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ミドルクラスの「Snapdragon 632」とエントリークラスの「Snapdragon 439」「Snapdragon 429」。Qualcommが新型SoC計3製品を発表
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印刷2018/06/27 14:41

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ミドルクラスの「Snapdragon 632」とエントリークラスの「Snapdragon 439」「Snapdragon 429」。Qualcommが新型SoC計3製品を発表

 北米時間2018年6月26日,Qualcommは,Snapdragonシリーズの新型SoC(System-on-a-Chip)3製品を発表した。新製品のラインナップは以下のとおり。

  • Snapdragon 632 Mobile Platform(以下,Snapdragon 632)
  • Snapdragon 439 Mobile Platform(以下,Snapdragon 439)
  • Snapdragon 429 Mobile Platform(以下,Snapdragon 429)

 Snapdragon 632はミドルクラス市場向け(※Qualcommの区分ではHigh-Tier),Snapdragon 439と429はエントリー市場向け(※同Mid-Tier)のラインナップを補完するSoCで,搭載製品は2018年後半に登場するとのことだ。各SoCの概要について,簡単に紹介しよう。


Snapdragon 632


 Snapdragon 632の名称を見て,スマートフォン向けSoCに詳しい人なら「Snapdragon 635とSnapdragon 630の間に位置付けられるものかな」と思うかもしれないが,実際は少し違うようだ。QualcommがSnapdragon 632の比較対象としているのは,600番台のSnapdragonとしてはやや古めの「Snapdragon 626」(型番:MSM8953Pro)なのである。
 Snapdragon 626は,14nmプロセスで製造されるSoCで,CPUコアにArm製の「Cortex-A53」を8基,GPUコアには自社製の「Adreno 506」,モデムには同じく自社製の「Snapdragon X9 LTE」を採用していた。一方,新しいSnapdragon 632は,製造プロセスは同じ14nmのままで,GPUコアやモデムもSnapdragon 626と変わっていないのだが,CPUコア部分は,自社製の「Kryo 250」を8基搭載となっているのだ(表1)。
 単純に言えば,Snapdragon 626のCPUコア部分を自社製のKryoシリーズに置き換えたSoCが,Snapdragon 632といったところか。

表1 Snapdragon 632,630,626の主なスペック
Snapdragon 632 Snapdragon 630 Snapdragon 626
型番 SDM632 SDM630 MSM8953Pro
製造プロセス 14nm 14nm 14nm
CPUコア Kryo 250 Cortex-A53 Cortex-A53
物理CPUコア数 8 8 8
CPU最大動作クロック 1.8GHz 2.2GHz 2.2GHz
GPUコア Adreno 506 Adreno 508 Adreno 506
APIサポート DirectX 12,Vulkan,OpenGL ES 3.2 DirectX 12,Vulkan,OpenGL ES 3.2 DirectX 12,OpenGL ES 3.2
メモリコントローラ LPDDR3 クロック未公開 LPDDR4 1333MHz LPDDR3 クロック未公開
統合型モデム Snapdragon X9 LTE Snapdragon X12 LTE Snapdragon X9 LTE
通信速度 LTE Cat 12,下り最大300Mbps LTE Cat 13,下り最大600Mbps LTE Cat 12,下り最大300Mbps

 CPUコアの強化によって,Snapdragon 632はSnapdragon 626よりも最大40%高性能であると,Qualcommはアピールしている。そうなると,ミドルクラス市場向けスマートフォンで採用事例の多いSnapdragon 630との性能比較も気になるところ。しかし,残念ながらQualcommは,Snapdragon 632と630の性能比較は明らかにしていないのだ。
 また,Snapdragon 632は,統合型モデムがSnapdragon 630よりも古くて低スペックであるため,国内で流通するスマートフォンに採用されるかどうかは微妙なところかもしれない。


Snapdragon 439,429


 さて,Snapdragon 439と429だが,Qualcommは前者の比較対象に「Snapdragon 430 Platform」(以下,Snapdragon 430)を,後者の比較対象には「Snapdragon 425 Processor」(以下,Snapdragon 425)を位置付けている。
 スペックを並べた表2を見ても分かるように,Snapdragon 439と429のスペックは,比較対象とそれほど大きく変わっていない。顕著な違いは製造プロセスで,前モデルが14nmプロセスで製造していたのに対して,新製品は若干微細化が進んだ12nmプロセスとなっているのだ。
 プロセス微細化により,CPUコアの最大動作クロックを引き上げられたようで,前モデルの1.4GHzに対して,新製品はいずれも1.95GHzに向上している。これにより,CPU性能と消費電力当たりの効率は,前モデル比で25%向上したという。

 また,グラフィックス性能では,Snapdragon 439はGPUコアの世代こそ変わっていないものの,前モデル比で20%の性能向上を果たしたそうだ。加えて,Snapdragon 429では,GPUコア自体が前モデルの「Adreno 308」から「Adreno 504」に変わったこともあり,グラフィックス性能は50%も向上したとのこと。
 ゲーマーが積極的に選ぶべきスマートフォンに採用されるSoCではないだろうが,今回の新SoCを採用したエントリークラスのスマートフォンは,ゲームにおける性能が多少は向上することを期待できそうである。

表2 Snapdragon 439,430,429,425の主なスペック
Snapdragon
439
Snapdragon
430
Snapdragon
429
Snapdragon
425
型番 SDM439 MSM8937 SDM429 MSM8917
製造プロセス 12nm 14nm 12nm 28nm
CPUコア Cortex-A53 Cortex-A53 Cortex-A53 Cortex-A53
物理CPUコア数 8 8 4 4
CPU最大動作クロック 1.95GHz 1.4GHz 1.95GHz 1.4Hz
GPUコア Adreno 505 Adreno 505 Adreno 504 Adreno 308
APIサポート DirectX 11.2,Vulkan,OpenGL ES 3.2 DirectX 11.2,OpenGL ES 3.1 DirectX(バージョン未公開),Vulkan,OpenGL ES 3.2 DirectX(バージョン未公開),OpenGL ES 3.0
メモリコントローラ LPDDR3
周波数未公開
LPDDR3 800MHz LPDDR3
周波数未公開
LPDDR3 667MHz
統合型モデム Snapdragon
X6 LTE
Snapdragon
X6 LTE
Snapdragon
X6 LTE
Snapdragon
X6 LTE
通信速度 LTE Cat 4,
下り最大150Mbps
LTE Cat 4,
下り最大150Mbps
LTE Cat 4,
下り最大150Mbps
LTE Cat 4,
下り最大150Mbps

Qualcommの当該プレスリリース(英語)

QualcommのSnapdragon 632製品情報ページ(英語)

QualcommのSnapdragon 439製品情報ページ(英語)

QualcommのSnapdragon 429製品情報ページ(英語)

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    Snapdragon

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