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ソニー,「Xperia 1 IV」のSIMフリー版と専用クーラー兼拡張ドック「Xperia Stream」を国内発売
SIMフリー版Xperia 1 IVは,すでに販売中のキャリアモデルをベースとしつつ,メインメモリ容量を既存の12GBから16GBに,内蔵ストレージ容量を256GBから512GBに増量したのが見どころとなる。
約6.5インチサイズで,解像度1644×3840ドット,アスペクト比21:9の有機ELディスプレイや,搭載SoC(System-on-a-Chip)に「Snapdragon 8 Gen 1」といった特徴は変わらない。
また,Xperia 1 IVに搭載するゲーム用機能「Game Enhancer」もそのまま利用可能だ。
ただし,キャリアモデルが5Gのミリ波に対応していたのに対して,SIMフリー版ではSub6のみに留まる。対応バンドは,n3,n28,n41,n77,n78,n79で,国内キャリアのSub6を完全にサポートするのに加えて,通信キャリア以外の企業や自治体が構築できる「ローカル5G」に用いられるn41も利用できるという。
一方のXperia Streamは,Xperia 1 IVの発表時に開発を表明していたもので,外付けクーラーによる空冷機能と,インタフェース類の追加による機能強化を行う専用アタッチメントとなる。
まずは,Xperia Streamの冷却機構から見ていこう。
外付けのスマートフォン用クーラーは,専用や汎用などさまざまな製品がすでに流通している。一般的な冷却ファンは,SoCを搭載する熱源部分に対して,ピンポイントに空気の流れを当てたり,ペルチェ素子などの冷却媒体を密着させたりといった手法で冷却するものが多い。
Xperia Streamも,冷却ファンで空気をスマートフォンに当てて冷やすのは変わらないが,アタッチメント側の内部構造を最適化して,空気の流れを制御することで,熱源部分だけでなく背面パネルや前面パネルまで含めた冷却を行うのが特徴だ。
ソニーの検証によると,一部分だけを冷却する市販の外付けクーラーと比べて,Xperia Streamは端末全体の温度を低くできるため,フレームレートの低下を抑えられるという。また,ベンチマークテストのような高い負荷を連続してかけた状態でも,熱による性能低下を防げるというのがソニーの主張だ。
なお,Xperia Streamを装着すると,Game Enhancerに,Xperia Stream用のUIが加わる。ここでは,ファンの回転数などを調整できるだけでなく,Xperia Streamを使用したときだけ一時的に動作クロックを大きく引き上げる「ブーストモード」の設定が可能だという。
Xperia Streamにおけるもうひとつの特徴は,豊富なインタフェースをXperia 1 IVに追加できることだ。Xperia Streamの下側面に,4極3.5mmミニピンヘッドセット端子や,HDMI出力端子,100BASE-TX対応有線LANポート,USB Type-Cポートが並ぶ。
HDMI出力端子は,出力解像度が1920×1080ドットで,最大120fpsでの映像表示ができる。たとえば,外部ディスプレイへ出力して大画面でゲームをプレイしたり,ビデオキャプチャデバイスやPCをつないで映像配信を行ったりといった用途を想定しているとのことだ。
有線LANポートもゲームにおいて非常に重要だろう。5Gや無線LAN通信が,高速かつ低遅延になってきたとはいえ,とくに遅延の面でまだまだ有線LANに分があるのは確かだ。競技性の高いeスポーツタイトルをプレイするには,必須と言えよう。
ただし,Xperia Streamの有線LANポートは,100BASE-TXまでしか対応していないので,PCで一般的な1000BASE-Tと比べて,大きなデータの通信には向いていない。ソニーによると,ゲームでは短時間に大きなファイルをやり取りするケースが少ないため,100BASE-TXで十分対応できると判断したそうだ。ゲームのダウンロードは,無線LAN通信,実際にゲームをプレイするときは有線LANといった具合に,用途によって使い分けるといいだろう。
また,Xperia Streamは,持ちやすさと操作のしやすさにもこだわったそうだ。Xperia Streamの開発には,プロゲームチームの「SCARZ」のメンバーが協力しており,さまざまな持ち方を考慮しつつ,多くのゲーマーが長時間持ち続けていても負担の少ない形状を目指したという。
Xperia Streamは,単体販売に加えて,SIMフリー版Xperia 1 IVとXperia Streamをセットにした「Xperia 1 IV Gaming Edition」もラインナップしており,税込の想定売価は19万円前後だ。それぞれの製品を単体で購入するよりも,約9000円お得になる。
今回発表となった製品は,2022年9月15日から千葉・幕張で行われる東京ゲームショウ 2022のXperiaブースでの展示を予定している。いち早く試したい人は会場に足を運んでみるのもいいだろう。
ソニーのXperia 1 IV製品情報ページ
ソニーのXperia特設サイト
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