連載
マフィア梶田の二次元が来い!:第246回「決して逃げ出さない“なんでも教”のリトルノア」
TVアニメ「蒼穹のファフナー EXODUS」,戦闘シーンの緊張感がハンパないですね。シリーズの傾向的に主人公側が優勢に見えても最後の最後まで安心できないので,毎回ハラハラしながら見ています。
キャラをどんどん掘り下げて,視聴者が感情移入したタイミングで悲惨な最期を迎えさせるとか平気でやらかす作品なので,ただただ怖いですよ。しかし,面白い。どのキャラクターにも死んでほしくないと思わせる,人間ドラマ構築のうまさには脱帽です。もし未視聴ならば,過去のシリーズからまとめて見てほしい作品ですね。
……まずは「蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT」からな!
「RADIO 4Gamer Tap(仮)」の第4回では,BlazeGaemsよりAndroid版が先行配信中の「リトル ノア」(iOS / Android)を特集。本作はアートディレクターに吉田明彦氏,サウンドコンポーザーに崎元 仁氏を起用していることで話題のRTS(リアルタイムストラテジー)です。
番組ではゲストとしてBlazeGamesよりプロデューサーの岡田佑次氏をお招きし,ゲームの解説をしていただきつつ,最大4人でリアルタイム協力プレイが楽しめる,「COOPバトル」を楽しんできました。
「リトル ノア」公式サイト
RTSというジャンルのタイトルは,これまでにもスマートフォン用に数多くリリースされています。そんな中,本作はRTS特有の奥深い戦略性を保ちつつ,煩雑になりがちな操作性を極めて単純化している点が好印象ですね。
吉田明彦氏のディレクションによる世界観やキャラクターもキャッチーで,崎元さんの音楽がそこに彩りを加えています。画面を見るだけで力が入っていることが分かるので,「プレイしたい」と思わせるフックが非常に大きいタイトルですね! iOS版も早く来い!
まったくもって時間というのは,「足りる」ことのないものです。最近,とくにそう感じますね。「もっと遊びたい」「もっと休みたい」といった“快楽”に関わる面で時間が欲しいと感じるのは当然として,俺がこのところ求めているのは“学ぶ”時間だったりするんですよ。
……あ,言っときますけど,大学に入って勉強したいとか,そういうことじゃないですよ。また学生になって「勉強のために勉強する」なんて,想像しただけで鳥肌が立ちますわ。そうではなく,“仕事”のために学ぶ時間が欲しいんです。
専門学校時代,俺は業界の先輩である講師の皆さんに,「専門外の仕事からも逃げることなく挑戦する」という精神を叩き込まれました。これはフリーの世界で生き残っていくうえで非常に重要なポリシーであり,それを忘れずにきたからこそ今の自分があるのだと思っています。
具体的には,ラジオや動画,イベントMC,最近ではちょっとした声優の仕事なんかも……専門外だからと断らずに挑んできた結果,本業に迫る勢いで増えてきました。たいへんありがたいことです。
言ってみれば,専門学校で基礎を学んでいたライター仕事以外は完全なゼロからの現場叩き上げ……こう言うと,何やらカッコイイ感じもするのですが,実のところ都合の良い面ばかりでもありません。だましだましやってきましたが,いよいよもって“限界”を感じる面も出てきたんですよ。
それを強く自覚したのが,声優のお仕事。具体的には,“声の出し方”です。実際に収録をしてみて分かったのですが,ラジオやMCとはまた違う……戦闘シーンで叫ぶような演技における“発声”の難しさは,これまでやってきた仕事の中でも段違いのものでした。たった30ワードちょっとで,すっかり喉を潰してしまったのです。
つまり,演技の良し悪し以前に喉の使い方がド素人であるため,スタミナが圧倒的に足りていないわけです。そこで気張って無理をした結果,ライター仕事に例えるならば,記事を一本書いただけで腱鞘炎になるような事態を招いたわけです。
その仕事自体は,完全に喉がイカれる前にどうにかギリギリでやりきることができ,クライアントにも喜んでもらえたのですが,終わったあとに愕然としましたよ。根性や体力的な無茶をすることではどうにもならない,純粋に技術的課題に直面したのは久しぶりでしたからね。「収録の途中で声が出なくなるかもしれない」というあの恐怖,もう二度と味わいたくないです。
……とまぁ,この経験が“学びたい”という話に関わってくるわけですわ。今後も同じような仕事を請け負う可能性が1%でもある限り,現状のままではいずれクライアントに迷惑をかけてしまう。「そもそも専門外なのだから,そこまで考えなくても」と思われるかもしれませんが,“仕事”として報酬をもらって引き受ける以上は,“プロ”としての責任が生じてしまうんです。周囲の人がフォローをしてくれたとしても,自分自身で「素人であること」を言い訳に使うことは,絶対にできません。
……恥ずかしながら,原稿の〆切に関しては編集者に迷惑をかけてきた,甘えてきたことは数知れずですが。
さすがに発声方法なんてものは現場での経験以前の問題なので,どうにか時間を作ってプロのボイストレーニングを受けることはできないかと,半ば本気で考え始めています。「専門外の仕事からも逃げることなく挑戦する」というポリシーをこれからも守り続けるために。この強迫観念じみたものは,もはや狂信に近いです。なんでも引き受ける「なんでも教」の信奉者といったところでしょうかね。
まったく,学生時代に演劇などをやって喉をもっと鍛えていればまた違ったのでしょうが……将来こんなことで悩むようになるなんて,想像すらしたことがありませんでしたよ。
なんでも教の信者でいる限り,人生に張り合いが無くなったりはしなさそうですが……なかなかつらい道のりです。
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(C)BlazeGames,Inc.
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