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Qualcomm,5G対応の新型ハイエンドSoC「Snapdragon 855」を発表。AI処理性能は最大3倍に強化される
発表とはいうものの,今回は,QualcommがSnapdragon 855の存在を明らかにしただけというのが実情で,SoC内部のアーキテクチャがどうなっているのかといった説明はほとんどない。明らかになっているのは,5G対応のモデム機能として「Snapdragon X50 5G Modem」を組み合わせることができるということくらいだ。詳細は,北米時間12月5日に行われるイベント2日目の基調講演で明らかにするようである。
ただ,4日の基調講演で説明を担当したAlex Katouzian氏によると,Snapdragon 855は5G対応に加えて,Qualcomm製としては第4世代のAI処理エンジンを採用したことにより,現行世代のSoCと比べて端末上で動作するAI処理の性能が最大3倍まで向上したのが大きな特徴であるという。
第4世代のAIエンジンとは言っても,HiSilicon Technologies製のSoC「Kirin 980」における「Neural-network Processing Unit」(NPU)のようにAI処理専用プロセッサを使うのではなく,SoC内のCPUやGPU,DSP(Digital Signal Processor)といったプロセッサ類を組み合わせてAI処理を実行するのが,Snapdragon流のやり方だ。
それでも,「7nmプロセスで製造された競合のAndroid端末向けSoCよりも,2倍の(AI処理)性能を有する」と,Katouzian氏は主張している。この競合とは,Kirin 980のことだろう。
また,Snapdragon 855は,独自の指紋認証用超音波センサーである「3D Sonic Sensor」の機能を統合しており,スマートフォンの内部に組み込んだセンサーによって,ディスプレイ面に指を押しつけるだけで指紋認証を行えるとのことだ。
Snapdragon 855では,モバイル機器におけるゲーム用途での進化も行われたようであるが,こちらも詳細は明らかにされなかった。後日の発表に期待したい。
Qualcommの当該プレスリリース(英語)
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