ニュース
Qualcomm,ミドルクラス市場向けの5G対応SoC「Snapdragon 768G」を発表
Snapdragon 768Gは,Qualcommが2019年12月に発表したSoC「Snapdragon 765G 5G Mobile Platform」(以下,Snapdragon 765G)の動作クロック向上版という位置付けとなる。搭載するCPUコアの「Kryo 475」の最大動作クロックが,最大2.4GHzから2.8GHzへ向上したのが目に付く違いと言えようか。また,詳細は明らかになっていないが,統合型GPUコアである「Adreno 620」を改良することで,Snapdragon 765Gの同名GPUと比べて最大15%の性能向上を実現したという。内蔵モデムは,Snapdragon 765Gと変わらず,5G対応の「Snapdragon X52 5G」を採用している。Snapdragon 768Gと既存製品の主なスペックは表のとおり。
Snapdragon 768G | Snapdragon 765G | Snapdragon 730G | |
---|---|---|---|
製造プロセス | 7nm | 7nm | 8nm |
CPUコア | Kryo 475 | Kryo 475 | Kryo 470 |
物理コア数 | 8 | 8 | 8 |
最大動作クロック | 2.8GHz | 2.4GHz | 2.2GHz |
GPUコア | Adreno 620 | Adreno 620 | Adreno 618 |
メモリコントローラ | LPDDR4x 2133MHz | LPDDR4x 2133MHz | LPDDR4/4x 1866MHz |
統合型モデム | Snapdragon X52 | Snapdragon X52 | Snapdragon X15 LTE |
通信仕様 | 下り最大3.7Gbps(5G),下り最大1.2Gbps(LTE) | 下り最大3.7Gbps(5G),下り最大1.2Gbps(LTE) | 下り最大800Mbps(LTE) |
Snapdragonシリーズにおいて,製品名の末尾に「G」が付くものは,ゲームやエンターテイメントと用途向けの機能を強化したSoCであることを意味する。Snapdragon 768Gは,Qualcommが「Elite Gaming features」と称する機能群を備え,Google Playストアを経由したGPUドライバ単体のアップデートや,ゲームのフレームレートが低下するのを防ぐ「Jank Reducer v2.0」といった機能が利用可能だ。
なお,Snapdragon 768GとSnapdragon 765Gは,ピン互換であるそうなので,Snapdragon 765GからSnapdragon 768Gへの移行は比較的容易に思われる。今後登場するミドルクラス市場のスマートフォンで,Snapdragon 768Gの名前を目にすることもありそうだ。
QualcommのSnapdragon 768G製品情報ページ
- 関連タイトル:
Snapdragon
- この記事のURL: