与えられたり,採集を経て武器を作成したり,強化を行ったりといった,さまざまなシステムが用意されています。
4Gamer:
どれだけキャラクターカスタマイズにこだわれるのか,興味深いところです。ちなみに日本へのローカライズ作業において,ゲームバランスを調整するのでしょうか。
Youn-Jin Choi氏:
そこは今まさに,NEC BIGLOBEさんと相談しているところです。いまお話したPvEコンテンツや,日本にちなんだコスチュームアイテムなど,さまざまなプランを考えています。
4Gamer:
分かりました。では,日本版のサービススケジュールについて教えてください。
Youn-Jin Choi氏:
2012年1月〜2月にプレミアテスト(負荷テストを兼ねた先行テスト)と称した,1回目のクローズドβテストを予定しています。2回目のクローズドβテストは3月に,オープンβテストを4月〜5月に実施し,その流れで正式サービス開始へつなげていく予定です。
4Gamer:
最後に,日本での正式サービスに向けて,その意気込みをお聞かせください。
Youn-Jin Choi氏:
本作は弊社にとって最初のクライアント型のオンラインゲームで,開発時はいろいろと苦労しました。ですが苦労した甲斐があり,クオリティにはとても満足しています。これから日本でのローンチに向けて,NEC BIGLOBEさんと共に頑張っていくので,期待していてください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「Eclipse of EDEN」公式サイト
(――2011年9月16日収録)
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Eclipse of EDEN
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